勝負②
とりあえず幼女編、終わり!
イベントの時の転移みたいな感じで視界が切り替わる。
視界が切り替わり切ると、そこは草原だった。
「条件はこっちで決めさせてもらうわ」
そう言ってアルルちゃんが一分くらいメニューを操作すると
こっちにもメニューが出現する。
アルルちゃんが決めたらしい条件が文章化されていて、
下の方にはイエスノーの選択肢。
「条件はそんな感じよ、よく読んでから選択してね」
制限時間10分、回復アイテム10個固定、
ステータスの上限がLv30の時の状態固定…
「うーん…まぁいいですね」
別にこの決闘、勝つことが目的ではない。
アルルちゃんが満足すればそれでいいのである。
対等な実力でやって、それで勝敗が決まればそれでいいだろう。
あと、自分の中での縛りとしてファルたちはそんなに使わないようにしよう。
流石に二回連続人海戦術で戦っても楽しくない。
「よーし!じゃあ始めるわよ!」
そう言うとアルルちゃんはビキニアーマーに装備を変更する。
武器もなんかすごい…何だろうあれ、黒い金属の上に
血管みたいな赤い線が光って浮かんでいる。
多分ガチャから出たのだろうか…
という所まで考えが回るが、油断しすぎだと自分で
思考を止める。
今は決闘なのだ、集中しなければ。
そう思い、私は武器を構える。
「じゃあ…こっちから行くわよ!!」
アルルちゃんがこちらに向かって走ってくる。
流石に戦闘スタイル的に近づかれるのはあまりよくないので
茨縛りで行動を制限することを選択する。
「『茨縛り』」
「当たらないわよそんなの!」
茨縛りを軽々と躱し、こちらに向かってくるアルルちゃん
私も茨縛りを打ちつつMPを回復、その上で
ニードルなどの魔法を打って動きを更に牽制する。
「ふっ、ふっ!そういう感じなら…【アクセル】!」
アルルちゃんはスキルを使って加速し、私の魔法を躱しながら
進んでくる。
「予想通り」
アルルちゃんの武器的に、加速してくるタイプのスキルを
持っているだろうと読んでいた。
アルルちゃんの性格的に、ちょっと妨害して焦らせば
すぐに使ってくる気がしていた。
「【クイックスラッシュ】!!」
加速した上での攻撃スキル。
ステータス差がないことを考えると
当てられれば致命傷だろう。
当てられれば、という話だが。
私は背後から茨縛りを発動させ、足を絡めとる。
ライカさんに聞いた話によれば加速スキルを使った場合、
体を動かすことに意識を持っていかれるため
背後などの見づらい場所がおろそかになるらしい。
アルルちゃんを妨害して焦らせ、加速してくる一瞬を待つ。
それが私の狙いだ。
「うひっ!?ひ、ヒキョーよ!」
「掛かった方が悪いです」
私はそう言い、茨縛りで転んだアルルちゃんに連続攻撃を決め
決闘を終わらせるのだった。
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