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才能ある妹に馬鹿にされ続けてきた魔力0の姉、王太子まで真実の愛に目覚めたといわれ、婚約破棄され、相手が妹で家を追い出されてしまった。錬金術師になろうと弟子入り志願したお師匠に「お前才能0」と言われ…

作者: 完奈
掲載日:2021/07/01

「レヴィンの家の出来損ない!」


 いつも私がこう妹に言われてきました。

 レヴィンは魔法師を生み出している家、魔力0である私はここで出来損ないでした。


 才能ある妹に馬鹿にされ続けてきた私、でも魔力の才能が重視されない王太子の婚約者選考に残り、とうとう婚約者に選ばれたのです!


 魔力より王太子妃としての知識が重要視されるのです。

 そのあたりは妹はからっきしでした。


 そしてああやっと報われると思ったのですが……。


「悪い、魔力0とはやはり婚約は外聞が悪い。だから婚約破棄してくれ」


 と王太子殿下に言われたのです。魔法師でもあるまいに王家が魔力を気にするなんて……。

 でも私はそう言われ王宮を追い出され、実家に帰ると。


「あら出来損ないが帰ってきたわ!」


 妹にこう言われて、あらあら魔力0のくせにとまたいわれてしまいました。

 そして新たな婚約者が妹であることを聞いたのです。


「どうして!」


「魔法師としての私の天才ぶりを評価してくださったのですわ!」


 天才という名前にふさわしいのは確かにこの子でした。でも魔力判定結果などは……。


「うふふ、殿下は魔力0の出来損ないなんていらないって言われてましたわよ!」


 殿下には確かに最初、政略であるから真実の愛なんてお前には求めないなんて言われましたが。


「私が真実の愛の相手、運命の相手なのですわ!」


 確かに見た目はきれいでした妹は、性格は悪いですけど……。言い寄られたらころっと男の人は落ちてました。


「出来損ないさん、お父様もお母さまも魔力0なんていらないって言ってますわよ、さっさと出ていきなさい!」


 私は金貨1枚を投げつけられ、妹に家を追い出されました。

 魔力0の私は両親には疎まれていましたし……。



「……これからどうしましょう」


 金貨1枚でどうやって食つなぐか、そう思っていたら、目の前に真っ黒のローブを羽織った人が現れました。


「おい、女、ここは町の外れだ、お前みたいな胸なしでもこんなところにいたら襲われるぞ」


「胸なしでわるかったですわね!」


 むきーと私が怒ると、早く中央へ行け! と男が言います。その手には赤い石がはめこまれって、これ錬金術師の印じゃないですか、小説で憧れた魔力0でもなれる職業の一つ!


「……お、お師匠様!」


「はあ?」


「あてどもなくさすらうかわいそうな私です。どうか弟子にしてください!」


「あほかお前?」


 男はフードをばさっととります。割といい男、20歳くらい、私より二つほど上といったところでしょうか。

 黒髪黒目って見慣れない色ですわ。


「あほじゃないですわ!」


「とりあえず、弟子はとっていない。だから中央へ」


「魔力0と馬鹿にされて追い出されましたのよ! 天才魔法師の家で魔力0って、だからそれでもなれる錬金術師になりたかったのですわ! 弟子にしてください!」


 私は青年に縋り付き、あうあうあと泣きます。騒ぐな、騒ぎを起こすとまずいと青年は私の口をふさぎ、話くらいは聞いてやるといってくれたのですわ。

 お師匠様ゲットですわ!



「んで、レヴィンの家の出来損ないとやらが、錬金術師を目指してると」


「はいですわ!」


「お前、無理、見たところ才能0だ」


 宿屋で話を聞いてくれたお師匠様、もとい、レン・クロフォードっていい名前ですわね。

 お師匠様は無理無理と首を振ります。


「見たところって!」


「あのな、魔力はいらんが、やはり適性は必要。見たところお前才能0!」


 あうあうと私が泣くと、だからあきらめろとお師匠様はふうとため息をつきます。


「才能0でもなれますわよね!」


「小説で読んだなんたらは魔力0でも頑張ってなったとかお伽話だ!」


「あうあうあう……」


「な、諦めろ、そして普通に生きていけ」


 ぽんっと肩を叩かれました。諦めません!


 私は絶対に嫌ですとお師匠様と土下座しました。するとだから無理とため息をまたつきます。


「才能0でもなんとかなるって!」


「……とりあえずそうだな2か月、待ってやる。基本ができれば一応弟子にしてやるよ」


「ありがとうございます!」


「リアって言ったな、お前才能0と言われたのに……」


「やるだけやってみますわ!」


 私はレンがしばらくここで滞在するからというので同じ宿屋で部屋を取りました。


 私の錬金術修業がはじまりました。

 鉱石の種類を覚え、薬草の種類を覚え、基本は魔法師とそれほどかわらないので、覚えていた知識が生かせました。


「我々の究極は賢者の石だ、ただの石を金に変えたという古のアレイスタ・アークフォードを目指すのが我々の悲願」


 レンはそう言いながら、薬を作っています。これって魔法師の仕事とそれほどかわりませんわよ。

 基本はあまりかわらないなとレンが言います。


「天才といわれるやつでも、基本をきちんとしていなければ錬成はできんよ」


「へえ」


「基本を学び、あとはそうだな、鉱石の変換だ。銅を鉄に変えることができれば基本……」


「基本じゃないですわ中級ですわ」


「お前なんで……」


「本で読みましたの」


「あ、う、そうだな、基本は薬の生成と、石の種類を覚えることだ……」


 魔法師と聞いていたが、かなり知識があるなと頭をかくレン、そしてまあいいだろうと2か月目に、私の知識をテスト方式で試し、弟子にしてやると頷いたのです。


「やりましたわ!」


「とりあえずへっぽこ錬金術師くらいにはなれそうだな」


「へっぽこ……」


「中級は銅を鉄に変換することだが、あとは上級は人造人間、ホムンクルスの生成だ」


「ホムンクルス……」


「俺が目指す究極はそれだけどな……」


 錬金術といっても目指すところは様々で、賢者の石を求めていた小説の主役とは違い、レンは錬金術師としてのホムンクルスを作るために生きているというのです。


「しかし魔法師のレヴィンの家のお嬢様ってもっと才能あふれる奴と聞いていたが妹ってやつは天才らしいな」


「私はへっぽこなのですわ。出来損ないの姉でしてねえ」


「そう言っていたな」


 そういえば俺は城に呼ばれているが、お前も行くか? 王太子とやらの婚約式があるらしいぞと言ってきます。


「妹がいますわ……」


「だな、やめとくか」


「とりあえず行ってみますわ」


 この2か月で実は妹の過去の男とやらに偶然会いまして……実はちょっと復讐できそうだなと思ってましたので渡りに船でしたわ。


「お前その顔やめろにやっとするの!」


「あら失礼」


 私はレンが天才といわれる錬金術師であると聞いて驚いていましたが、東方から流れてきた彼は若いながら天才といわれる人だったのですわ。


 へっぽことか口が悪いですけど。



「ここに私は婚約を宣言する!」


 人々が祝福します。私はレンが苦笑いをしているのを見ました。

 私は一人、異議ありと手をあげます。


「リア! どうしてここに!」


「私はここに妹の不貞を宣言しますわ! 証言者どうぞ!」


「どうして僕と別れるなんて言うんだ、マリアンヌ、君にあれほど尽くしたのにほしいっていうアクセサリーだって買ってあげたのに!」


「マリアンヌ、私は君の要求に従ってドレスだって買ってあげた。なのに別れるって!」


「俺は金を貸したままだ、返してくれ!」


 殿方たち、実は町で出会った証言者その1から手を切った彼氏達にいろいろたかっていたのを聞いて、証言をさせることにしたのですわよ。


「……うるさいわね、もらったものは私のものよ!」


 妹は昔からこうでしたが、姉のものは私のもの、私のものは私のもの。


 会場は大騒ぎですわ。私はそろっとレンに行きましょうと声をかけます。


「おい、復讐は完遂とやらはしてないぞ」


「陛下のお顔を見てごらんなさい、かなり怒っておられますわ……ここにいたら私も絶対罰がなにかありますの。だから逃げますわよ!」


「わかったわかった」


 陛下は公明正大ですわ、妹と殿下にお仕置きがあるでしょうが、騒ぎの元凶にもなにかしらあるでしょう。


 私がレンと一緒に逃げ出しました。



「どうするこれから才能0だから、お前多分、中級にもなれんが」


「努力してみますわ。師匠」


「なら一緒についてくるか?」


「はい!」


 私はお師匠様についていくことにしました。あれから妹は婚約破棄、家は取り潰し、殿下は廃嫡、ざまあみさらせ。


 でも私は相変わらず才能0と言われながらも、なんとか師匠に追いつくために修業中です。

 しかし天才錬金術師であるお師匠様みたいに生まれつき才能が有れば、なんとかなったのでしょうかねえ。

 聞いてみたら努力なしに何ともならんと言われてしまいましたわ。

数ある中からお読みくださいありがとうございます!

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