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閑話:夏休み旅行①

連続投稿期間です。

しばらく前に話していた

マシェルさんからの報酬とかの話。

まぁ旅行券そのものではなかったりしますが…

今日は少し短めです。

「姉さんやめて!そんなの誰も幸せにならないよ!」


「ででででも…いわれっぱなしはダメって

 永華ちゃんも言ってるじゃん!」


「それはいわれのない事実を真実だと思って

 突き付けてきた場合に対してだけだよ!!基本的にはダメ!」


夜、私は姉の部屋で姉と格闘していた。

お風呂から上がって、次に入ってもらおうと

姉を呼びにいた瞬間に大体の事情を理解した私は

姉の手をつかんで取っ組み合いのけんかをしているのである。


「SNSで発言してる人の言葉なんて信用しちゃダメだよ!!

 ましてや顔出しなんて絶対ダメ、ダメだからね!!」


部屋の中で姉はなんか薄着で普段取らない写真を

撮ろうとしていたのである。書き方のとかなら使う一部を撮るだろうし

危ないことに使おうとしているであることは明確であった。


「体の方を上げたら納得してくれるっていうからいいかなって!!」


「だめ、もっとダメだよ唆したアカウント教えて全力で潰すから!!」


最悪である、犯人は無知な姉を利用しようとした変態であった。

下手人は絶対に処さねばならない…具体的には藤川さんとかの力も借りて

盛大に考えを改めさせなければ…


「ダメ!前途ある若者なんだよ、大切にしなきゃ!!」


「若者を騙る人もいるんだよ、年寄りを騙る人もいるけど…

 とにかくダメだよそんなの、危ないしいつSNSなんて始めたのさ!」


一度力を弱めてから強め、スマホを奪取したうえで問いかける。

画面を見ればこの形式のSNSはたぶん容易に始めた時間を特定できるが

しかしこの場合は姉の口から聞きたいと思った。


「藤川さんに誘われて…

 人見知りの克服手伝ってくれるって言ってたから」


「…いや、確かに一歩目としては手伝ってくれる人がいるなら

 悪いことじゃないと思うけど」


別にこの手のSNSを姉がやってこなかったわけではないが…

基本的に返信という行為にカチコチに固まってしまい

まともに運用できた試しがない。


「…藤川さんはその流れ、見てないの?」


そう言った瞬間、私の手元から電話の着信音が鳴り響き

名前の部分を見てみると藤川さんの文字。


「もしもし」


「同志。事情は把握していますね?

 殺りました、件の変態を蹴散らしました」


「了解しました、完璧ですね?」


「えっ!?夜歩さん!?なんで!?


やはり藤川さんとは気が合うらしい、

私がやってほしかったことを完全に理解しているようだ。



「もちろんです、ちゃんと先生のアカウントが

 先生本人であるという証明もできましたし一件落着です」


「永華ちゃん?返して欲しいなー?

 どんな話してるのかお姉ちゃん聞こえないんだー」


「…了解しました。報酬は何がよろしいでしょうか」


話へ割って入ってくる姉を無視するというのは

非常に心苦しいことだが…しかし、藤川さんの偉業

には対価をもって報いなければならない。


藤川さんはよくやってくれたみたいだし、

報酬の予想はできるが一応聞いてみる。


「今度遊びに行きます」


「はい、中間のお茶を用意して待ってます」


「え、夜歩さんが来るの…?

 そんなに私頼りない?SNSすらまともに使えないと

 思われてるのお姉ちゃん…?」


普通に合間合間に挟まる姉の合いの手が

可愛すぎて情緒が滅茶苦茶になりかけている…

くそう、なんてかわいさだ。二十四時間三百六十五日

予想以上のかわいさを必要以上に提供してくれて

いつも本当に助かっています。


「…少し、ご相談なのですが」


「はい。恐らくあれですね?

 都合が良ければ一緒に行きましょう」


「むぅぅ…!二人とも仲良さそうでお姉ちゃん

 嫉妬しちゃうなぁ…教えてよー、せめてスピーカーにして

 お姉ちゃんにもお話聞かせてよー」


「はい。私もできる限り予定を合わせられるよう

 仕事を頑張ります…今度の土曜日に会いましょう。

 その日には予定を確定させてすり合わせが出来るよう頑張ります」


「頑張ってくださいね。とりあえず秘蔵の写真を後程

 贈呈いたしますので、それを糧に頑張ってください」


「秘蔵の写真?わんちゃんの奴とか?

 それとも猫とか、兎も捨てがたいなぁ~。

 フジカちゃんあとで見せてよ~?」


「…!神ですね、ありがとうございます…

 あ、休憩時間が終わったので失礼しますね」


そう言って藤川さんは電話を切る。

休憩時間にも拘らず変態と対応してくれたという

献身的な精神へ敬意と涙を禁じ得ないが…

それには私の所持している姉の写真(12歳の時、釣りで

滅茶苦茶大きな魚を抱えている姿)を送っておいたので

恩義には十分報いているだろう。


よし、それじゃあ準備を始めよう。

藤川さんを労う準備と共通の用事に関する準備の二つ、

力に満ち溢れた今の私ならばなんとかなるはずだ。


永華と藤川さんが二人で共謀して

行くところなんてどこやろなぁ…おや、

こんなところに出版社さんの方から送られてきた

何かの展示会に関するチラシが…(すっとぼけ)


誤字脱字あれば報告お願いします。

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