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プロローグ 3

『行きます』


口にした途端、目の前が

目も眩むほどまぶしい光に包まれた。


思わず目をつぶると


『ありがとう、本当に感謝するわ』


女神の弾んだような嬉しげな声が

頭の中に響いた。



・・・・目の前のまぶしさが徐々に収まる。


「さあ、もう目を開けても大丈夫よ」


女神イリューディアの優しい声がささやいた。

そっと目をあけると一面が真っ白な空間。


目の前には小さなモフモフの動物を

大事そうに抱えた

イリューディアさんが立っていた。


「ここはまだわたくし達の世界の入口なの。

これからあなたを下界の人間たちの

ところへ送り届けるわ。


・・・それから、わたくしの願いに応えてくれた

あなたには最大限の加護を。」


どうかしら、その姿もお気に召して?


にこにこと嬉しそうに

イリューディアさんが微笑み

何もない空間の中、

目の前に鏡を出してくれた。


・・・その姿?わたしのこと?


言われて、改めて自分の姿を鏡で見る。


「えぇ⁉︎」


鏡の中で驚いた顔をしているのは

さっきまでTVで見ていたあの深夜アニメの、

あざとカワイイと思った女の子そっくりの姿だ。


年齢は17、8歳位だろうか?

元が30歳近いアラサーだったので

一気に10歳ほど若返ってしまった。

なんてこと。


まっすぐで艶やかな長い髪は

しっとりとした漆黒に見えるのに、

日の光の当たり方で

深い紫色か藍色にも見える

不思議な色味。


長い睫毛にふちどられ、

驚き見開いている目の色も

真っ黒なようでいて、よく見ると

髪と同じような紫色や藍色が時おりのぞいていて

その中で僅かに混じった金色が

キラキラとゆらめいている。


まるで瞳の中で星が輝いているようだ。


何これ、不思議!


自分の顔なのに面白くて夢中になり、

ついジッと見つめてしまう。


目鼻立ちがはっきりとしていて、

添えられているぱっちりとした瞳は

アーモンド型に少し釣り上がり気味なのに

きつく見えない、まるでネコのような愛嬌を

感じさせる印象的な顔立ちだ。


そして色白の肌と豊かな胸に細い腰、

ほっそりと長い手足。


さすが参考元がアニメ美少女・・・

元の自分の地味な顔立ちと比べて

嬉しさよりも先に申し訳なささえ感じてしまう。


「さっきその姿を羨ましがっていたでしょう?

どうかしら?」


わりと似たような可愛らしい

仕上がりに出来たと思うの。


ふふっ、と少し誇らしげに

笑うイリューディアさん。


ありがとうございます!最高です!

とっても可愛いです、大満足です‼︎

と言いたくなったけどふと

現実的な疑問が頭に浮かんでしまった。


「あの、、、ということは元々の

私の姿ってどうなっちゃって

るんでしょうか?あと仕事・・・」


悲しいかな、社畜根性が

完全なる現実逃避を許してくれない。


ああ、とイリューディアさんが

思い出したように頷いた。


「あなたの元々の姿は今までの世界に

置いてあるので大丈夫よ。


あなたの魂を写しとって、

今までと同じような生活を

元の世界でも送れるようにして

あるからどうか安心なさってね。


ものすごく乱暴な説明をすると、

こちらとあちら、2つの世界にあなたの魂が

存在すると言うことかしら。」


突然あなたが消えたらあちらの世界にいる

あなたの親しい人たちに申し訳ないですものね、

と笑むイリューディアさん。


さすが女神さま、アフターケアも万全だ。


「いかがかしら。これで安心して

お手伝いをお願いできる?

・・・えぇと、あ、お名前は・・・?」


イリューディアさんが私の名を呼ぼうとして

困ったように小首を傾げた。


そういえば名乗ってなかった。

帰れないかもしれないのに

つい、勢いで現実逃避して来てしまった。


「悠里です、伊藤悠里。

名乗りもせずにごめんなさい」


慌てて頭を下げる。


「ユーリ、ね。優しい響きの良いお名前ね。

これからどうぞよろしく」

「俺も加護を与えたぞ‼︎」


イリューディアさんが話しているところに、

突然ガウガウとさえぎる声が割り込んできた。


・・・ガウガウ?


声の出どころはイリューディアさんが

大切そうに抱っこしていたモフモフだった。


「あなたったら、まだお話の途中でしたのよ」


「そうは言うけどお前、ちっとも俺に

しゃべるスキを与えないではないか!

俺にも話させろ!おいユーリ‼︎今回は

俺たちの尻拭いをさせてすまないな‼︎

申し訳ない‼︎」


ちっとも申し訳なくなさそうに、

それどころかものすごくえらそうな態度で

白い毛皮に黒いしま模様が入った動物が

イリューディアさんの爆乳に埋もれながら

人間の言葉を話す。


なんだろう。ネコ?いや、トラの子供?


「俺はここでは戦いと破壊の神と

呼ばれているグノーデルだ‼︎

あとこれはうちの嫁‼︎」


たしたし、と仔虎が前足で自分を抱き抱えている

イリューディアさんの腕を叩いて主張した。


「えっ?よ、嫁?イリューディアさんが⁉︎

イリューディアさんの旦那さんて

トラなんですか⁉︎」


「ちょっと力を使い果たしてな!

この姿から戻れなくなってるとこだ‼︎」


戻るまでもう後200年くらいかかるかな?

うははは‼︎

と仔虎がかわいい姿に似合わない豪快な

笑い声を上げる。


「え、えぇ~」


「そんな事よりだ!

この世界が荒れた原因の1つは俺にある。

ちょっとした事情で俺が暴れたせいで

この世界がなかなか回復できずにいてな!

ユーリのように異世界からのヒトの手を

借りなければならなくなったのだ!」


だから詫びのつもりで自分も加護を与えたのだと

グノーデルは胸を張った。


いやいや、イリューディアさんならともかく

戦いと破壊の神様の加護って何なんだろう?


なんか怖いんですけど・・・。

あと私を呼ぶはめになった

原因とかどういう事??





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[気になる点] あらすじでは10歳の少女 プロローグ3では10歳若返って17、8歳 序盤で重要な描写が破綻しています。 申し訳ないですが、イメージができなくなったため読むのを止めます。
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