火竜王の戯れ
作者は間違いなくバトル展開がド下手、
マジで上手く書けねえ…他の方々どう書いてんだろう
ハーカさんとの戦闘です
何やら急に怒ってハンデを取り消して始まったハーカさんとの戦闘。
ハーカさんは私にものすごい速度で真正面から殴りかかってくるが、
なんとか回避に成功し、こぶしが地面にぶち当たって
地面が部分的に陥没する…かに見えたが。
「なっ…んですかそれ!?」
目の前に広がったのは異色な光景だった、
漫画とかでよくあるクレーターを作り出すような一撃ではなく、
ハーカさんの拳は腕まで地面にめり込んでいる。
「お、ヒルデに教わらなかったか?
これは衝撃を一転に集中させる技よ。
いかに守りが堅牢であれど一点突破であれば
問題ないだろう?」
「はー!!竜関係の人って大体そうですね、
なんですかそのトンチキな技!私の知ってる技術以上のものを
さも当然のように使わないでほしいですね!!」
話し方から察するにクレーターができるであろう威力を拳一つ分に
圧縮してぶちかましてるってことですよね!?当たったら多分
相当なダメージを食らうじゃないか畜生!!
「ヒルデさん!?ちょっとくらい
心得とか教えていただけませっ「そらあっ!」あぁっぶない!!!」
明確に実力差がありすぎるので、
ヒルデさんに助けを求めようとするが…その前に
ハーカさんがしっぽによる薙ぎ払いで攻撃してくる。
当たりこそしなかったものの
体勢が崩れてかけ、そこを狙ってハーカさんが
私を蹴りつけ完全に崩すとともに私の上に乗っかってくる。
「そらそらそら、足元も首元も胴もお留守だぞ小娘ッ!」
「うっ、っぐ、あ゛!【殺意】!!」
半ば馬乗りの態勢でものすごい速度で殴り続けられるが
三発目でなんとか殺意を発動させることに成功する。
体力はもうほぼ残っていない、あと一発でも
当てられたら殺意を発動できず死んでいた。
「ぐぅ…りゃあ!!」
体勢を戻すために真正面に思いっきり
頭突きをかまして無理やりハーカさんを引きはがす。
「あがっ、ごおぉぉ!!」
殺意の効果で相当ステータスが上がったからか、
かなりよろけているように見える…が。
「くふ、よき殺意、良き怒りよ!楽しいなあ楽しいなあ、
ヒルデもその弟子も滾るような闘志を
見せてくれるなァ!!」
見た感じでしかないが、ほぼノーダメージだろう…
しかし、何か琴線に触れたのかハーカさんは
口を大きく開けて牙を剥き出しにして笑い始める。
「まだまだ弱いまだまだ青いまだまだまだまだまだ!!
嗚呼、そうとも、お前は未だヒルデに遠く及ばん!
だが…だが!!」
ハーカさんが両腕をガッツポーズのように掲げる。
すると一瞬でハーカさんの体を激しい炎が覆い隠し、
その中から更に喜びを全面に押し出したハーカさんの
声が響き渡る。
「妙に気を遣って本気を出さぬ
ここの国の奴らよりかは幾分か面白い!
その褒美に貴様に見せてやろうではないか!!
貴様の至るべき道、ヒルデが大成させたその拳、
その一端を我が糧とした我が拳を!!」
炎が弾け飛ぶと同時に、先程と違う姿になった
ハーカさんはそう叫ぶ。
腕にはファルのドラゴンクローのオーラと
同じような形で、しかし赤く実体を持った竜の爪を持ち。
足は膝下までが赤黒い鱗に覆われ、爪先は恐竜のように
三本の爪がスパイクのように地面に突き立てられている。
「その可愛らしく、貧弱で矮小な力で幾らか
抗えるか…この火竜王ハーカが
試してやろうではないか!」
ハーカさんが地面を蹴ると同時に、
私は激しい悪寒に襲われほぼ反射的に体を左に倒す。
背後から壁の砕けるような音が響き、
少し遅れて大きな風が吹く。
「ほう、避けたか?割れの動きを読んだ、いや
直感か?どちらにせよ…」
「『時縛りの茨』!!」
自らの感覚に従うまま、咄嗟の判断で
時縛りの茨を発動させてハーカさんを拘束し…
「ほう、動きを遅くする茨か…」
「【狂速稼働】、【狂靭葬鋼】…【堅鱗砕き】!!」
ドラゴンクローのように見えるあれは足とは違い
ファルの使っているものより上位のもので、実態を得ているように
見えるだけでバフのようなものだと判断し
狂靭葬鋼で強化した堅鱗砕き…防御を下げるスキルで
明確な脅威たるドラゴンクローらしきものを破壊しにかかる。
一瞬だけでいい、殺意でステータスの上がった今ならば
きっとその一瞬であの詰めを砕き切れ――――
「溶解岩壁」
「がっ、あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!」
ハーカさんの魔法で溶岩の壁が出現し、
私の攻撃を腕を焼きながら無力化した。
殴り掛かった時の勢いを殺せるわけもないために腕から
体ごと溶岩に突っ込み、そのまま殺意の回数をいくつも
消費していく。
「やはり青いなぁ、自分の強みを押し付ければ勝てる道理はない。
我の勝ち…いや、拳といったのに技を使わないのはちと違うな?
そうだ、小娘。一撃でも耐えたら終わり…いやお前の勝ちに
してやる、耐えて見せるがいい」
溶岩の壁はMPを注がれなくなったのか魔法が解けて
熱を失って急速に固まり、私の半身を壁に埋める。
必死に抜け出そうと躍起になるが…しかし、ハーカさんが
そんな配慮をしてくれるわけでもない。
「【烈火断裂】」
先程とは違い、辛うじてハーカさんの腕の動きを追うことが出来た。
私目掛けて振り落とされる手刀に私は切り落と
◆◆◆◆◆◆◆
我の視界が広がる炎で赤く染まる。
先程の一撃よりすさまじい勢いの強風が周辺の砂を巻き上げて
撒き散らし、手刀で切り落とされた天井と壁が重力に従い
遅れてすさまじい音を立てて崩れ落ちる。
「…もう少し加減するべきだったか、白竜のに怒られるな?
これは、いや。我の興味を引いた小娘が悪い、そうだ、
きっとそういうことなら白竜のも許してくれる…」
と、そんなことを火の竜王は
責任から逃れるためにのたまう。
「小娘―、いるかー、生きているなら返事をしろー?」
あの程度の実力ならば溶解岩壁で相当に命を削り、
烈火断裂で命を絶てると踏んでいたのだが…
一応の生存確認である。
「…はぁ、やはりあの一撃はあの小娘程度では無理か。
いやはや興が乗り過ぎたからと言って使う技ではなかったか?」
声が返ってこないことを確認して、我はそう落胆する。
あの小娘は弱い、正直見どころはあるが実力自体は
全盛期のヒルデの十分の一にも満たないだろう。
だが、気迫と気合だけは一丁前に持っていたので
ヒルデと戦うときのように滾ってしまった…というのが
個人的な感想である。
ヒルデの技は基本的にいくつか技を同時に使うことを前提にしている。
人一人で瞬発的に出せる実力には限界があり、単発よりも
連発で仕留めた方が良いからであり…基本的には単発で使った場合は
火力が足りないただの殴打となる。
「あわ、あわわわわわわ…」
足元から怯える声が聞こえ、我は驚きで尻尾を振るい
辺りに待っていた砂埃を吹き飛ばす。
「貴様…」
足元には、先程までとは違う姿の…
いや、服装だけは先程と同様ではある。
「誰だ?」
「ふぁふぁふぁふぁふぁふぁファルですすすすすすすすすす」
我は非常に怯えている同胞の姿を見て、
困惑しながらなんとか落ち着かせようと行動を始めるのだった。
Q.なんでハーカさん人間体のままで戦ってるの?
単純に手加減。シンプルに竜で戦ったら秒で終わるし
あの場所が初手で倒壊するし…
Q.ハーカさんのテンション上がり過ぎじゃない?
ハーカさんが戯れで戦ってた白竜の王国の戦士が
みんな竜王と戦うってことに怯えてまともに
戦ってくれなかったので正直ちゃんと勝負してくれるだけで
嬉しかった+ヒルデというそれなりに戦えた相手の
弟子ということでのテンションブースト
Q.変身後のハーカさんの姿ってどんなの?
両腕に三対の赤っぽい爪を浮かせてて、
足の表面がMHのアカムみたいになってるイメージ
ブクマ、評価よろしくお願いします。
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