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二転三転珍道中②

風邪で遅くなりました、更新です。

皆様も風邪には気を付けましょうね…(n敗)

そうじゃないと私みたいに鼻水とかの後遺症に

悩まされますからね、まさか三日長引くとは…


前回の続きです、上手く行けば明日先週分の更新ができるかも

ムジカと二人で街を散策して、日も傾いてきて

街灯の明かりが一斉に灯り始めた頃。


「とりあえず一通り案内して回れましたかね」


お陰で一つ目のクエストはクリア、次は拳で殴り合え

みたいな内容のモノだったのだが…何故かは分からないものの

こちらは出た瞬間にクリアした扱いになっていたらしく

その次のクエスト、良い景色を見に行こう…といった趣旨の

クエストが出て来た。


その為、情報収集がてら色々な所を巡ってはいたものの…

なんとも、お互いの趣味は合うが良い景色、という奴に

該当する場所は見つけられていない状態で日が暮れてしまった。


「そうだねえ、まあ…私の知ってる所とは随分と違って

 発展してるらしいって言うのは分かったねえ…」


うーんうーんと唸りながら、ムジカは今日見たものを

自分の中で消化していっているようである。癖が自分と

似ているのでそういうのは分かり易い…


色気はあちらの方が間違いなく上だが。

悔しいくらいに乳も尻も肉が付いているので羨ましい…

うぅ…私にもあのくらいあれば姉を普段からよしよしする事が

可能になるという夢のような暮らしが出来る筈なのだ。


「………………」


だが、うん…?と、少し気になるところがある。

かなり単純な話なのだが…なんだか違う、とかではなく

見覚えがあるような、いや…多分他人の空似というか

自分の顔にそこそこそっくりだから見間違えているという

だけだと思うのだが…なんだろう、この既視感は。


このもやもやした感覚は、町を案内している中で

段々と大きくなってきているのだが…なんだろう、

自分ではないが、自分の知り合いにいるというような…

うーん…少なくとも知り合いに私と似た癖の人なんて

そこまでいないと思うのだが。


「んー?どうしたのシロア。何か気になることでもあった?」


「…いえ、大したことではなく、少しばかり思う事が」


夕暮れを背にして、満面と言うほどでもなく

作り笑いという訳でもなく、ほんの少しだけ柔らかく

微笑むという表現が似合う笑みを浮かべてシロアは

こちらを向いて立ち止まる。


「思う事、ねえ?それって私がシロアと

 ほぼ同一な人間であるか、みたいな事?」


図星を着かれ一瞬息を詰めるが、仮とはいえ自分が

言っていることだから当然だと考えて答えを返す。


「まあ、そんな感じです。私なのだろうことが一番

 可能性が高いかもしれませんが…それはそれとして、

 何となく貴方から知り合いのような雰囲気がする…

 といいますか」


なんとなく、正直にすらすらと言葉が出てくる。

周りにも一応人がいるが、お構いなしに考えだけを

吐き出すかのように自然と口が動く。


「あー、なるほど?私個人の意見としてはだけど…

 自分が基本しないだろうなあって事をしているから

 そう思うって感じじゃない?ほら、こんな状況だからさ」


「小さな違和感が気になってしまう…ということですか」


私もちょっとそういう感じするからさ、とあざとい感じで

一言付け加えた後に彼女はこちらに手を振ってから駆け出し始める。


「そういうことー。…まー色々な方面に頭を回すのはいいけど

 一旦は考え事を絞ってこ、じゃないと後で辛くなるからさー?

 お城の方に戻ろうか、皆も戻ってきてるだろうし」


そう言って、ムジカはお城の方角の反対方面へ歩き出した。

…土地勘がないので間違えるのは分かるが、とりあえず勢いで

突っ走しる性格は私と似たような感じらしい。


その翌日のログインで分かったことだが、恐らくは

このタイミングでいい景色を見たという判定を受けたらしく

私とムジカは次の段階へと足を踏み出していた…ようである。


◆◆◆◆◆◆◆


始めにあるのは、ただ熱に浮かされるような自分の気持ち、

そして…何となく心地よい生活をしていたような記憶。


多分、あの子の言う通り私たちが同一人物…少なくとも

親族であろうことは自然と想定できるだろう。


「なぁーるほどねえ…」


なんとなく、自分の正体に当たりを付ける。

嗚呼なんとままならない私の命、どういう理屈かは

全く分からないが…ほんの少し、自分はシロアとは全く

違う存在であろうことは理解できた。


ここからどうするか、今後自分がどうなるのか、

一体全体この自分はどんな末路を辿るのか…少しばかり

今後に思いを馳せてみた。


少なくとも、このイベントとやらは行われていくだろう。

…であればその後は?自分という存在はどうなるだろう、

とても気になるお話ではあるが…


「…うん、今考える事じゃない」


自分は多分、そういうものだ。SROというゲームを介して

ほんの少しだけの時間を得た胡蝶の夢、幻、あるいは幽霊…

何てこともあるかもしれない、知らないけれど。


SRO、というコンテンツに関する記憶は何故か

元から在ったように感じるが、そこに関しては個人的に

一番違和感を覚えるところだ、何となく別のゲームを

やっていたような記憶がある。


「ひとまずはいろいろ明日聞いてみるかあ…」


そう言って私は全ての思考をあくびと共に外に吐き出し、

背伸びしてから真っ白な空間の真ん中で眠りについた…

床堅くないな、あっちとは大違いだ。



誤字脱字あれば報告お願いします。

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