わーるどわいどまいしすたー
閑話休題。
悪魔のささやきにのってしまった…リカバリーできるのか…?
(やってみせろよマフテ〇ー!)
(なんとでもなるはずだ!)
(ガン〇ムだと!?)
(どこからともなく歌が流れ始める)
ふっふっふ、ようやく仕事が終わった。
私、藤野蒼羽は久しぶりに
日本の、生まれ育った町へ向かう電車の中で
笑顔を浮かべる。
蒼羽は大学を卒業してから、
前々から準備を進めていた海外旅行計画…
と、言う名の聖地巡礼を始めた。
その間の諸々の旅費は、それまで努力して貯めていた貯金や
様々な手段を用いて何とかした。
…貯金に関しては、旅行が終わるころには尽きているだろうと
思っていたし、旅行が終わった後の仕事に関しても
どうしようかと思っていたのだが。私の予想を大いに裏切って
貯金は元々の数倍にまで膨れ上がっている。
電車の中で目的地に到着するのを待ちながら、
これまでの旅を思い出す。
私が旅行したいと思ったのは、少しばかりの好奇心だった。
私は、小さなころから童話やおとぎ話が大好きで、
お話のモチーフになった場所を実際に見てみたい。
お話の作者が何を感じたのかに思いを巡らせてみたい。
たったそれだけの好奇心だったが、年を重ねるほどに
その思いは強まっていった。
私の夢は正直言ってかなりお金がかかる。
世界各国を飛び回るための交通費、
なおかつその間の生活費も稼がなければいけない。
当然、両親も反対したし、友達や弟にも猛反対を受けた。
正直言って、自分でもただの夢物語というのは分かっていたし、
就職して資金をしっかりと稼ぎ、もっと立場を安定させてから
計画を実行に移した方がいいだろう、と思っていたのだが。
たった一人。私とかなり年の離れた妹だけが応援してくれた。
私が高校生だった頃に妹は幼稚園くらいだっただろうか。
少しばかり、夢をあきらめきれずに迷いがあった時期だった。
妹にこんなことを言ってもしょうがないし、
別に嘘をつく必要はない。妹は私にとてもなついてくれていたし、
正直に私の思いを打ち明けた。
そこで、妹は目をキラキラさせながら私に言った。
「おねえちゃん、すごい!」
私に似てなのか、妹…永華も童話やおとぎ話が好きだった。
そして、私とは違う観点で話を見て、目をキラキラさせながら
それを話してくれるので、私も妹との会話は楽しかった。
そんな、なんてことはない一言が
私の迷いを消してくれた。
吹っ切れた私は、資金をどうするか。
どういった順番、ルート、移動手段で進むか。
持ち物は何を持つか、その他諸々の計画に関する詳細な
準備を進めていった。
両親は私の性格をよく理解していたし、
友達も半ば呆れ気味になっていたが…
私の計画に対して後押ししてくれるようになった。
資金に関して力を貸してくれるわけではなかったが
移動手段や持ち物、旅の最中の節約術などの知恵を貸してくれた。
そして、高校2年生の途中。
少し興味が出て、絵本を描いてコンクールに出品してみたのだが
これが見事に大賞を受賞させていただくことができ、
コンクールを主催していた出版社からその絵本を出版することになった。
そして、その絵本が結構売れた。
旅の最中にもある程度話の構想が溜まったらその出版社の方に
絵本をメールで送り、新しく絵本を数冊出していたのだが
その数冊の絵本も大ヒット。売れっ子の絵本作家として
ある程度の収入が手に入っていたのだ。
それが旅の収入源の一つとなり、
貯金が思いのほか増加した理由でもある。
高校生の時点でコンクールに出した作品で稼いだ貯金で
ほぼほぼ計画の費用が溜まっていたので、高校を卒業したら
もう計画を実行しようと思ったのだが…両親の必死の説得により、
大学を卒業してからにする、という約束した。
このころの私はちょっと急ぎすぎだったのかもしれない。
大学に通うことに対してちょっと難色を示していたのだが、
入学してからは考えは変わった。
今では大学に通っておいてよかったとすら思う。
そして、資金、約束、手段その他諸々の問題が解決して。
ついに計画を実行に移した。
「童話や絵本のモチーフとなった場所を絵に描く計画」を。
童話や絵本のモチーフになった場所を回り、
場所一つに付き何枚かの絵を描く計画だ。
一枚一枚真剣に書くため時間がかかるし、
絵を描くとき、どこで書くとしても人がかなり通る場所の一角を
独占するわけだから、許可が必要なところも多いだろう。
必然的に旅の日程は増えるし、旅の費用は普通に見るだけよりも
更に費用がかかる。それに画材も地味にかさばるし、
費用も高いものがある。
それに、治安の問題もあるし
猛反対されても文句が言えない旅だった。
しかし、やり遂げた。
描いた絵の数はスケッチブック15冊以上。
写真やお土産も買ってきた。
計画をやり遂げて、私は無事故郷の町に帰ってきたのだ。
そして。やり遂げた後、最初に浮かんだのは
私の背中を押してくれた永華の顔。
永華の喜ぶ顔が見たい、そう思った。
そう思った私は、とあるサプライズを考え付いた。
「ふっふっふ永華、驚くだろうなぁ…
一日早くお姉ちゃんが帰ってくるなんて知ったら。」
今回、ちょっとおぼろな知識で話してるとことがあり、
おかしいな、と思ったらコメントで聞いてもらえれば嬉しいです。
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