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23話 ちょっとした企画①

 今日は数日前から告知していた、ミミちゃんとのオフコラボを行う。


「こんユニ~! 今日も相変わらずミミちゃんがいい匂いすぎる! 人工的な匂いじゃなくて、果物っぽい……強いて言うなら、桃に近い感じかな。こうして至近距離で堪能できるのは、まさに役得だね。というわけでミミちゃん、自己紹介よろしくっ」


『こんユニ~!』

『情報提供助かる』

『桃っていい匂いですよね』

『羨ましい』

『そこ代わって』

『闇の民です。チャンネル登録しました!』

『この二人のコラボほんと毎回楽しみ』


 うんうん、コメント欄もいい具合に盛り上がってくれている。


「もうちょっとマシな振り方してくださいよ……。みなさん、こんユニですっ。ガールズパーティ二期生の闇神ミミです。ちなみに、ユニコちゃんの方がいい匂いですよ。バニラみたいな甘い香りです」


「配信中に人の匂い嗅ぐなんて、ミミちゃんはエッチだな~」


「自分のことを棚に上げ――ひゃっ、急に脇腹つつかないでくださいっ」


 イタズラ心を抑えられず、脇腹を指でツンツンする。

 期待通りのかわいい反応が見れたので、心の中で「ありがとう」と何度も唱えておく。


『かわいい』

『かわいい』

『てぇてぇ』

『このやり取りを永遠に眺めていたい』

『部屋にいい匂いが充満してそう』


「さてと、そろそろ本題に移ろうかな」


 と、ここで事前に用意しておいた小道具を取り出す。


「じゃーん! お題箱~」


 二つ折りのメモ用紙を十数枚ほど入れたティッシュの空き箱を手に、某猫型ロボットを意識した口調で言う。


「じゃーんって言っても、リスナーさんたちには見えてませんよ」


「冷静なツッコミありがとう。ついでに説明もよろしく!」


「なんか流れが強引すぎますけど……分かりました。簡潔にまとめると、お題に沿っておしゃべりする、というのが今回の趣旨です」


『なるほどー』

『理解した』

『それでお題箱か』

『楽しみ』

『神回の予感』


 企画の内容としては特に斬新なわけでも奇抜というわけでもなく、それゆえにリスナーさんたちの理解も早かった。


「けっこうな数のお題を用意したから、全部やり終えるまで付き合ってね~!」


 そう告げた直後、了承の意思を示すコメントが怒涛の勢いで流れる。

 あたしはミミちゃんとアイコンタクトを交わし、キーボードの手前に置いたお題箱へと手を伸ばした。

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