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竜王様の腕試し①

イベント攻略回、火竜王との戦闘です。

ある程度の事情を説明した後、

私はヒルデさんに体を返してもらい証とやらを受け取っていた。


「はい、確認完了しました。

 それではお仲間様にお渡ししてください…

 くれぐれも犯罪利用はなさらないように」


「もちろんです」


証は話の通りネックレスのようなもので、

ハウルアさんのつけていたものと似た金属のネックレスだった。


「多分ね、フジカはあの人から監視されてるでしょ?

 それがなんだかんだアマトの刻印といい感じに組み合わさって

 ここまでのあべこべ状態になってたんだと思う」


アマト、アマト…聞いたことのない名前だ。

三文字でカタカナというからには竜王の方々なのだと思うが…


「ありゃ、記憶消えてたか。

 …あの子ならそうするかなぁ?うん、

 とりあえず教えてあげると君はアマトと戦って

 負けて空から落とされてたよ」


あー、それで目が覚めたらそれなりに

地面に近づいていたということか。


え、ってことはあれより高いところから落ちてたの?

HP六割じゃすまなかったってこと??


…いきなり寒気がしてきた。

ちなみにセンジョウさんたちがハウルアさんに

触れなかったのはどういう原理ですか?


「君たち一応幽霊みたいなものだからさ、

 多分ここだと「ここに私がいますよー」っていう

 証明ができないんだと思うよ?」


あー…確かにそういう設定があった気がする。

詳しく調べたのがそれこそゲームが始まる前だったので

そこまでよく覚えていなかったが、

なるほどそういうことかと納得する。


「これを渡して体のどこかに身に着けてもらえば多分大丈夫。

 君も身につけておけばトカゲが殴れるようになるかもね?」


「え、あと一個もらって来ればよかった…」


私は素で見えるからともらわなかったが、しかし

それができるなら話は変わってくる。


だが過ぎてしまったものは仕方ない、

私はみんなにネックレスを配りに行くのだった。


◆◆◆◆◆◆◆


「お、おぉぉぉ…見える、

 俺にもあのトカゲ共が見えぐあー!攻撃当たらねえ!」


「何やってるんですか…?」


みんなを探しに行くと、透明トカゲと戦闘中だったので

手が空いてる人たちから順番にネックレスを渡していった。

そしてもらった人がトカゲを見ることができるようになり、

その代わりに私と同じく攻撃が当たらなくなる

という事態に陥っていた。


「…『微睡みの茨』」


私はヒルデさんにトカゲたちへの対処法と

一応国を守る戦力なのでなるべく殺すなと厳しく言い聞かせられ

一応無力化できる手段の一つである微睡みの茨で拘束し

透明トカゲを眠らせる。


奴の名前はペネトレイトリザードとか言うらしく、

強い人には透明な以外に強いところはなく、見える奴は

大体魔法使いかつ強い人、ということで挑戦が腕試し的な意味を

持っているだけで大した強さではないが、しかし透明な

敵が集団で襲い掛かってくるというのがそもそもの脅威のため

防衛に使われているらしい。


「むぅ…面倒くさいわね、殴るときだけ外して

 殴り終わったら外すとかすごい手間だわ」


「まぁまぁ…面倒なら俺が見てるし、なんならせすも

 いるんだから大丈夫じゃない?」


「ふふ、そうね…ふぃろーと一緒、ふぃろーと一緒」


なんか面倒なことになっているのを見た気がするが

私はアルルちゃんを連れてどこかへ行くくらいしかできない。

なんであそこまでこじれてるんだろう、両想いらしいのに…


「どこ行こうかアルルちゃん」


「…んー、そうだ!海行きましょう海!なんかあっちの方に

 行った人たちが見つけたらしいわよ!」


へー、海。海かぁ…

思い出すのは姉とまーさんたちのレベリングをする際に

通過した場所で私が通った時も面倒だなあと思ったが

しかしそれはそれ、楽しければ何でもいいかもしれない。


「うん、いいね…いこっか海」


「いいなー海、私も行きたーい」


「ティタさん?いいですよ」


「(無言でサムズアップしている)」


「…何を考えているのかわかりますが

 とりあえず行きましょうかマシェルさん」


そんなこんなで私とアルルちゃん、マシェルさんにティタさんの

四人は他のチームが見つけたらしい海に行くことになった…のだが。


「はっはっは!!約束通り来たぞ!!」


「な、なんで!?それは明日では!!?!」


「なによこいつ!」


「待ち切れるかァ!旧友と旧友の弟子だぞ、

 旧友は強かったがお前はどうかなぁ!!

 早く味見させろ味見、お前の肉はうまそうだ!!」


唐突に空から飛来した火の竜王の…ハーカさんだっただろうか?

いやヒルデさんが勝手に話をまとめて明日戦うとか言っていたが

結局耐えきれてないじゃないか、どういうことだろう…?


「だってあの調子だと城の中でドンパチ始めそうだったし…」


この状況がわかってたってことですねヒルデさん??

耐えきれないとわかっていながらも私にそのこと黙ってましたね?


「二人ともうるさい!!ともかくぅ…戦るぞぉぉぉぉぉ!!」


鳴り響く大轟音に耳と同時に目をふさぎたくなるが、

しかし次起こった現象に目を奪われる。


「景色が変わってく!?」


目の前の風景が火山から溶岩が凄い流れている

風景へ変化すると同時に、アルルちゃんたちの姿が見えなくなり

唐突に変化した環境に驚愕する。


「あァ…お前とヒルデと戦うにはあの程度の場ではちと足りん。

 なら我の領域に引きずり込んで戦うまで…さぁ始めようではないか!!」


「先手必勝!!」


「ほひはぁっ!?!?」


後ろから赤い炎を纏って、いつかみた幽霊状態からしっかりとした

肉体を手に入れて見慣れた装備に身を包んだヒルデさんが後ろから

突撃してくる。


「は、へ、どういう!?」


「こいつの空間だからこいつのしたいことができる!

 竜王なら大体できる、だから私が実体化できてるから

 フジカも早く戦って!私だけじゃ無理!」


「は、はい!【魔導伝承(ファイナライズ)竜姫(ヒルデ)!】


私は魔導伝承を発動させてヒルデさんの方に加勢へ向かう。

ヒルデさんは私が発動している技をはるかに上回るであろうと

容易に確信できる程度のエフェクトを一帯に撒き散らしながら

激しくぶつかり合う。


一瞬横入りする隙が無いかと思ってしまったが、

ヒルデさんの動きをよく見ると私助力できるような隙を

無理矢理作り出してくれている。


「…ミソラ!」


「はいはーい…凄い状況で呼び出してくれたね!?」


「話は後、心獣混身するよ!」


何度も繰り返されたやり取りをして

ミソラと心獣混身を行い、そのまま自分の強化を始める。


「【オーバーロードチャージ】、【狂迅苛烈】、【凶速加撃】!」


いつも通り三つの強化を加えた上で

ヒルデさんが作り出している隙を狙いながら、

私はハーカさんに向けて蹴りをぶちかます。


「【剛翼断(ごうよくだん)】ッ!!」


蹴りは確かにハーカさんの腹へクリーンヒットし、

数十メートル程度吹っ飛ぶ。


「はははっははは!!!最高だ、最高だ!

 痛い痛い痛い痛い!すごくいい、すごくいい!!」


しかし、痛みを感じながらも嬉しそうな笑い声を上げて

ハーカさんは立ち上がる。声色から全くダメージは

入っていないらしい…さすがは竜王ってことだろう。


「変態…これだから戦闘狂は」


「ヒルデさんもその気はあるのでは?」


「私のはあの人だけだから」


「…惚気ですかね?」


「無駄口はおしまい。来るよ」


「ははは!!久方ぶりの楽しい味見だ、

 存分に堪能させてもらおう!」


私は拳を構え、ヒルデさんと共にハーカさんを

迎え撃つ体制を整えるのだった。

火竜王様の空間

大体噴火中の火山から溶岩が流れてる状況を

想像してもらえばそれっぽいかもしれない。

竜王は自分の思うままの世界を一時的に呼び出す。

生み出すというよりは他の場所へ一時的に

転移する形に近いため現在地を破壊したくない時などに便利


ブクマ、評価よろしくお願いします。

誤字脱字あれば報告お願いします。

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