引き金はこの手に④
本日二話目!
一話目を読んでいない場合、そちらを先に読んでいただければ…
(一話目を書いた時の状態から半分にしたため)
(胸糞要素が含まれているかもしれませんのでご注意ください)
それからの生活はとても忙しくなった。
ニールがこの村を気に入り、人に化ける魔法を使って
移住してきたり。私たちの噂を聞いてなぜか
私たち4人を英雄と讃え、王として擁立された結果として
村が発展し王都となったり。
忙しくも、楽しい日々が続いた。
◆◆◆◆◆◆◆
…状況が変わったのは、私たちが老いを感じ始めたころだった。
国に魔物が攻め込んできた。ニールがいる影響で
魔物が来ることも少なかったが、今は少しここを離れており、
攻めてきたのはその影響だろう。久しぶりの襲撃だったが
私たち4人は果敢に戦っていき
ついには魔物を倒し切った。少々被害があったが、
かなりの数の魔物が攻めてきていた以上、仕方ないことだろう。
しかし、それを良しとしない者たちがいた。
彼らは、この一件に関して激しく非難を始めた。
「我々は身の安全が確保できるからこそこの国にいるのだ。
しかし、この前の魔物の襲撃で貴方たちは犠牲者を出した。
貴方たちは王にふさわしくない、即刻王位を退いていただきたい」
そう言いはじめたのは商人たちだ。
商人たちは他国よりも身の安全を確保できるからこそ
この国にいたといい、かなり金を潤沢に持っている豪商の類だったが
ために、彼らの声は大きかった。
彼らの声は彼ら独自の情報網を使い
すぐさま豪商たちに都合のいい嘘を交えて国中に広がり、
ついにはクーデターにまで発展した。
私たちも老いを感じていたこともあり、
ここまでやられたら、と思い王位を退いた。
私は、それで終わると思った。
しかし、豪商たちはそこだけでは終わらなかった。
私たちが退いた後の武力を求め、どこから聞いてきたのか
人を送り育ててもらうためと妖精郷の場所を聞いてきた。
当然私たちは拒否した。
師匠が助けてくれたからこそ私たちは竜に勝てた。
故に師匠を売る真似はしたくなかった。
それに、妖精は高値で売れるらしい。
それを狙っていることが見え見えだった
豪商たちの意見は聞くつもりはなかった。
…しかし、それすらも予想通りだったのだろう。
豪商たちは私たちの家族を人質にとった。
他国から傭兵を雇い、傭兵を使って
私たち四人の子供たちを捕らえ、
無理やりにでも私たちに場所を吐かせようとした。
…そして、私は場所を吐いてしまった。
満面の笑みを浮かべていた主犯格の顔は、今でも忘れられない。
その上、子供の引き渡しの時に使われた魔法の影響で、
私たち4人は彼らに危害を加えることができなくなってしまった。
私たちは、泣き寝入りをするしかなくなった。
…その末で、私たちが邪魔になったのだろう。
子供たちの安全と引き換えに、私たちに死を望んできた。
…もう、この頃には私たちの心は擦り切れてしまっていた。
子供の命を握られ、愛すべき師匠とその故郷を売った。
それなのに子供の生き死には握られたままであり、
不甲斐ない私たちが死んだところで誰も悲しまないだろう。
…王であったときのような、楽しい日々は終わってしまった。
この記録を見ている誰かに聞きたい。
私がやったことは正しかったのだろうか?
愛する家族のために、愛した師匠を売ってもよかったのだろうか?
豪商に対して反論し、王として彼らを反逆罪で処刑し
王であり続けることが正解だったのだろうか?
今の私には、もう分からない。
この記録結晶は、こっそりと豪商に隠れて隠し持っていたものだ。
記録が終わったら、この結晶はこの牢獄の地面に隠す。
落ちぶれたとはいえ、魔法を使い
豪商たちから石一つを隠すことは容易だろう。
私は託す。私は問う。
私は…私たちは…私たちの決断は…正しかったのだろうか?
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