表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
252/416

竜王様の腕試し②

腕試しかは謎ですが水竜王様の話です

明日は三話更新の予定です

結果としては、だが。

火竜王のハーカさんとの勝負は私の負けに終わった。


というか途中から明らかに

ヒルデさんへの弱体化を仕掛けていたので

何かずるいことをしてたのかもしれない。

なんて竜王なんだ…


「だから言っているだろう、我だって魔力が

 常に生み出されているわけではない。無限ではなく

 有限であるならば注げる魔力はだんだんと減っていくのだ…

 だから貴様の体力を削りきりはできんかった」


「でも負けは負けですよ…ハーカさんのほうが

 体力有り余ってるんですから」


「そもそもヒルデがほぼ消えかかっても貴様だけで我の体力を

 ヒルデの半分程度は削っているであろう。もっと誇れ」


「でもたった三割なんですよ?負けは負けです」


全力で戦って減らしたHPは三割、たった三割だけである。

それに対してこちらはHPがほぼほぼ削られているし、

大分悔しい…いや本当に悔しいが、しかし

センジョウたちへの敗北を経て成長した私は

さらに精進するべきだと思うぐらいにとどまることができた。


火力不足は何とかするしかないかもしれないが、

狂靭葬鋼と土魔法の有用性がわかっただけでもありがたい。

狂靭葬鋼は出現した火の壁をかき消すことができたし

土魔法は攻撃を一度受けて回避する隙を作るのに便利だった。


「くふふ、貴様良いなあ。…だが、今は控えておこう、

 そろそろ黒の奴も来るだろうしな。そっちで遊ぼう」


ハーカさんがそう言うと、どこかへ飛び去っていき

目の前に広がっていた光景は元通りとなって、

先ほどまでいた草原の景色が広がっていった。


「ふー…上出来だよ、だいぶ頑張った。

 思ったよりもっと強くなってるね」


ヒルデさんにそう言われるならばそうなのだろう、

だがまだまだ上がいるということはまだまだ

強くなれる余地があるということ、楽しみにさせてもらおう。


「一瞬消えて一瞬で戻ってきたわね」


「面白いね、ねーアルルちゃん」


「ちょっと何があったか教えてほしい。

 ミソラちゃんと心獣混身いちゃいちゃした?

 したよね、したした、この雰囲気は絶対したでしょ」


どうやらあの世界はこっちよりもさらに早い時間が

流れていたらしい、ちょっと驚いたようなみんなの声を聴いて

そう思う。


「マシェルさんは少し落ち着いてください。

 そんなに前のめりになっても教えてあげませんよ」


「合点」


「見て、あれが趣味に生きる大人の姿だよ。

 反面教師にするにも参考にするにも自由だけど

 ああはなっちゃだめだよ」


「…普段から肝に銘じてるわ」


そんな会話を続けながらも、私たちは海へと歩を進めていった。


◆◆◆◆◆◆◆


「海、海、海!ついに来たわよー!」


「凄いねえ…町の近くの奴はそこまでじゃないけど、

 ここはすっごくきれいだ」


「いやー、本当にすごいですねご主人。

 いつぞやの場所とは比べ物にならないくらいにきれ」


「ミソラ!!?!?ま、待ってそこのカニ、いやエビ!!」


一瞬体が大きすぎてカニと勘違いしたし

理由がわからないがエビがハサミでミソラを

挟んで連れ去ろうとしている。


私は焦りながらも確実にミソラを取り戻すため、

空を飛んで先行して挟み撃ちの形にするためにグリムを呼び出す。


「グリム!」


「はーい、何の御用でしょうか?」


「あのエビを追って!!」


「エビ…あぁミソラが捕まって、捕まってる!?」


「そうなんだ!助けなきゃ、

 だから先回りして魔法で足止めして!」


「り、了解しました!」


急に呼び出したものの、急な事態には慣れてしまってか

すぐさま行動に移るグリム。ファルは呼ぶとなんだか

面倒なことになりそうな予感がするしスピードが…

いや、それならば妖精さんたちを呼べばよかっただろうか?

でもそれだとエビにちょん切られそうで怖い。


「止まれっ!『アイスロック』!」


グリムが先回りして足元を凍らせてエビを足止めしたところに

私はエビの背中をぶち抜こうと跳んで殴り掛かる。


「【ドラグドロップ】!!」


「ggggg!?」


一撃で背中からつぶれるエビの手からミソラが離れ、

ミソラは即座に私の後ろへ隠れ始める。


「なななにあいつ…」


「大丈夫…?」


「ミソラ…実はわざと捕まってたとかない?」


「なわけないでしょ!!

 本当にびっくりしたし怖かったんだから!!

 なんか爪の内側がぬめぬめしてて、それに触ったら力抜けて…」


…なんだろう、多分このエビを操っていた存在がいて

その存在に勘付きかけている気がするこの感覚は。


「君の想定はあってるよ、流石にもうダメだ。

 殺りにいこう」


そうですね。ヒルデさんに警告されてたのに

こんなことするなんてもうダメですよね。


「「【魔導伝承(ファイナライズ)竜姫(ヒルデ)】」」


エビの残骸が砂となって消えるのを見届けると、

私は魔導伝承を発動させて奴がいそうな場所へ飛び立つ。

いつもの青い炎ではなく、真っ白な色の炎が身を包んだが

激情に身を任せていた私は気づくことはなかった。


◆◆◆◆◆◆◆


簀巻きにされて重石を載せられた状態の

水竜王ことアサンは汗をダラダラとたらしながら

自分の失態をどう解決しようかと頭を回していた。


「やらかしたやらかしたやらかした!」


どうしてこうも間が悪い、どうしてこんな時に

海に行ってんだあいつら。


マジでどうしよう、弁明のしようがない。

ただ色水を操って砂を固体にしてエビを模して

誰かしらナンパ(誘拐)して暇をつぶそうと思ったのに…

しかし結果としてはどうだ、竜姫とその弟子の

仲間を攫って逆鱗に触れているではないか。


「しかもあの白い炎…やばいやばいやばい、

 マジのガチの本気じゃないか」


あれは竜姫ヒルデの十八番、代名詞とも言っていい

本人がカチ切れて意識的な制御を手放し、炎の熱が高くなりすぎて

炎が白くなり…結果本人の無意識的制御があまりに高すぎて

攻守に優れた恩恵だけが残った化け物強化…

いやこの状態で受けたら死ぬ、本当に死ぬ。


「「やあやあこんにちわぁ…ナンパ男さん?」」


「ヒッ!?ごめんなさいごめんなさい許してくれ!!」


精一杯の謝罪の意を伝えるが、二人の怒りは収まらず

むしろ重圧とともに強まって肌を貫く。


「「警告はしたし…まぁ当然お仕置きだよ。

 雷竜の巣に会議が始まるまでぶちこむ」」


「え、それ本気で言ってます?俺水竜ですよ?

 雷竜とは敵対してるし一番痛い魔法なんですg」


「「うるさい、逝け」」


俺は無造作に持ち上げられると、

雷竜の巣がある方向へぶん投げられる。


畜生、何で白竜の国は雷竜の巣と氷竜の巣と近いんだ…!

いや俺が防衛できる位置にいないからだな!昔白竜に

押し付けたカスだわ!最悪だな過去の俺!


俺は雷竜の巣の中に落ち、どうやって

死なないように立ち回ろうかと必死に考え始めるのだった。


白い炎

普段は制御に割り振っているヒルデさんの力を

完全に火力を上げることに割り振ることで出てくる炎。

自傷ダメージがありそうだが別にそんなことはない


水竜王その後

マジで隠れるくらいしか手段がなかったので精一杯

偽装した。これからは自重しようと誓ったが

城に戻ったら秒でその誓いは破られた、

ヒルデさんはまた切れた


ブクマ、評価よろしくお願いします。

誤字脱字あれば報告お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ