マイ・フェア・レディ 11
演習場の扉がもの凄い音を立てて開いた。
一瞬、あの大声殿下が現れたのかと思ったくらいだ。
びっくりしてそちらを見ると、今まで見たことが
ない位焦った顔をしたレジナスさんがいた。
ぎぃっ、と扉が音を立てて傾くと、ガタンと外れる。
・・・壊れそうな音がして開いたと思ったけど
ホントに壊れた。
力加減が出来なかったあたり、どれだけレジナスさんが
心配して飛んで来てくれたかが分かる。申し訳ない。
「ユーリ‼︎」
私の姿を確かめ安心したレジナスさんが良かった、と
ほっと息をついた。
「ごめんなさいレジナスさん!」
私からも駆け寄ると、いつものようにさっと
抱き上げられて頭を撫でられた。
「良かった、ルルー殿も心配している」
本当に無事で良かった、と言ってくれた顔は
安堵の表情で勝手にいなくなって迷惑をかけたのに
少しも私を責めるところはない。
そんな私達をさっきのお兄さん騎士が呆然と
見ているのに気付いてレジナスさんが声を掛けた。
「君がユーリを見ていてくれたのか。おかげで
すぐに彼女に会えた。感謝する、デレク・エヴァンス」
レジナスさんの言葉にお兄さんが目を見開いた。
「いえ、そんな。・・・というか、俺の名前・・・」
なぜ知ってるんですか。その呟きに当然だ、と
レジナスさんは頷く。
「8ヶ月前、キリウ小隊に入隊してすぐの魔物討伐での
君の活躍はもちろん知っている。君のおかげで
たくさんの村人が助かったんだ、誇りに思うがいい。
それから、いまだリハビリ中だとも聞いている。
しっかり養生してくれ。隊への復帰報告を待っている」
それを聞いたお兄さん騎士の顔がみるみる紅潮して、
はいっ・・・!と言って俯いた。
俯く前にちらりと見えたその顔は、感激のあまり
涙ぐんでいるみたいだった。
お兄さんが小隊に入る頃にはすでにレジナスさんは
リオン様の護衛騎士になっていて、キリウ小隊で
直接会った事はないしまさか自分の顔と名前を
覚えているとは思わなかったんだろうね。
しかもレジナスさん、この人が何をした人なのかも
ちゃんと把握してた。
すごいな。さすがリオン様の代理まで
務めることもある護衛騎士。
と、レジナスさんは話しながら何かに
気付いたようにふとお兄さん騎士の右膝を見た。
ユーリ、とこっそりと聞かれる。
「もしかしてデレクの膝を治したか?」
「えっ、何で分かったんですか⁉︎」
「体の重心がまっすぐ整っている。膝を痛めて
いたら重心のかかり方がまた違っているんだ」
レジナスさんくらいの騎士になると
見ただけでそんなことまで分かるのか!
驚いているとそうか、では癒し子だという事を
言わなければな・・・と呟いていた。
その後、レジナスさんはデレクさんという
そのお兄さん騎士に私が先日の儀式で
召喚された癒し子であることや、恐らく
さっき私が癒しの力を使い膝の怪我を
治しただろうということまでかいつまんで
説明してくれた。
それを受けて、お兄さん騎士は初めて
自分の膝の状態に気付いたようだ。
そういえば痛くない、と呟いているから
問題なく治っているようだ。
良かった!
平伏する勢いでお礼を伝えてくる
お兄さん騎士と別れ、
私はレジナスさんに縦抱っこされたまま
第八演習場へと向かった。
「ユーリ様ぁ‼︎」
会うなりルルーさんは私を抱いている
レジナスさんごと抱きしめてくれた。
ああ~めちゃくちゃ心配かけちゃってるよ、
ごめんルルーさん。
今度からはちゃんと言うこと聞きます・・・!
そんな私達を見る周りの声が、
聞くとはなしに聞こえてくる。
「あれが癒し子・・・」
「あんな子どもだったのか⁉︎」
「レジナス様があそこまで顔色を変えて
探していた・・・」
どうやらレジナスさんが迎えに来てくれている間に
ルルーさんが事情を話しておいてくれたらしい。
私達を囲むように人が集まっているから
私のせいでどう見ても演習が中断している。
なんてことだ。演習も仕事のうちだろうに、
見学どころか仕事の邪魔だ。
「あ、あの!」
たまらずレジナスさんの腕の中から声を上げた。
まだ抱きついていたルルーさんが顔を上げ、
周りの騎士さん達も注目する。
「私のせいで演習が中断してしまって
ごめんなさい!ご迷惑をおかけしました。
もう大丈夫ですので、演習、ぜひ続けて下さい‼︎」
申し訳ない、とレジナスさんに抱っこされたまま
頭を下げたけど、この体勢で頭を下げるのって
意外と難しいな。
レジナスさんの胸元をしっかり
掴んでないとバランスを崩しそうだ。
そんなに謝らなくても、とレジナスさんが言いかけた時
「おっ、見つかったのか良かったなレジナス‼︎」
朗らかな大声が人垣の向こうから
聞こえてきて人波が割れた。
歩いて来たのは・・・あれ?さっき第一演習場の
場所を聞いた2人組だ。
団長、とレジナスさんが頭を下げた。
団長⁉︎てことは、騎士団長⁉︎
「おかげさまで、無事第一演習場で
落ち合うことができました」
「お前があんなに血相変えるところは初めて見たぞ、
いやぁ珍しいものを見れて面白かったな!」
レジナスさんの肩をポンポン叩いた団長さんは
そのまま覗き込むように私に笑顔を向けた。
赤い髪の毛とヒゲで
クマみたいな風貌はいかついのに、
笑顔はすごく人懐っこくて朗らかだ。
「お嬢さんが癒し子か。
召喚の儀式の時は顔が見えなかったが、
こんなにもかわいらしいお嬢さんだったんだなあ。
いやうちにもこんな可愛い娘が欲しかった」
「いい加減にしろマディウス、あと自己紹介をしろ」
おじさんの腕においで、と私を抱っこしたそうな
団長さんに、一緒にいたスキンヘッドの騎士さんが
ため息をついて言った。
「お、それもそうだな。さっき案内板のところで
会ったから初めまして・・ではないな。
俺は騎士団長を務めているマディウス・バイラルで
隣は副団長のトレヴェ・ジョンストンだ。
騎士団へようこそ癒し子様、団をあげて歓迎申し上げる‼︎」
いかつい風貌からは想像出来ない綺麗な騎士の礼を
取って団長さん・・・マディウスさんが隣の
スキンヘッドの人も紹介してくれた。
ん?バイラル?その名字って・・・
顔を上げたマディウスさんがニヤリと笑った。
「気付きましたかな?魔導士団の
ユリウス・バイラルはうちの三男坊です。
うちの倅がお嬢さんにご迷惑を
お掛けしていなければいいんだが」
やっぱり!言われてみれば髪の色も人懐こい笑顔も、
そして雰囲気もユリウスさんに似ている。
「私の方こそユリウスさんにはたくさん
お世話になってます!」
慌ててまた頭を下げたら、大きな笑い声と共に
「なに、魔導士団なんぞ癒し子様の
手足のように使ってやればよろしいのだ。
遠慮なくこれからもユリウスのやつを
こき使ってやって下さい」
そう言って、
さあお前らも演習に戻るぞ、と
号令をかけた。
ーその後はルルーさんと一緒に演習場の見学席に
腰を落ち着けて、ようやくレジナスさん達の
演習を見ることができた。
魔導士の人が何人か来ていて、魔法で作り出した
フェイクの魔物を使った演習を見学させて
もらったんだけどすごい迫力だった。
虎みたいなのとか、トカゲみたいなのとか
色んな魔物が出てきて騎士の人達がそれを倒していく。
演習だし擬似魔物だから本物よりも少し
弱いんですよと説明役で隣についていてくれた
騎士さんは教えてくれたけど、魔物自体を
見たことがないのでかぶりつきで夢中で見ていた。
そうしたらいよいよレジナスさんの番が来た。
レジナスさん、どんな魔物と戦うのかな。
魔導士さんに頼んで他の人よりも少し強めの
魔物を出してもらうって言ってたけど。
・・・そう思っていたら、私の癒しの力で
レジナスさんにどんな変化があったのか
知りたかったらしいシグウェルさんが
微妙にやらかした。
こちらシグウェル団長から頼まれておりました、
と言って魔導士さんが小さな魔石をレジナスさんに
見せた後、ぱきりと割ったその時。
その魔石にはシグウェルさんが作り出した擬似魔物が
入っていたらしく、石が割れたと同時に物凄い
咆哮がして大きな青白い竜が1匹現れたのだ。
咆哮だけで竜の周りの地面が凍っている。
「なっ・・・氷瀑竜⁉︎」
周りがどよめいた。
石を割った魔導士さんも、想定外のものが
出てきたのか完全に固まっていた。
なんであんなのが、とかえっ、ホンモノ?
いや、違うよな⁉︎とかあれを作り出せるとか
ウソだろう、とか騒然としているのを聞いて
私達と一緒に座ってくれていた説明役の
騎士さんを見ると、
「あれは本物だとたった一頭でも騎士と魔導士が
10人がかりで連携を取りながら戦わないと倒すのが
難しいんです。翼の羽ばたき一つ、
振りかざす爪の一薙ぎ、吐く息の一つ・・・
ただそこにいるだけであらゆるものを
凍らせるからとても厄介で」
説明をしながら、騎士さんは演習場から目を離せず
両手をぎゅっと握りしめていた。
どう考えても演習で出すレベルの魔物じゃないらしい。
だってニセモノのはずなのに今の説明とおんなじことが
演習場の中で起きてるもん。
ユリウスさんが見たらまた真っ青になって
団長、アンタ一体何してくれてんですか⁉︎
って言いそう。目に浮かぶ。
そんな事を考えていたら、レジナスさんの
大きな声が耳に飛び込んできた。
「全員動くな!加勢は不用だ‼︎」
ハッとして声のした方を見たら、ちょうど
レジナスさんが不意をつかれて
動けなくなっていた魔導士さんを蹴り上げ、
演習場の外に出したところだった。
蹴り出された魔導士さんを団長の
マディウスさんが受け止めて
レジナスさんに声を掛けている。
「レジナス、一人でやるつもりか?」
「やれます」
頷いて短く答えたかと思うと、両手に剣を構えたまま
レジナスさんは竜に駆け出した。
竜の青白く燃えるような両目はレジナスさんを
しっかりと捉え、右の前脚を振り下ろすと
氷の槍みたいなものが無数に生まれては
襲い掛かっていく。
だけどレジナスさんはそれを物ともせずに
剣で薙ぎ払いながら突っ込んで行った。
割れた氷の破片で身を切られて痛そうだ。
・・・ん?身を切られていな・・い?
砕けた氷はレジナスさんに当たっているけど
全然傷付かない。
あれ?もしかしてあれが私の力の影響⁉︎
よくよく見れば、剣で払いきれなかった
氷の刃もレジナスさんに当たって砕けている。
そしてやっぱりレジナスさんは無傷だ。
演習用で威力が弱いのかと思ったけど、
レジナスさんに当たらなかった氷は
普通に地面に突き刺さっているし、
何なら演習場のグラウンドから
私達の見学席側に被害が及ばないように
張られている結界にもいくつか
刺さっている。どう見ても
レジナスさんの耐性が上がっているのだ。
ということは、斬られても
傷付かなかったりして・・・?
これを知ったシグウェルさんがもっと
あれこれ試しそうで怖い。
そう思っていたら隣の騎士さんから
あっ!と声がした。
見ると、竜の振り下ろした太い尻尾を
避けたレジナスさんがそのまま
尾を利用してそれを
駆け登り高く飛んでいた。
高っ!とかあり得ねぇ、とか周りが
ざわついている。
レジナスさんはそのまま
竜の後ろに回り込み
その首に2本の剣を突き立てると、
一瞬だけ竜の動きが止まった。
するとすぐにその剣を
引き抜いてもう一度飛び上がり、
今度は体重を乗せて両剣を
竜の頭上から思い切り振り下ろした。
剣を振り下ろしたと同時にゴトンッ‼︎と鈍くて
重い音がしたと思うと、演習場には斬り落とされた
竜の首が転がっていた。
はあっ、とレジナスさんが大きく息をついて顔についた
竜から飛んだ血をぐいと拭う間に、竜の体が霧散して
消えていく。と、同時に氷もあっという間に溶けて
なくなってしまった。
「・・・すげえ。」
呆気に取られてシンとした演習場が、一拍置いて
うおぉ!と物凄い歓声に包まれた。
レジナスさんが竜に駆け出していってから
あっという間の出来事に周りは騒然としている。
たった2本の剣だぞ。あり得ない。
見たかあの剣技。
一振りで首を落とした。
どうやって竜の攻撃を見切ってるんだ?
口々に興奮した感想が聞こえてくる。
対するレジナスさんはいつもの無表情で、
何度か自分の手を握ったり開いたりして
何かを確かめているみたいだった。
ああ・・これは完全に、私の何らかの力が
働いてるのに気付いたんだろうなぁ。
そう思ってレジナスさんを見つめていたら、
レジナスさんの方も顔を上げて、
私と目が合うと小さく頷いた。
デスヨネー。
詳しいことはレジナスさんじゃないと
分からないだろうから、後で教えてもらおう。
あんまり強化人間になっていませんように。
いや、物理攻撃が効かないってだけでもう
充分に強化人間なんだけどさ。。。
複雑な心境で、午前の演習は終わり昼食になった。
お昼は騎士団の食堂にお邪魔して、騎士の人達と
おんなじものを食べるはずだった。
少なくとも私はそう思っていた。
この世界に来てからは気を遣われて子ども用の
小さいお上品なサイズのステーキや
ハンバーグみたいなものばかりだったので、
実は漢メシ!って感じの分厚いステーキとか
鳥の丸焼きみたいなのが出てくるのを
楽しみにしていた。
なんならマンガ肉みたいな、骨付きの
大きなお肉が出てきてもかぶりつく気でいた。
だけど私とルルーさんに出されたのは
パンにスープ、小鳥のエサみたいな
かわいい量のサラダと私の手の平サイズの
ハンバーグだ。
あ、あれ?
キョロキョロ周りを見渡すと同じテーブルに
ついているレジナスさんや団長さん、副団長さんの
お皿の上にはちゃんと分厚いステーキ肉に、
付け合わせでバターがたっぷりかかった
じゃがいもがどーんとのっかっている。
他の騎士さん達もそうだ。
「ユーリ?どうかしたか?」
隣に座るレジナスさんが不思議そうに聞いてきた。
「レジナスさん・・・どうして私のお皿は
レジナスさん達とちがうんですか?」
「ユーリ達のは見学者用のメニューだな。
俺達のは見学者に出すには無骨過ぎるだろう?」
なんだと。むしろそこがいいんじゃないか!
郷に入っては郷に従え、騎士団に来たら
黙って漢メシを食うべし。
私だってバターがたっぷりのっている
アツアツのジャガイモを食べたいし、
久しぶりに分厚いステーキにもかぶりつきたい。
ちなみにステーキの焼き加減は元々レアが好きなので、
レジナスさん達のお皿にのっている血の滴るような
焼き加減のレアステーキが物凄くおいしそうに見える。
「ユーリ様、騎士団の方達に出されているお肉は
ユーリ様が食べるには硬いと思いますよ」
ルルーさんまで何を言うのかしら!
むしろ小さいうちは硬いものや
歯応えのあるものを食べた方が
骨の発達にもいいんですよ?
(単純に私がステーキ食べたいだけだけど)
騎士団に来たら、見学も楽しみだったけど
昼ご飯も密かな楽しみにしていたというのに・・・。
お昼を食べたら私達の見学は終わりだ。
午後はもっと本格的な実戦形式の演習で
見学者が見るには刺激が強いらしい。
なので、申し訳ないが帰る前に最後に
わがままを言わせてもらおう。
アラサーが身に付けた子ども処世術の出番だ。
「・・・おにくください」
むう、と頬を膨らませてフォークを
手に持ちレジナスさんを見上げた。
「みんなとおなじがいいです」
「だがユーリ、」
戸惑うレジナスさんに、
「仲間はずれにしないでください!」
そう言ってサッとフォークを突き出して
レジナスさんのお皿のじゃがいもを
一掬いし、自分の口に運んだ。
さすがの護衛騎士も子どもの突然の行動には
ついていけなかったらしくなすがままだ。
パクリと口に運んだじゃがいもは、茹でただけなのに
柔らかくってほくほくで、たっぷりのバターの塩気と
香りが口の中いっぱいに広がる。
「おいしい~‼︎」
これよ、これ。いつも出されるお子様メニューには
ないちょっとジャンクで適当な感じ。
最高だ。
これ、もうちょっと胡椒をきかせてピリッとさせたら
ビールのお供にも合うだろうな~。
フォークを持っていない方の手を頬に添えて
うっとりしてしまう。多分今私は、ここ一番の
幸せな笑顔になっていると思う。
よし。次はステーキだ。
「おにく・・・」
もう一度レジナスさんの方を見る。
上目遣いで、とどめにちょっと目を潤ませてみた。
どうだ、子どもがご飯欲しくて
今にも泣きそうなんですよ?さあさあ、
黙ってそのお皿の上のステーキを
食べさせてもらおうか。
「くっ・・・!」
さすがのレジナスさんも顔を赤くして
我慢しているが断りにくそうだった。
ごめんレジナスさん、
久しぶりのステーキのために
私は鬼にもかわいこぶりっ子にもなるよ!
「何だレジナス、とてもじゃないが
さっきまで平然として
竜を倒してた奴には思えんなあ!」
団長さんが大笑いすると、
こっちにおいでと手招きしてくれた。
「お嬢さん、そんなに俺達と同じものを
食べたいと思ってくれるとは嬉しいねぇ。
どれ、俺の分をあげよう。小さく切れば
子どもでも問題なく食べられるからな」
やったね‼︎喜んで席を立ち、私の向かいに座っていた
団長さんに駆け寄ると、ひょいと抱き上げられ
膝の上に座らせられた。
そのまま器用にステーキ肉を切り分けた
団長さんが、私の口にそれを運んでくれる。
念願のステーキゲットだぜ!食べさせられる、と
言うのが多少不本意だけど仕方がない。
子どもらしく振る舞ってしまったので
甘んじてその子ども扱いは受け入れよう。
久しぶりに食べたステーキも、噛み締めるほどに
赤身肉本来の肉々しい風味が口の中に広がって
最高だった。
ほんのりと香ばしい炭の風味もするから、
元の世界でのバーベキューが少し懐かしくなる。
「どうだ?おいしいか?」
「はい!お塩でおにくの味が
ひきたってて、とってもおいしいです!
ありがとうございます‼︎」
団長さんを見上げて笑顔で答えると、かわいいなあ。
やっぱりこういう娘が欲しかった、と頭を撫でられた。
では付け合わせは俺のをやろう。
そう言って副団長のトレヴェさんが
今度は私にじゃがいもを食べさせてくれた。
うーん、やっぱりおいしい。幸せだ。
ここの食堂、週イチ位で通いたいなあ。
にこにこしながら漢メシを堪能していた私は、
その向かい側でレジナスさんが私に手ずから
ご飯を食べさせるチャンスを逃したのに思い至って
ショックを受けていることに全然気付いていなかった。
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