決闘、センジョウさん
これが、一日間が空いたってこと…?
(久しぶりに明日の分の文章に手を付けられている)
センジョウさんとの決闘です。
ダンジョンへ一緒に潜ってから
今度決闘しようという話になって二週間ほど後、
全員の予定が合ったので決闘をすることになった。
気合十分といった感じのセンジョウさんがファイティングポーズ
をとって元気に言う。
「よぉし盛大にやるぞ!」
「「待って待って待って、
待ってくれませんかセンジョウさん!?」」
私は周りの観衆を見回しながら
そうアヤさんとともに悲鳴に近い声を上げる。
どういうことだ、なんなんだこの観客の数は?
別に私は広めていないのにこんな数はおかしいだろう、
アヤさんもこの焦り具合ということは、下手人が誰かなんて
分かり切っていることなのだ。
「…すまねえ、バレた」
「はぁ…そんなことだろうと思いましたが
にしちゃあ数が多くないですか?」
「あぁ…ギルドメンバー経由でバレちゃったんですね」
センジョウさんのギルドメンバーならこういうことをするだろう、
ここ数か月の付き合いでそう分かってきた。確かに数は多いが
結局のところ口コミでしか広がっていないだろうし大丈夫…
【アナウンス:観客が1000を超えました】
「…張り切りすぎでは?」
「いや張り切りすぎの域を超えてますよフジカさん!
あなたも!ギルメン制限とかかけてないんですか!?」
いや、さすがに1000以上は来ない…来ないはずだ。
と思っていたのだがものの数秒で似たようなアナウンスが流れ
2000人を突破したことを伝えられる。
「いや、俺も知らねえよ!設定得意な奴に聞いて
その設定をそのままやっただけなんだよ、設定項目が多すぎて
俺はよくわからん!!」
「いや覚えなさいよ!というかその辺の設定は変える部分
ちょっとだけですからそんなに苦労しないはずですよ!?」
「仕方ないですよ、もうこれでやるしか…
いや、いったんここを出て決闘の設定やり直しますか?」
「…そうですね、そうしましょうか」
満場一致で一旦この場を出て、
すごい怒られつつもセンジョウさんがアヤさんに教えてもらい
悪戦苦闘しつつも部屋を立て直して仕切り直す。
「ふぅ…これで大丈夫ですね」
【アナウンス:観客が100人を超えました】
「ひぇ…あ、大丈夫みたいですね。ちょっと増えたぐらいで
止まりました」
観客席のような場所に増えた人数を確認してから
そう話す。一瞬先ほどと似たような文字列に
ぎょっとしてしまったが、別に大したことはない数に
おさまったため、何とかなりそうだ…
「よっし、じゃあ始めるかあ!」
ルールはここにいる三人で1対1の決闘を
一人2回ずつ行い、そのほかのルールは
全員のレベルは固定である以外は通常通りである。
まずは私とセンジョウさん。
お互い近接系の技が潤沢なのでなかなか
いい勝負ができる…はずだ。
【第一回戦:センジョウ対フジカ】
【開始五秒前、待機中の方はラインの外へ移動してください】
壁のできるであろう位置に光る線が出てきて、
アヤさんはそれを見てからそそくさと移動する。
【2、1、0】
〈戦闘開始!〉
まずは小手調べと言わんばかりにセンジョウさんは
一歩目でとてつもない加速を見せつつ右手で一直線に殴り掛かる。
「【正拳突き】ぃ!」
「さっすがですねぇ…!【片翼断ち】ぃ!」
「【堅牢堅固】ォ!」
私は左手に向けて蹴りを加え、
体勢を崩して回避することを画策する。
しかし、センジョウさんは私の蹴りを受けても
倒れることはなくそのまま首元の少し下へセンジョウさんの
拳が当たる。
「やっぱり堅さイコール正義ィ!【疾封刃落】!」
「【時縛りの茨】ッ!流石にペースは渡しませんよ!」
足を狙っての手刀を横からの茨で割り込んで止め、
更に私は魔導伝承を発動させる。
「【魔導伝承:竜姫】ッ!!」
「アハッ!それを待ってたぜえぇぇぇ!!
【魔導伝承:華美】!」
「う、【剛翼堕とし】っ!」
やはり、やはりセンジョウさんは魔導伝承を持っていたようだ。
黒い霧を纏いその中から、私の胴体を掴んで放り投げられるが
スキルを使用して投げられた勢いを利用して
かかと落としを仕掛ける。
「げばッ…!へっ、反応がはええなぁ!?」
「流石に使われないとは思っていませんからね、
対処の方をメインに考えてただけです、よっと!」
私は牽制も含めてスキルを使うことなく地面を左手で殴り、発生した
風圧で変身の霧が晴れると同時にセンジョウさんは蹴りを加えてくる。
「【微睡みの茨】!」
「危ねっ!畜生、やっぱ近接以外にも
そういうの使えるのズル過ぎだろ!?」
「使えるんですからそれでいいじゃないですか!!」
「畜生、俺も使えたらやるだろうしそうだなおらぁ!!」
「よっ、卑怯ですよっ、話の途中に攻撃してくっ、る、なんて!」
「てめえも難なく対応して反撃してきてるくせにっ、
何言ってんだよぉ!!」
そこからスキルを使わない殴る蹴るの応酬が始まった。
魔導伝承は消耗がバカにならないため、消耗を回復する手段が
なければこのような事態になる場合がある…というのを
ライカさんと戦っている時に学んだ。
あの時は二人とも消耗を気にしなさすぎて
殴り合っている最中にMPが尽き、魔導伝承が解除されて
二人で数秒ポカーンとして、その後はただの殴り合いで
決着をつけることになったはいい思い出…いや、
改善するのにちょうどいい失敗だった。
そこから数十秒が経過して、一度距離を取って息を整える。
「はぁ…はぁ…」
「お互い、限界のようですね」
殴る蹴るの応酬でお互いのHPの残りは
大体4~3割程度に減った。
「けっ、何言ってんだ…てめえには殺意があるだろう?」
「どうして…いや。ブログですね?」
「あぁ、そうだな…今にその余裕な面引っぺがしてやるよ」
あのブログ自体簡単に見れるものだし、
スキル等の編成も公開されているのでセンジョウさんが
見ようと思えば簡単に見れるだろう。
「さぁ!まだまだ手を隠してんだろう、もっとペース上げてくぞ!」
「望むところです!」
力強く一歩を踏み出しながら、センジョウさんが
何をしてくるか、どうやったら負けないのかを考えつつ
拳を振り上げるのだった。
センジョウさんの魔導伝承
大体某運命のファントム、しかし顔を覆う
仮面はマスカレードマスクみたいな奴になっている。
性能の詳細は次回にお話しします
ブクマ、評価よろしくお願いします。
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