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閑話:ふぃろーさんたちの日常

本日二話目の更新、

ふぃろーさんのお話です。

残りは明日更新します


4/2追記

体調が終わってる上に症状が長引きそうなので

今週一週間お休みさせていただきます。

非常に申し訳ありません…

「うぁぁぁぁぁぁ!!?!?」


朝。きっかり七時に目を覚ました私は

いつも通りの大声を聴いて眉を顰める。


「…義姉さんったら、またなにかしたのかしら」


可能性が高いのは目が覚めたら従兄さんと一緒の布団に

入って向かい合わせになっていたとかそういうところだが…


私には気にしようがないので、パジャマを脱いで

中学校の制服に着替え始める。


「いつもやめてって言ってるだろ、

 俺だって恥ずかしいところぐらいあるんだわ!!」


「ふ、ふーん!?嫌よ、貴方をからかうのが

 私の趣味だもの!ずっと新鮮な反応ありがとう、

 これからも寝顔を見学させてもらうわ!」


手慣れたもので、隣の家から聞こえてくる口喧嘩の声を

完全にシャットアウトして着替えを終える。


「今日のご飯なんだろうなあ」


部屋から出て、脱いだパジャマを洗濯カゴに入れて

朝食の待っているリビングへ向かう。


「おはよー」


「おはようありす。今日も元気そうね」


「従兄さんたちの声で朝から気分はさえないけどね…

 いつになったらどっちも告白するのか」


最早どちらが先に告白するか意固地になっている可能性すら

推測するが、あの義姉のヘタレ具合を考えるにぜっったいに

こじれているだけでそんなことは一切ないと確信している。


「ああいう時期が一番楽しいまであるからな、

 ありすもそういう時が来るさ」


「私との結婚生活は楽しくないってこと?」


「いいや、そういうわけじゃないさ。

 それでも楽しかったって思える思い出が

 あるってのはいいことじゃないか?」


「つーん。パパの分の目玉焼きは

 私がいただくことにしまーす」


「拗ねるの早すぎない!?ママとの結婚生活は楽しいよ、

 楽しいけどああいうのもいいよねって話だよ!」


いつものことである。私があの二人に付き合ってほしい

理由第三位が両親のイチャイチャのダシにされていることで、

第一位は義姉からの相談(突然の誘拐)、第二位は先ほどから聞こえるような朝からの

大喧嘩である…ともかくあの二人が付き合わないことに関する

デメリットが多すぎる。


私は目玉焼きとベーコンの乗っかったトーストを

かじりながらそう思った。


◆◆◆◆◆◆◆


正午、俺こと空野紡希は友人の加奈子さんと

昼ご飯を食べながら雑談をしていた。


「どうやったら完璧な鍵を作り出せるのか…」


「なんだい、完璧な鍵なんて存在するわけないだろう?

 電子ロックはリセット(無力化)可能、普通の鍵でも

 複製さえできれば余裕で突破できる。つまるところ…」


いつも鍵の話をしたときに繰り返されるフレーズを聞きながら

流石にもう聞き飽きたのでやめてほしいとポーズを示しながら

彼女に答える。


「わかったわかった、わかってるよ加奈子さん。

 華に見つからないような場所へ引っ越せっていう話だろう?」

 

「普通にそうするべきだろう、

 ボクとしてはそれが正しい判断だと思うが」


「いや確かにそうなんだけど…お金がなぁ」


「彼女のおじいさんに頼めばいいじゃないか。

 彼女のおじいさんなら捜査をかく乱したうえで

 しばらくは安全な住処をそこそこの値段で

 提供してくれるんじゃないか?」


「なまじ本当にできそうだから怖いな…」


あのジジイならできるし言ったらやってくれるだろう、

だがいつかはわからないが根負けしてしまう可能性が否めない。


「嫌なら早く告白してあいつを赤面させてやればいいんだ。

 そうすればそういうことの頻度も減るだろう」


「君も遠慮しないねえ…卵焼きがおいしい」


弁当の中に入っていた卵焼きの味で現実逃避しつつも

加奈子さんの話について考える。


…告白。確かにすべきだろうし現在の関係が

最適とはいいがたい、というかこの実質恋人のような

生殺し状態が続いているのはそれが原因であるため

それは一番の解決策であろう。


「でもね…やっぱり怖いんだよ」


「告白することがか?いや、君ならそういうことじゃないよな。

 はぁ…いつものごとくその後のアピールが怖いと」


「だって今でさえすごいアピールなんだよ?

 付き合ったら付き合ったでもっとすごくなるのがわかってる以上

 告白したならもう結婚までいっちゃいそうで」


「いつも言ってるが君があいつから本気で逃げれば多分

 何とかなるんだよ。どっちかに煮え切らないから

 そんな風なことになるんだ。好きか嫌いか、それが

 示されれば気分悪さも消えるだろう」


「…はぁ、本当にそうなんだけどねえ」


「君の気持は決まってるし彼女の気持ちも決まってる。

 なのに君は何に対して日和っているんだよ」


流石にイラついてきたのか、

いつもは聞いてこないようなことについて聞かれる。

…出来ることならば言いたくないが、どうしよう?


「…あー、えっと。笑わない?」


「大体察しがつくけど言ってみるといい。

 どんなことでも笑わず受け止めてやる」


自信満々でそう言われるので、俺は覚悟を決めて話し始める。


「…ちょっと、自分が納得できる時期と場所で告白したいんだよ」


「ほぉー、やっぱり想像通りのロマンチストか。

 多分だけど予定しているのは彼女の誕生日だね?」


「うん、そうなんだけど…そうなんだけれども。

 僕に対する理解度が高くない?そんなにすぐ察されるとは

 思ってなかったんだけど」


もう少し時間をおいて答えを見抜かれる気がしたが、

しかし即座に見抜かれた。


「当然だろう?高校からの縁とはいえ君は分かりやすいからな」


「そうなの、かなぁ?」


若干釈然としない思いを抱きながらも、

俺は昼ご飯を食べ終わって午後の講義が

行われる場所へ向かうのだった。


◆◆◆◆◆◆◆


彼が移動したのを確認して、私は向かいの席に

いるであろう彼女へ話しかける。


「やあ、まーたストーキングかい?」


「…いつから気付いてたのよ」


「割と最初から。僕と彼が二人きりで弁当を食べるっていう状況

 自体そんなにないだろう?彼がそういう負担を

 ため込んでいるのは分かっているのに僕に解消させるなんて…

 随分都合がいいように使うじゃないか」


彼女がそんな状況を作るわけがない。

ボディーガードさんがついているかと思ったが

別にそんな感じの人はいないので、彼女がそのままここにいると

思ったのだがやはり当たっていたらしい。


「私だって…私だって辞めたいわよ!!」


「面倒くさい女アピールは分かり切ってるからやめて欲しいな。

 というか本当に面倒くさいよ、彼が最近君一筋なのは

 わかり切っていることだろうに、それでも不安かい?」


大学生活の初めの方ならまだしも、最近の彼女への

気遣いは明らかに想い人のそれだ。というかこいつ

僕に定期報告みたいな形で監視させてるのに

まだまだ不安とか抜かしだすのか?


「う…、うー」


「だんまりか。告白するタイミングも聞いてなお

 不安とか面倒くさすぎないかい?」


「それでも、私以上に魅力的な人なんて沢山いるし。

 それに私面倒くさい女だし…誕生日までに

 愛想付かされるかもしれないし」


「君は欠点ばかり並べているが。それでも彼が好きだし

 彼もそれを込みで好きになってくれているんだろう?」


「うー、でも、でも」

この二人は本当にじれったい、

正直それがメインとしてこの大学を選んだわけではないが

しかし注目しているのは明らかである。


非常に面倒くさい二人だが、二人の思いが成就した暁には

本当に幸せで面白いことになりそうだ。


私はこれからも二人を見守っていくことにしようと

心に決めながら、どう彼女を慰めようかと頭を巡らせるのだった。

加奈子さん

二人に対して無数にいる協力者の一人。

彼女のような人間が二桁は集まってようやく

現在の状況までもっていっている


華さん

ふぃろーさんをあまりに

神格化に等しいレベルで思ってしまっているが故に

自分では力不足ではという思考が常に付きまとう。

でもそれでもふぃろーさんが好きだし、

一生を共にするのは自分だと確信している面倒くさい女


ふぃろーさん

告白する誠意と男気を見せるべきだが

状況がいい時に解決したいチキン、

ただやるときはちゃんとやるだろうし

華さんの面倒くさい面を知ってなお好きなので

お前ら早く付き合ってしまえが無限に湧き出して来る


ブクマ、評価よろしくお願いします。

誤字脱字あれば報告お願いします。

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