屋台巡り、はじめにトピアさん
屋台巡り編スタート!
本日二回目の更新のため、
見てない方は一話戻って読んでいただければ幸いです。
「うぅー…散々だった…」
最初に見つけた敵。あろうことか蜂の大群だったのだ。
しかも、イベントポイントを大量に落とす類のモンスターだったため
戦闘を避けるという選択肢が存在せず、頑張って蜂の大群全てを
叩き潰すのには時間が掛かった。
その結果として虫嫌いのふーさんは蜂の大群という
虫嫌いではなくても虫が嫌いになりそうな光景を目にすることになり
戦闘が終わった瞬間、糸が切れたように座り込む。
「すげぇ大群だったな…前来たときも見たんだが、
ここまでの大群は初めて見たぜ」
テットウさんが言う。
「でもまぁ、もうこれで結構ポイント溜まっただろ。
帰り道でもちょっとは稼げるだろうし、
今回はこれで終わりでいいんじゃないか?」
ライカさんの発言にみんなが、特にふーさんが深く何度もうなずき
私たちは町に戻ることになった。
◆◆◆◆◆◆◆
町に戻り、素材をポイントに交換する。
ライカさんの言った通りかなりのポイントとなったので、
今度こそ、屋台を巡ってみようという事になった。
私はさっきポイントがなくて買えなかったアクセサリを買いに
トピアさんの所へ向かった。
ポイントの交換をする場所からすぐ近くにトピアさんの屋台は
開かれており、それに気づいたトピアさんも手を振って出迎えてくれる。
さっきのアクセサリが買われていないか、と思ったのだが
そのまま残っていたのでよかった、と思いながらトピアさんに挨拶する。
「こんばんは、さっきはすみませんでした…」
ポイント交換だと知った時、別れも告げずに
ポイント稼ぎに行ってしまったことを詫びる。
しかし、トピアさんは笑って言う。
「いいのよ、人間誰だってミスはあるものだもの。
それに、フジカちゃんとあえて私もうれしいしね?」
と、目配せをするトピアさん。
こういうのが大人の色気っていう奴なのだろうか…?
と思った矢先、とてつもない速さで後ろに回り込まれ
抱き着かれる。
「あ~!これよこれ!今日一日で疲れ切った体に染み渡るわ~!!!」
…あれから少しは強くなったのだが、まだトピアさんには敵わないようだ。
頭の上を吸われながら、私はそう思った。
その数分後、トピアさんは正気を取り戻し
満面の笑みを浮かべながら言う。
「は~!最高の気分よ!フジカちゃんがうちに来てくれるなら
なんでもあげちゃおうと思うくらい!」
「…カンガエテオキマス」
正直怖い。何をされるのか全く分からない。
…というか、トピアさんは今何をしているのだろうか。
助けて以来会うのはこれが初めてのため、気になる。
「そういえば、トピアさんはあれから何をして
暮らしていらっしゃるんですか?」
「あれからはね、みんなに分けてあげた服とかを
量産して商売してたの。ちょっとした規模のお店も作ってもらったから
これからジャンジャン稼ぐわよ~!」
あれって量産できるものなのか…
というかトピアさん、いろいろ凄いことができるがゆえに気になるのだが
ここに来る前はどんなことをして過ごしていたのだろうか?
…考えても無駄だろう、目の前のトピアさんの顔を見てそう思う。
こんな顔を人前でできるような人間に悪事なんてできるわけがない。
そんなことを考えながら私はお目当てのアクセサリを購入し
トピアさんにお店の場所を教えてもらったあとに別れを告げ、
他の屋台を回りに行くのだった。
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