おしまい?
本日二度目の更新です、前の話を見ていない方は
そちらから見て頂ければと思います。
多分問題がなければ明日も更新すると思われます、
今回は前回の続き、今回でこの話はおしまいです。
次回は掲示板回の予定です。
あの後、すぐに連絡しろとの事でムジカに従い
久しぶりに紅従姉さんに連絡を取ってみた。
『…んぁ、もしもし』
「もしもし、藤野紅葉さんのお電話でよろしいですか」
あくびを噛み潰したような声で応対する紅従姉さんに対し
私は一応久しぶりに電話を掛けたために本人確認を取る。
「おぁ永華ちゃん!?あごめんごめん、さっきまで
仮眠取っててねえ、いやー油断してた」
従姉さんは一瞬驚きながらも、久しぶりの電話に喜んでか
そんな風に気軽な雰囲気で返事を返してくれる。
「大丈夫です、紅従姉さん。それで要件の方なんですが…」
「んー?いいよー、お従姉さんに何でも聞いてごらん」
「それがその…SROってご存じですか?」
一応、ムジカの言っていた話が食い違っていては
少々面倒なことになるので、先に話題を出して確認してみる。
「おーSROね、今私が入った会社で作ってる…あ、
そういえば言ってなかったね。私プログラマー方面進んでさ、
今そこの運営会社で働いてるの」
「…はい、あの。それについてなんですが」
「うん?知ってるんだ、お袋に何か聞いた?
…ってのはいいとして、私に直接電話するなんて
何かあったのかい…あ、また彼の女装の協力?」
「いえそっちではなく。えーっと、与太ではないというのを
前提として聞いてほしいんですが…」
そこからムジカから聞いた話を中心として、SRO関係で
今起こっている案件について自分で分かる範囲内の事を
洗いざらい紅従姉さんに話した。
SRO内での問題について、という感じの話だったので
紅従姉さんは最初部署が違うかもだから絶対に対処できるとは
言えないから気を付けてね、という前置きをしてから話を
聞き始めたのだが…一通り話し終わった今は凄い苛立った
様子を隠しきれない声で会話を続けている。
「ほぉーんへーふーんなるほどぉ…ふざけてんの?
なるほどなるほど…テスターデータからぶっこ抜いたね
あの連中、社内と同意を得た少数で完結するから
いいものの面倒な事を」
後半は早口で小声だったので聴き取れはしなかったが
犯人が誰か見当がついているらしく、恨み言のような雰囲気が
強く表に出た様子でぶつぶつと独り言をつぶやいている。
「大体ふざけんなよな新規実装とかしても面倒だし
全体的に調整ガバガバ過ぎて見てらんねえんだよボケが。
…ごめんね永華ちゃん、分かった。大体おおよそは分かったし
私のできる範囲内で全部何とかするからちょっとここで切るね
ごめんなさい!すぐにやらなきゃ駄目そうなのよね」
「大丈夫です、こちらこそごめんなさい。急にこんな話をして」
「だいじょーぶだいじょうぶ。こっちに伝わってくるのが
遅いくらいだからしゃーないの、むしろありがたい事だよ。
じゃ、バイバーイ!」
その言葉を最後に紅従姉さんは電話を切り、
通話終了の画面へとスマホが切り替わる。
「思ったよりも大分、面倒そうなことになってる…」
そう一言零して、私は今回の件について一度考えるのを辞めた。
◆◆◆◆◆◆◆
結果として、だが。
今回の騒動はどうやらテストサーバーでの試験プログラムが
誤って有効にされてしまっていた、という事になったらしい。
紅従姉さんに連絡した翌日には完全に対処され、
お知らせの方でそういった文章が公開されてSNS等々が
少々荒れたりもしたが…なんやかんや、別に大した害も
無かったからよしという感じで世論がまとまった為に
その後は大した騒動もなく諸々の問題は片付いた。
そしてその後にムジカたちがどうなったか、という事だが。
「や―まさか生きられるとは思わなかったねー、
ちょっと死を覚悟しながら言ったはいいものの…
まさか一斉にNPC化して生かすとはこの私の眼を
もってしても」
「別にいいだろ私―、特に君らの中身がシステムの重要部分と
繋がっててサーバーにはちゃめちゃな負荷がかかる以外は
特にNPCと言って差し支えなかったんだから」
「別に文句はありませんよーだ、びっくりはしたけれどね」
この通り、なんやかんや消えるのが惜しいという意見と
運営側もどのような成長を遂げるか経過観察したいという事で
全員がNPC扱いで実装されていて、紅従姉さん…こちらだと
RLさんがムジカの様子を見にこちらの方を訪れていた。
「従姉さんもSROをやっている、というかそういうのって
企業内部の人がやっていいんでしょうか?」
「んやー、別に私遊んでるわけじゃないのよね。
たまーにサーバーでこういう風に歩いて世間話とかして
様子を見守ってるの、そういう時運営専用装備!って
雰囲気で歩いてるとそりゃあ目立つし変な話になるからさ」
「なるほどねえ、オリジナルはかしこい」
「とうぜんだろ~??」
二人ともなんやかんやノリ良く話しているし、色々
面倒な事は全部片付いたみたいだし…まあ、これはこれで
良いのではないかと私は思いつつ…
「私のご主人様の方がきれいですー!!」
「なーにをおっしゃいますか私のご主人様が天下一、
銀河一美人ですが!!??!?与太話辞めてくださいます??」
私たちの後ろの方で言い争っている二人を
どう諫めようか、という事に思考を向けるのだった。
…召喚獣の子の方も引き継ぎなんだ、というのは
私の心の中にだけ留めておく。
Q、どういう事が起こったの?
A従姉さんは人望やら人脈は滅茶苦茶あるので
対策とか諸々をまとめた後会社に突撃、話を付けて
緊急メンテと今回の一件のお知らせを出させた後
諸々のデータはまだ継続して欲しい、ということで
NPC扱いでアルターエゴシステムによって生み出された
キャラクター全員を実装した。一部のシステムへのリンクを
切り大体ほぼNPCとしての生を得ている
(テスターの記憶はムジカ以外面倒な案件になるので消去済)
召喚獣も増えてはいるものの、そちら自体は挙動として
何ら変更がない為に特に問題なくNPCとして活動している。
誤字脱字あれば報告お願いします。




