第一話 どうやら、私は____
前略
どうやら私は転生したらしい
それも、最近流行りの「俺TUEEE!!」系の物語に転生してしまった。
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この世界は弱肉強食
強くなければ狩られるし、ただ死を待ち続けるだけなのだ。
それを私は齢9歳で知った。
だからこの世界で権力を得るには強くならなければならない____そうは思う、しかし
『めんどくさい…後怖い。』
そう、私はめんどくさがりで、しかも怖がりのコミュ障だ(つまりは陰キャ)
ただでさえ弱いのに、そこに面倒くささも加わっている…怠惰ダメダメ人間の出来上がり、って訳だ。
これではなぁと思う反面、やっぱり面倒くさいと感じる
そこで私は究極の方法を思いついた。
『魔術の勉強だけして、最悪自分だけ守れれば生きれるかも!』
超絶究極の考えである。
この世界における魔術とは、戦闘、医療、生活…エトセトラに使われている、いわばめっちゃ便利な道具のようなものだ。
そして、魔術を扱える人間というのは、そう珍しいものではない。つまりは、まぁ公務員的な立ち位置だ。
そして、公務員的なものということは____そう、お給料が安定している。
すなわち、すこーし頑張れば、将来には明るすぎるほどの光が溢れているのだ
私がおばあちゃんになっている頃には、きっとゆったりスローライフ(ダラダライフ)が待っているはずだ…!
これはいいぞ、きっと脇役モブ人生を全うできる…そう考えた私は、魔術師の父の書斎へと足を進めるのであった。
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『…ん?』
私は父の書斎を物色し尽くし、そこにあった魔術は全て自分の力になっていた
そして私がちょうど12歳になった頃、おじいちゃんの書斎で変な本を見つけた
『なにこれ…』
手にとって本を開くと、なにやら召喚術の説明が書いてあるようだった
『ふむ…精霊に妖精、さらには妖怪の召喚の方法まで書いてある。これは有能だぞ〜』
そして、私は次のページへと手を伸ばす
『…あれ?なにこれ…禁忌の…術?』
そのページには、ここから先のページは禁忌に触れる内容なので開くな、と警告が書かれていた
『召喚術においての禁忌…天使とかの召喚かな?』
あ、そうそう。この世界はどうやら神が作った物らしい。
そして、国や地域を守護している天使がいるらしい。
そういう考えな訳だから、この世界においての天使というものはとても神聖なものであり、崇拝するものでもあり、正義と呼ぶに相応しい…まさにそういう存在だ。
だから、天使の召喚という行動は禁忌に当たるらしい、知らんけど
『流石に天使は駄目だよねぇ』
と言いながら、本を閉じようとした時
ビュオッ、と風が吹いた
『あっ』
そう言った時にはもう手遅れだった
パラパラとページが巻き上がり、禁忌のページを不意ながら開いてしまった。
その時
グオン!と本のページが光り、床に魔法陣が出てきた
『え、なにこれ…なにこれ!?』
混乱しながらも本のページに目をやる、すると
【この召喚術のページをひらきしものよ、貴殿にはこの文章を読む義務がある】
『は、はぁ…?なにそれ…』
【さもなくば死ぬ】
『強制地獄行きじゃねぇかァァァァァァァ!?!?』
私は発狂に近い叫び声をあげ、読む文章を見た、そして____叫んだ
【地獄に堕ちしかの者よ、今我の召喚に応じ、我の力となれ…】
『さぁ、今ここに出現せよ! 七つの大罪、総括となるルシフェルよ!!!!!』
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『はぁ、はぁ、はあぁぁあ…疲れた…』
どうやらさっきの召喚でかなりの精神力を削ってしまったようだ
『な、何だったの、っさっきの……え?』
私の目の前に、美しい女性が座っていた
彼女はきょとんとした顔でこちらを見つめている
そしてすぐにハッとした顔をして、なぜか涙目になって私に話しかけてきた。
「貴方が…解放してくれたのですか?あの、地獄から…っ」
『へっ? 地獄?解放?』
疲労が消えきっていない頭で返事をした、クラクラする…
「あぁ、なんと…何と慈悲深い…私は貴方に一生ついていきます、主様…!!」
『ある、じ…?何のこ……』
ぷつり
視界が途切れる…私、ソフィアは力無く後ろへと倒れ込む
「主様…?主様!?しっかり…!!!!」
少し、いや、かなり疲れた…今日はもう寝よう
きっと悪い夢だったんだ…禁忌の書なんて…最初から…




