イベント準備①
まず、考えるべきは私の出来ない事だろう。
私の切り札は間違いなく「十三の魔女」で、
レベルも上がって強化が入っているので
使える魔法の数が上がっている。
最初から使えていた
「スリープ」、「茨縛り」、そして私が使っていなかった
「クイック」、「スロウ」、「ニードル」以外にも、
「エリアスリープ」、「茨の檻」、「ハイスピード」
「ダウンビート」、「ニードルラッシュ」を習得していた。
ここまでは正統な強化だろう、名前が似通っていた。
しかし、まだ習得している魔法があった。
「睡眠針」、「遅延の茨」、「加速の針」、
「罪の茨」、「速拘の茨」、「時止めの針」、「誘眠の茨」
という感じのいかにも二つの魔法が混じっています、
といった感じの名前をした魔法が習得されていた。
効果もそんな感じで、「誘眠の茨」は
「スリープ」の効果が付いた「茨縛り」のような魔法で、
「時止めの針」は
「スロウ」の効果を持った「ニードル」のような性能だった。
その他の魔法も似たようなもので、二つの魔法が合わさった魔法
が追加されていた。
「十三の魔女」の強化はこんなもので、
範囲で魔法を打てるようになったり、
二つの魔法が合わさったちょっと強そうな魔法が追加されていた。
じゃあ、「十三の魔女」で出来ないこと、弱いことは何か?
近寄られた時にとっさに発動できないことと、
私が主に使う「茨縛り」系と「スリープ」系は
敵を眠らせてちょっとずつダメージを与えることしかできないので
一発一発の威力が弱いこと。
前、モンスター相手にニードルも試してみたが、威力は高くなかった。
故に一撃一撃の弱さである。
しかし、それをカバーする方法が私にはある。
ファルとミソラの存在である。
二人とも近接が強く、火力も十分。
弱いところはないと思われるかもしれない。
でも、まだ足りないものがある。
私たちには遠距離、遠くの敵に攻撃する方法がないのである。
つまり近距離や中距離の敵には滅法強いものの、
遠距離の敵には何もできずに殺されるのである。
どうすればいいのか頭を悩ませた結果、
もしかしたらファルとミソラが何かできるかもしれない、
と思って二人を呼んでみた。
「ねぇ、二人とも。遠くの敵を倒すにはどうすればいいかな?」
「そうですね…まず私たちには何もできません、
素早く近づいて攻撃するといった程度でしょう」
「私もおんなじかなー、ちょっと遠くなら大丈夫だけど、
あんまり遠くだとなんにもできないー」
「そうなんだ…じゃあどうしよう…」
「あっ、新しい召喚獣を手に入れるというのはいかがでしょうか?」
「え?どうするの?」
「それは私には…
ご主人様が知っていなければいけない情報では?」
「確かに…」
召喚獣を手に入れる方法なんてありふれたものだろうし、
私は知ってなければおかしいかもしれない。
ちょっと今度調べてみよう。
「ファル、ありがとね。よしよしー」
そう言ってファルの頭をなでる。
「ありがとうございます~とっても気持ちいいですねぇ…」
気に入ってくれたようで何よりだ。
それから少しして、私は召喚獣を手に入れる方法を知るため、
攻略サイトを見てみようと思い、ログアウトした。
作者「新キャラ出そう」
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