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56話 一期生vs二期生①

 ミミちゃんと一緒にエリナ先輩とシャテーニュ先輩のコラボ配信を視聴したのが、今日からちょうど一週間前のこと。

 シャテーニュ先輩とコラボする機会は、事務所の公式チャンネルでの企画という形で訪れた。

 あの配信の後に先輩たちが運営さんに提案してくれたらしく、そこからあたしとミミちゃんに連絡が入り、打ち合わせとスケジュール調整を経ていまに至る。

 今回の企画では特になんらかの練習が必要というわけでもないため、準備期間が一週間と非常に短い。


「おはようございま~す!」


 本社ビル内にある配信用スタジオの扉を開け、中に足を踏み入れつつ元気よくあいさつする。

 続いて隣にいるミミちゃんも、「おはようございますっ」と告げた。

 中にはすでに四人のマネージャーさんがいて、なにやら話し合いをしている様子。

 配信で使うパソコンの前には運営さんが座っており、諸々のチェックを済ませてくれている。


「お、おはようございます」


「おはよー」


 背後から聞こえた声に振り向けば、そこにはエリナ先輩とシャテーニュ先輩がいた。

 スタッフさんたちの邪魔にならない場所に移動して四人で何気ない世間話を交わし、開始五分前になって席に着く。

 光栄なことに、今回あたしは司会進行役を任されることとなった。

 改めて進行台本に目を通し、大まかな流れを頭の中でイメージする。

 配信のタイトルは、『一期生vs二期生! 死力を尽くして勝利を目指せ!』。誰が考えたのかは知らないけど、シンプルで分かりやすい。


「――みんな、おはユニ~! 今日は朝からバッチバチの対決コラボ企画だよ! 司会進行はこのあたし、一角ユニコが務めます! 説明の前に、三人にもあいさつしてもらおうかなっ。エリナ先輩、シャテーニュ先輩、ミミちゃんの順にあいさつよろしく!」


 配信開始と同時に司会を務めるあたしが最初にあいさつして、エリナ先輩たちにバトンを渡す。

 ちなみに、サムネイルの画像にはエリナ先輩、シャテーニュ先輩、あたし、ミミちゃんの順に立ち絵が並んでおり、配信画面及び着席順もサムネと同じ並び方になっている。


「ごきげんよう豚共、皇エリナよ! 今日は一期生の力を存分に見せ付けてあげるわ!」


「みんな、おはよー。栗夢シャテーニュだよー。エリナちゃんと一緒に頑張るねー」


「みなさん、おはようございます。ガールズパーティ二期生の闇神ミミですっ。先輩たちには悪いですけど、絶対に勝たせてもらいますよっ」


 三人のあいさつと意気込みを聞いて、リスナーさんたちからの応援コメントがマシンガンのような勢いで流れてくる。

 ちらほらと目に付く『ぶひぃいいいいっ!』というコメントは、きっとエリナ先輩のリスナーさんたちが送ったものだろう。


「ということで、さっそく今回の企画について説明させてもらうよ~」


 深く息を吸って、言葉を続ける。


「一期生と二期生が血と汗と涙をまき散らしながら命懸けの死闘を繰り広げる――というのは冗談で、クイズとかゲームで和気あいあいと対戦する感じだねっ。勝負はどれも二対二で行うから、パートナーとの信頼関係と連携と絆と愛と友情とその他もろもろが重要になってくるよ!」


 進行に支障が出ない程度にアドリブを多めに入れてみた。


「それじゃあさっそく、一回戦に行ってみよう!」


 あたしがそう言うと、ミミちゃんや先輩たちが口々に「いぇーい!」と言って場を盛り上げてくれる。

 ここで冒頭パートは無事終了。

 配信画面の背景が切り替わり、いよいよ一期生との勝負が始まる。

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