閑話:すねたしろとら
遅くなりました、更新です。
今日は短め、久しぶりのミソラのお話
12/6
次回、難産
本日投稿分は明日投稿となります
理由:この二人どう絡ませるんだ…
「むぎゃーっ!!」
「ばじゃーっ!!」
ファル(私側)とファル(ムジカ側)が互いに
威嚇をしあって、完全に言語を捨てて威圧しあっている。
…二人とも私とムジカが好きなのは分かるが、好きは競い
争うものではなく内に秘めて燃え上がらせるものだ。
特に争う意味もないしそんな風にする必要もない…と、
言いたいところだが私は今それより優先しなくてはならない
優先事項が一つ存在する。
「う゛~~~、う゛ぅ゛~~~」
「よしよーし、かわいいねえかわいいねえ」
「適当ではないですか?」
…この、私の膝の上を占領して唸りながら不機嫌を
アピールしているミソラの対応の方が差し迫ったピンチで、
多分いつものことになりそうなあの二人の諍いは少し
今は対応しなくてもいいか、となっている。
きっかけとしては先日起きた姉の私を休ませる
計画の阻止&実行犯の拘束である、あの日のことを
根に持ってもう数日はこの状態だ…何とかしたい、
いや意地でも三人の要求を呑む気はないが…
「あんな風に言わなくても…」
「私がやりたいことをやりたいようにやってるから、
正直やれない方が体調おかしくなっちゃうかもしれない」
「それは嫌…」
「だったら自由にさせてもらえないかなあ…姉さんも最近
最早勝つためにやってる節があるし」
最近は私が勝てば勝つほど意固地になってなんとか
休ませようと苦心しているらしく罠の再利用だけじゃなく
自作にまで踏み切っているらしい…個人的には自分の作品を
先に見させてもらった方が一番効果的というのは言わない…
いや、言いたくない。勝手な先読みは大きな罪である、
親族特権とはいえそういうのはよくない。
「それも嫌…普通に休んで…甘えさせて…」
「ええ…」
最近は本当に手が込んできて、先日の強制抱き枕
心停止をそろそろ超える策が出るんじゃないかと最近は
不安になっている…朝からふーさんとまーさんを呼んで
監視させていた時は流石に親しき中にも礼儀ありと
姉を叱ったりした。
いや本当に、休ませたいからと言って呼ぶものではないし
秘密裏にお泊りさせてたとか普通に恥ずかしいというか
本当にやめて欲しいのだが、顔から火が出るかと思った。
「というかそれ抜きにしてもご主人休まなすぎ…!
ペース早すぎ、心配になる…」
不機嫌過ぎると口調が変わる、というのは今回の件で
初めて発覚した事実ではあるが…可愛いししばらく
このままでもいいかと思いつつ駄目だろうと自分を律する。
「流石にまずい時は相談するよ…梅雨はそうしてたし、
なんなら体調悪そうなときはちゃんと言ってたでしょ?」
「言ってない…風邪ひくときは言ってない…」
「そんな風邪引いた時の事を言われても…常日頃から
気を付けてはいたけど、流石に精神的な疲れがどっと
来てたんだと思うよ、多分…あの時期確か疲れる事沢山あったし」
最初は姉が帰ってきたことによる喜びでかなり細かい
衛生や体調面への意識がおろそかになっていて、二度目三度目は
色々精神的に疲れる出来事が連続していた…という事でしかない。
「でもやだ…心配…」
「わがままだねえ…」
こんな風な事を数日間繰り返している、いやまあ、納得できる
答えを出せていない私にも問題があるのだろうが…
「うー、うー」
「あ、いたいた。フジカーさっきカクテルさんが呼んでましたよ、
何でも新しく行きたいところがあるとかで…おあ、ミソラ」
部屋の扉を開けて、どこかへ出かけていたグリムが私を呼んだ。
どうやらカクテルさんに伝言役を頼まれたらしく、私を呼びに
きたそうだが…
「ごめんねー、ちょっとミソラがぐずってて」
「ぐずってないー」
「ぐずってるねえ…ま、とりあえずカクテルさんの方には
忙しそうだって伝えておくからごゆっくり…と、その前に一個」
状況を把握してとりあえずカクテルさん側に事情を説明しようと
扉を閉める直前、グリムは言った。
「流石にそろそろ嘘のぐずりは辞めた方がいいと思うよミソラ、
二日目までは流石に協力したけど三日以降は流石に…」
「グリム!?ばばば、待て!!」
「あっ」
ぐずっていた様子のミソラはグリムの一言を聞いて飛び上がり、
扉を強引に開け放ってグリムを追いかけていった。
「待て!!!本当にゆるさない!!」
「流石にちょっとこれ以上はファルも拗ねるから言っただけ!!
正直協力してって言われた時は迷ったもの、三日も続けて
それ以上続ける気だなんて思わないじゃん!」
「うるさーい!!!」
…まあ、元気ならいいか。
と、ミソラの計画をご破算にしてくれたグリムにはあとで
美味しいものをあげよう、という風に考えながら
私は部屋の中央で言い争いを続けていたファル二人の対応を
始めるのだった…
ムジカ
近場でトピアさんの手伝いとして薬草集めをしていた。
土地勘を身に着ける為に一人で行きたかった、その上で
ファル(ムジカ側)を置いていくためにはファル(フジカ側)と
ぶつける必要があった…とは本人の談
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