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閑話:マシェルさんの突撃取材

次の更新は金曜日です。


今回もコメディー回です、

ここ二日雨が続いているので雑魚ボディが

悲鳴を上げています


変更になったのでしばらく新しい更新日程を記載しておきます

現在の更新日程は基本的に月、水、金の週三日更新。

第三、第四週目は土曜日も更新して週四日更新となりました。

ある休日の午後、私とミソラはある人…

突如連絡して訪ねてきた不破さんと雑談していた。


「それでそれで?その後は」


「私とファル、グリムで追いかけて何とかなりました」


「それだけじゃないよね?もっと何かがあるはず」


「…怯えたミソラが死体が消えるまで

 こちらの後ろに縋り付いてきてました」


不破さんが、なんだか物凄い麻薬でも注射したみたいに

幸福感がやばそうな表情を浮かべている。怖い…


「…そろそろこの人に気を遣うのやめた方がいいんじゃないの?」


「こらミソラ、話に来ただけでそんなこと言うんじゃありませんよ」


たとえこの前空の遥か上にいた私を捜索させたとか

一瞬だけでもいなくなり、ミソラの救出のためにみんなを置いて

先走った負い目を理由として強要されたとて単純にお話しに

来たならば立派なお客さんなのである。


「というか一応お仕事の一環でここ来てるから

 追い返すのも忍びないし…」


「その通り、私は取材の名目でここにきている。

 追い返されようものなら私は創作意欲を満たせず

 クソみたいな作画と構成を連発して職を失い

 路頭に迷う可能性があるのに君はそんなことを言うの…?」


「生活かかってます感を出すのやめてください、

 別に今の連載なくなってもしばらく問題ないくらい

 貯金してるの知ってるんですからね私」


「おおぅ、これがステラドールの検索能力。

 すごいね、かしこいね」


実際すごい人なのだ、本当に。

前に調べてみたらオリジナル作品も

担当したコミカライズも滅茶苦茶良いと評判の

有名な漫画家であることが分かってびっくりした。


付け加えると、藤川さんと一緒に来た週の作品が

二本お休みになっていたことも付け加えておく。

最初の茶番の印象が強かったから冗談かと思ったが

あれ本当にダメだったんだ…?


「というか目の前で見てたんですから

 聞かなくてもいいのでは?」


「本人たちから聞いて解釈を補充する。

 元気とカップリングの解像度を上げる重要な作業…」


すごい目がキラキラしているので

今不破さんの頭の中はすごいアイディアを生み出すために

フル回転してるに違いない、私が姉に喜んでもらいたくて

頭を回すときと一緒だ。


「それじゃ次のお話しよう、こっちだとどんなお話があった?」


「…そうですね、私の話にはなりますが」


この間の梅雨のお話でもしてみようか?

私が本気で寝坊したときの…いや、あっちの話がいいか。


「先日まで梅雨が続いていたじゃないですか」


「うん、湿気が強くて部屋がめちゃめちゃ不快だった」


「…ちゃんと整理整頓できてますよね?」


姉の絵本作りの作業場を定期的に片付けている身としては

ちょっと怖い話だ。何か腐らせたりしてるんだろうか?


「一部以外は整理整頓行き届いてるよ?

 普通に普段使いする資料は置きっぱなしにしてたりするけど

 きれいにしとかないと間に合わない原稿も多いし…」


「そうなんですね…いや確かに今の連載量なら

 そうしないとダメなんでしょうか」


「一瞬でも道具をどこに置いたか迷って探すために

 筆を止めなくちゃいけなくなったらその時点で

 その月はほとんどの作品が書きあがらないと思ってる」


休載していたり隔週であったり、月など

連載状況はまちまちだが3~4つの作品を

連載しているんだったか。アシスタントさんはそれなりに

いるらしいとはいえ物凄い筆の速さである。


「まぁともかく、話を続けるんですが。

 梅雨の間は私はとてつもなく体調が優れなくてですね」


「うんうん」


手元のメモ帳に物凄い速さで何らかの文章が書かれていく。

多分事実とそれを脚色したストーリーとか

いろいろ書いているに違いない…


「まあ起きるのが遅くなりまして、いつもより10~20分

 起きるのが遅くなっちゃってたんですよ」


「ファルとかも基本ご主人たちが起きるまで起動してないけど

 お姉さんが起動するから寝顔鑑賞とかしてたねー」


「ふぁ…続けて、大丈夫理性はある」


「その感じはダメな奴です不破さん…!

 よだれが、よだれが垂れてます」


私の指摘に不破さんはポケットから

ハンカチを取り出して口元を吹き、表情を

いつもより少し優し気なくらいに戻してこちらを向きなおす。


…本当に大丈夫そうだ、普段からおかしなことになっている

私が言うんだから間違いない。


「…それでですね、たまたま姉が作業でいつもより

 二時間くらい早く起きてファルたちを起動して掃除とかを

 してた時がありまして」


「あれ、あの日って何かあったっけ…?」


私の言った日に対して記憶を探って何か特殊なことが

あっただろうかとミソラが頭をかしげる。

いや、ミソラがそんなことするんだと思ったからこそ

この話は不破さんに話すに値すると思ったのだが…


「あの日は私もなんだか起きるのが早くてですね。

 でも体がだるくてしばらく横になったままだったんですが…

 扉が開く音が聞こえたんですよ。多分起きた時間が

 6時ちょっとだったので多分5時ちょっと前に」


「……………!?!?え!?!!!」


「大体わかった、でも続けて」


「はい、えーっとですね。扉を開けられたのには気づいてても

 私はまだ目をつぶって起きたくないなと思ってたんですけど、

 いきなり誰かがベッドの中に入ってきたんですよ。ファルかなーと

 思ったんですけど、角をぐりぐり押し付けてこないし違うなー

「待って待って待って待って待って!!」って、ごめんファル

 ちょっと動きを止めてミソラを連れてって」


「わかりました!」


…申し訳ないが一旦ファルに頼んで

一度力づくでこちらの口を黙らせようとしている

ミソラを連れて行ってもらう。


「ふがー!はなひぇ(放せ)ー!」


「ふふふ…ミソラが何をしたのか私にも教えてくださいよー」


…面倒なことになりそうなので場所を移したくなってきた、

いや最近のファルの行動を責め立てれば大丈夫か?

そう自分を安心させて不破さんへの話を続ける。


「それでですね、何なんだろうなーと思って身構えてたら

 ミソラの声が聞こえたんですよ、『ふふふ…ご主人ったら

 お寝坊さんですねえ』って」


ひゃめへ(やめて)ははひへはふ(放してファル)ほへひひょー(これ以上は)はほんほひ(は本当に)!」


「いいところじゃないですか、もう少しじっとしててください」


力量は変わらないはずなのにがっちりホールドされて

ミソラは拘束から抜け出せない。私はさらに続けて話す。


「その時にミソラだって気づいたんですけど、

 本当に眠かったのでまぁ今は良いかと思って

 反応はしなかったんです、それにその時は甘えさせてあげる

 余裕がなかったしミソラだったらいいか、と」


「…続けて」


鼻血が出ているし、目も血走りかけているが

ここはまだ正気の域だと判断した。

メモの速度は先程よりも上がっている影響だろう…


「それで、ミソラは私の背後に回って寝ている私の首筋に

 顔をうずめてすぅーって息を吸ってきたんですよ、

 こそばゆくて少し声が出ちゃったんですけど何とか

 バレませんでしたが」


「ミソラ!私のためです、私のために抵抗を辞めてください!」


「うぁー!離せぇ!こっちじゃパワーの差はないんだよファル!

 ここから先は私の正気が保たないのー!!」


ああは言っているものの、まだしばらくは大丈夫だろうか…

よし、グリムにも手伝ってもらおう。


「グリム―、ミソラを止めて」


「あいあいさー、今度お礼に昼寝させてねー?」


「うん、いいよ。姉に頼んでおく」


今姉は少し散歩に出かけている。

そのためこの騒動について何も気づいてはいないが

その方が良いだろう、何も知らないままの方がいいと思う…


「…続けて背中からミソラが抱き着いて来て、

 『むふー、いい匂いですねぇ…』って呟いて

 尻尾を足に巻き付けて来て…」


「ごめん、あとは、ぶんしょうにまとめて、

 あとでおくって、ほしい…がくっ」


「あっ、えっ、ふ、不破さぁん!?」


会話中ずっと鼻血を流していたせいか、

正気を失ったためか…最後にそう言い残して不破さんは意識を失った。


気を失った不破さんを看病しつつ拗ねたミソラへ対応して

一時間経ったころ、担当さんが迎えに来て不破さんを連れ帰ってしまった。



その夜、盛大に拗ねたミソラにその対応を見て

こじれたファルの二人の対応に追われたが…しかし、

今回はこのデメリットを受け入れてでも今回の一件を

成功させなければならなかったのだ。


今、私の手には四枚ほどのチケットが握られているのだが、

詳細を語るのはまだ早いと思うので何のチケットかは今は黙っておく。


これを使う時期…今年の夏休みはもうすぐそこである。

私はこれを使う時を楽しみにしながらファルとミソラに

抱き着かれつつ眠りにつくのだった。

何のチケットですかねえ(詳細は八月中に上げると思います)


ブクマ、評価よろしくお願いします。

誤字脱字あれば報告お願いします。

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