ヒルデさん無双
イベント攻略回です。
ある意味ヒルデさんメイン
唐突に猛スピードで襲い掛かってくる青年を
眠りや減速などの茨を沢山絡み付けて拘束している。
青年は何だか知らないが数秒眠ったと思ったら
即座に起き上がり拘束を解こうとしたので、
他の茨系を併用してさらに使い続けることで
拘束している…すごい強い、魔法を使うのをやめたら
秒で抜け出されそうだ。
「くそ、外せ!眠いし動けない!」
「私に危害を加えないのなら…
というか私は記憶がないもので」
「そういう策略だろう!今すぐ化けの皮を剥がしてやる…
その首叩き斬ってなぁ!!」
「えと、その…」
「…フジカさん。少し後ろにお下がりを」
彼の登場でハウルアさんに嘘をついていたのか、と
すごい剣幕で迫られたのだが…結果としては
こちらの確認不足、ということで何とかなった…
というか本当にどういうことなんだろう。
「君またすごいところにいるね。
白竜の王国なんて久しぶりに来たよ」
あれ、ヒルデさん?
そちらから話しかけてくるなんて久しぶりですね。
「いやーちょっとすごい久しぶりの場所の空気と
昔馴染みの気配を感じてね。とりあえず、身分に関しては
黒の竜王の友人とか名乗ればなんとかなるよ」
…ごめんなさい、ちょっと流れに任せて
記憶喪失とか言っちゃって。
「あ、大丈夫だよ。魔導伝承使わせて?」
「…【魔導伝承:竜姫】」
私はヒルデさんに言われたとおりに魔導伝承を使うと
私が主導権を握る青い炎ではなく、ヒルデさんに体の主導権を
受け渡す赤い炎が身を包み、いつも通りの姿に変化すると
ヒルデさんは二人に近寄り、にこやかに挨拶する。
「…こんにちは議長さん、竜殺しの一族の人」
「え、どうされましたかフジカさん?その姿は…」
「彼女にはいったん眠ってもらってるよ」
「そら見ろ!やはり偽物、今すぐ叩き斬って」
「君はちょっと言葉を慎むべきだよ。
この子はフジカ、黒の竜王の妻たる私、
ヒルデの力を受け継ぐに足る器…要するに弟子だよ」
ヒルデさんはそこそこ強めの威圧感を
出しながら青年を威嚇する。
その気配に押されたか、
先ほどまで元気に話していた青年が途端に黙り始めた。
「は…」
「え…え?」
「ごめんね議長さん。ちょっとこの子への説明不足で…
うまく伝わってなかったみたいなんだ。多分そのせいだね、
だからちょっとこの子の体使って出てきちゃった」
「え…っと。黒の竜王様の同伴者ということでよろしいですか?」
ハウルアさんは驚きながらも何故か事務的な対応を始め、
それに対してヒルデさんも丁寧に対応する。
「大丈夫だよ。ごめんね、心配かけちゃって」
「いえ、正直賊の類じゃないなら安心してます。
というか火と水と風の竜王様の負担が大きすぎるんです…」
「大丈夫、あの人が来たら全員黙るし会議の後に
全員弁償させるから…というか、風に関しては
監視役を付けると安全だよ。結局助ける方法が
出力が高い魔法ってだけだからそれを手伝える人が
いれば危険じゃない」
「…!気付きませんでした」
「お疲れなんだね、君も精いっぱい頑張ったみたい。
とりあえず私はこの子と一緒に水竜と火竜黙らせてくる」
「は、おい、待て!」
力強く地面を踏み出して、ヒルデさんは壁を跳び越えると
跳び越えた壁を足場にして城へ向かって一足で飛び込んで
広い部屋へと侵入する。
「んぁ…なんだぁてめぇ、見知った気配がある気が…」
「自重しろこの戦闘バカがぁぁぁ!!!」
ヒルデさんは見知らぬ赤いポニーテールの女性のお腹に
全力パンチを決行する。え、何やってるの!?
「ぎ、いぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「次!」
扉を乱暴に開いて廊下を駆け抜け、水色の髪をした
男性を見つけると背後から股間を蹴り上げる。
「やあこんにちは、とつぜんだげぶがぁぁぁぁ!?」
「ナンパするんじゃない、
自室にこもって寝てろナンパハーレムクソ男!!」
「きゃ、あぁぁぁぁ!!賊が、賊が水竜王様の股間を!?」
ナンパされていたメイドさんっぽい人が悲鳴を上げると
それに対してヒルデさんがあたりに響き渡るような大声で
叫ぶように宣言し始める。
「わたしは黒竜王の妻、ヒルデ!わが弟子フジカの体を借り受け
自嘲しない竜王どもの性根を叩き直しに来た!
だから気にしなくても構わない、奴らは殺さないし折檻するだけ!!」
「なんだいこの騒ぎは!…ってこの魔力、君はヒルデかい!?
さっき聞こえた話によれば…」
「いったん君も倒れろぉぉぉぉ!!!」
「問答むよぉぼぼぼぼぼぼ!!?」
ヒルデさんは騒ぎを聞きつけて近づいてきた翠色の髪
の女性を顔面から床にたたきつけ、黙らせる。
「…お前ら、あの人がいないからって
自由気ままにやってるみたいだね…?」
凄い剣幕でその場に倒れている水竜と風竜を見下ろす
ヒルデさんに対し、風竜さんが反論する。
「ヒルデ!私は違うんだが!?」
「うっさい、リンド。君は従者の子を連れてないのに
人助けをするな。力の調節できないくせに」
「加減はしてるよ!というか従者が私より遅いのが悪い!」
風竜…リンドさんはヒルデさんに対しそう反論するが、
聞くまでもないと怒鳴り返す。
「うるさい!人助けがしたいなら今から
こいつら簀巻きにするから手伝って!」
◆◆◆◆◆◆◆
火竜王さんと水竜王さんをシーツで簀巻きにして
床に転がしながら、ヒルデさんは風竜王さんと
彼らを見下ろしている。
なお青い人は簀巻き以外にも重しとか色々付けられて
外した後も普段通り動けるか不安になるくらいには
がちがちに拘束されている。
「うぐぐ…久しい感覚、
死してなおこのような狼藉を働くとは…
貴様やはり素晴らしいな!!」
「お弟子ちゃん、かわiヒッ、ごめん冗談だよ冗談
だからやめて?足使うのなんて本当に久しぶりなんだ、
その金属嫌に重いんだよやめて?」
拘束具の上から何らかの金属の板を青い人に
乗っけようとしているヒルデさんを必死に宥めようと
する青い人に冷たいまなざしを送りながら、
ヒルデさんは二人に話し始める。
「ハーカは退屈だからって暴れない。
アサン、お前はもう黙れ…それ以上話すなら
そろそろ雷竜の巣に投げ込む」
「お前…いやその弟子か!
弟子が戦ってくれるなら我慢するぞ!」
「…修行になりそうだし、
あとでやらせてあげるからしばらく拘束されてて。
アサンは会議が始まるまでそのまま、
たぶん何人か魔術も使ったか使おうとしたでしょ?罪は重いよ」
なんで?竜王ってことは竜主様たちよりも
強いってことだから今の私じゃ手も足も出ないはずでは?
そんな心のささやきを無視されると同時に、ヒルデさんは
元来た窓から町へ降りて、どこかへ向かう。
「君の仲間たち、人から見えないんでしょ?」
え、はい。そうですね…
理由をご存じなんですか?
「そうだろうね。詳しい話はちょっと省くけど…
まぁ許可証っていうか、議長さんが持ってたものと
似たようなものがあれば認識されるになるよ。
それを貰いに行くんだ」
タダでもらえるものなんですか?
「うん。というかハーカもムートも一応身に着けてたよ?
あれは専用のやつで壊れないようにしてある特別製だけど」
そうなんだ…とりあえず安心した。
私はそのままヒルデさんに体を受け渡した状態で
移動を続けるのだった。
ヒルデさん
てめえら全員自重しろ
という感じでカチ切れた。全員顔なじみなので
大体こうすれば不意をつけるし無力化できるか
を知っている
リンドさん
まともだけど人助けと速度にだけは
誰にも文句を言われたくないし言わせない
ハーカ
火の竜王。ヒルデさんに殴られて
久しぶりの痛みにクッソ喜んでいた。
戦闘狂な以外は全部まとも
アサン
水の竜王。ナンパハーレムクソ男
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