今は亡き竜王に花束を③
なんなのこいつら…?
(テットウが馬鹿みたいに勝手に動くから
それに応じて話が広がる
(もはやこれ、藤野兄の描写の加筆必要なのでは?
(というか藤川シナリオの話だけ馬鹿みたいに展開広げられるの
もはや意味が分からない
城下町に入ってから数分後。
私たちは城下町でシナリオに関係する
アイテムがないか探していた。
「んー、テットウ。なんか藤川シナリオで
ありそうな隠しギミックってあるか?」
ふと、ライカがそんなことを言う。
「いや知るわけねぇだろ」
テットウさんはすぐに返事を返す。
しかし、ライカさんはすぐに悪だくみを思いついたような顔で言う。
「ほーん、お前の内に行ったときに棚に飾られてた
ゲーム。あれ見た感じ全部ありそうだったが…」
「いや、実はデッドブレイブバードだけないんだよ、
あれだけ妙にお値段がプレミアでな…って、あ」
どうやら真実のようで、しまったという顔をするテットウさん。
ライカさんは、それを見て笑いながら言う。
「やっぱ好きじゃねぇかよドM野郎」
それに対してテットウさんも反論する。
「おいお前!お嬢ちゃんがいるこの場で
そんなはしたないこと言うんじゃねぇよ!」
「それは普通にすまん…てか、棚の内容の方は否定しないのか」
ちょっと予想外だ、といった顔をするライカさん。
そして、テットウさんの言ったゲームの名前に、
私は聞き覚えがあった。
「デッドブレイブバード…あっ、あのサイボーグの奴かな」
兄が「ふふふ…ようやく手に入れたぞ…!」
って言いながら兄のファンの皆様には見せられないような顔をしていたので
妙に印象に残っていた。
「お嬢ちゃん知ってんのか!?なぁ、あれってどんな
シナリオなんだ?あれだけ調べても評価とかの話しか
出てこなくてよ、どうやらプレイした奴が徹底的に
シナリオの内容を隠してるらしくてな…
まったく分からねぇんだよ…かなりいいっていう噂は聞くんだが」
「うーん…私も内容はちょっと。兄が手に入れてやばい表情をしてたのと
クリア後に妙な動きになってた気がするくらいで…」
「ん?妙な動き?」
えーと、確か…
「クリアした後、夕飯で鶏のから揚げが出てきたんですよ」
「ほうほう」
「でも、兄食べなかったんですよ。大好物のはずなのに…」
「そういう気分じゃなかったんじゃねぇか?
そういう事も時々あると思うぜ」
「それだけじゃなくって、そこから数日
深刻そうな表情をしながら小声で何か言ってるんですよ。
いつもうるさいし、言いたいことは大声でいうタイプなのに」
「うん?」
「それで、あまりに不審に思って頑張って聞き取ろうとして見たんですよ」
「へえ、それで聞こえたのかい?」
「『鳥…鳥…俺が殺したんだよな…?許してくれ、許してくれ…』
って言ってました」
「…大丈夫か、それ?お兄さん精神が崩壊しかけてると思うんだが」
「いえ、ちょっと怖くなって私が避け始めたら聞き取った二日後に
治りました」
「…お兄さんには優しくな」
テットウは何かに気づいたのか、優しい眼で私に言う。
ライカもそれに同意しているようだ。
「っと、話が大幅にそれたな。
ライカ、さっき言った通りに俺が思いつくような
ヒントはねぇ。でも、さっき話してる途中に思い出したんだが、
ヒントの隠し方でありそうなやつはある」
どうやら、少し心当たりがあるようだ。
「へえ、んで、その隠し方ってのは?」
「本。藤川シナリオじゃ、かなり重要なファクターに選ばれやすいと思う。
主人公が小さい頃に読んだ絵本とか、誰かの日記とか…
まぁとにかく、本を探してみればいいと思う」
「うーん…ほかに手がかりもねぇし、
本のありそうなところを探してみるか」
どうやら話はまとまったようだ。
話を終えて、私たちは分かれて探索を再開した。
デッドブレイブバード
死後、サイボーグとして復活し
生前の仲間とともに世界の滅亡を止めようとする話。
ゲーム会社がそれほど規模の大きな会社ではなくこのゲームを出した
半年ほど後に倒産してしまったうえ、
プレイできるハードが限定的なため、かなりのプレミア価格を誇っている。
そして、プレイした人間に感想を聞こうとしても
一切の情報を提供せず、ただ「頑張って手に入れてプレイしてくれ」
としか返されず、一部では相当な完成度であると推測されている。
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