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再会、そして。

こんな真面目そうなタイトルですが暴走コメディ回です。

(この回を書くにあたり、姉の帰宅日程に関する描写を少し変更しました。

 「who are you ?」の「三日後、姉が帰ってくる。」という描写を

 「二日後、姉が帰ってくる。」といった形にしました。

あと今日からちょっと頑張って火曜日以外も更新できるようにしていきたいと思います。

(リアル事情が片付いて精神的、肉体的に余裕ができた)

(しかし9月くらいからはまたペースが乱れるかもしれない)


ログアウトした後に考える。

明日、明日だ。ようやく数年ぶりに姉が帰ってくる。

つまり、私は今日中にイベントを終わらせなければならない。

そう思いながら、私はゲームを開始するために目を閉じ――――


「わーい!数年ぶりの我が家!たっだいまー!」


ることができなかった。はえ?今のは待ち望んだ姉の声。

間違えるわけがない。休日は子守歌代わりに

こっそりスマホに録音していたものを聞いていた姉の声だ。


眠りに付こうとした私の意識を即座にぶん殴って覚醒させ、

玄関に向かうため部屋の物理的なロックと

電子ロック含めての二重ロックを解除する。

そのまま扉が壊れてしまうほどの力強さでドアを開け、

兄を扉ごとどかして玄関に向かう。


「おヴェアィ!?!?!?」


兄が衝撃でぶっ飛ぶが構わない。

声の聞こえた玄関方向に向かう。むかう、ムカウ。


階段を降りると、そこには数年前と変わらない

待ちに待った姉の姿があった。


「あらら?ちょっとどなたかな?私全然見覚えが…」


「お姉ちゃぁーん!!!」


喜びのあまり、私は姉に向かって抱き着く。

声で察したのか、姉も私の頭をなでる。


「いやはや、久しぶりだねぇ永華ちゃん。

 冗談言ってごめんねぇ、サプライズ込みでちょっと

 イタズラしたくなっちゃったのさ」


「へへへ…いい匂い…久しぶりの匂いだぁ…」


「おーう、まいしすたーが正気を失っておられる。

 どうしようかなぁ…」


その後、しばらく玄関で抱き合っていたが

流石にここじゃ邪魔になるということでリビングに移動することにした。


◆◆◆◆◆◆◆


目の前に姉がいる。最高。幸せだ。

今の私を写真に撮ったらさぞ正気を失った表情をしているだろう。

頬は緩みっぱなしだし、こんな顔誰にも見せられないだろうし

姉以外に見せる気もない。


「永華ちゃん…そろそろ離れてくれないかなぁ…?

 ちょっとお姉ちゃん、ずっと正座の状態でつらいんだけど」


即座に姉に抱き着くのをやめ、移動して姉の足の下にクッションを置く。

そして即座に同じように抱き着く。


「ひゃっ、早業だねぇ。一瞬だけ私を持ち上げて

 その間にクッションを置くって…永華ちゃん、成長したねぇ」


当然だ、姉に一切の労力は使わせない。

私は好きなことを邪魔されないためにはあらゆる努力を惜しまない。

筋肉や体力はしっかりつけているし、学力もしっかりと平均以上を

取り続けている。そこに一切の妥協はない。

いつもは寝ることに費やしていたその労力も、姉が帰ってくれば

そちらに向く。


「へへへ…」


「うーん…どうやったら離してくれるかなぁ…あっ、そうだ。

 私の部屋から本取ってくるから、ちょっとだけ離してくれない??」


姉を持ち上げ、姉の部屋に直行してドアを開け

ベッドの上に姉を座らせる。掃除自体はこまめに母と

やっていたので部屋は綺麗なままだと思う。


「お姉ちゃんもう永華ちゃんのことが分からないよ…

 ここまでそんなに会話もないし…お姉ちゃん怖いな」


ハッとする。今日は再開姉との感動の再会を果たした記念すべき日のはずだ。

にもかかわらず再会してから私のしたことといえば

お帰りの言葉を言って姉の匂いを嗅ぎながら抱き着き続けて

変顔しただけである。それに気づいた私はシュンとする。

私は…姉のことなどお構いなしに自分の感情をぶつけただけだ。

私は子供すぎる、反省しなければ。


「ごめんなさい‥」


「えっ!?あのーそのー、別に悪いって言ってるわけじゃなくてね?

 せっかく帰ってきたのにお話しできないの寂しいなー、お話ししたいなー

 と思っただけで別に他意は…」


姉が焦っている。この表情はレアだ。

この表情は私が2年生の頃に家族旅行に行ったときに

私が駄々をこねたとき時以来久しぶりの表情だ。


「あのあの、だからそんなに気にすることじゃなくて!

 あっそうだ!絵本読もう絵本!好きだったでしょ、『眠り姫』!」


うん、大好きだ。姉が読んでくれるとなるならばもっと大好きだ。

ここで、私はやっと笑みを浮かべたのだろう。


「うん!取って来るね!」


姉はほっとした顔をする。そして、私に笑いかけてくれる。


「ふー、帰ってきたって感じがするねぇ…

 そういえば旅に出る前はこんな感じだったっけ」


姉が懐かしむような眼をする。この表情は見たことがない。

目に焼き付けておこう。

続けて姉が言う。


「改めて。ただいま、永華ちゃん。

 これからしばらくは家にいるつもりだし、よろしくね?」


そう、姉は笑顔で言うのだった。

イベントが全く進まない!(机を思い切りたたく)

次回予告!

姉がSROに興味を持ったことでSROを手に入れることを決断したフジカ。

兄の助言により、報酬でプレゼントとしてSROを貰えることを知り

よりイベントを真剣に攻略することを決意する。

次回、イベント進めます。

ブクマ、評価よろしくお願いします!

誤字脱字あれば報告お願いします。


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