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アルバイト

今日で12月から続いていた毎日詫び更新は

終わりとなります。次の更新は来週火曜日となりますので

ご注意ください

非泳さん父のカフェでアルバイトするお話です。

「そういえば思ったのですが、

 永華さんってアルバイトとかされているのですか?」


ある日、様々な事情が重なって

まーさんとふーさんが用事でどこかへ行き、

私と非泳さんで一緒にご飯を食べている中でそんな質問をされる。


「あー…一応?してはいるけど、どうかしたの?」


別に隠すことではないし、そう答える。

非永さんは少し驚いたような声を出しながらも

質問に返答する。


「いえ、理由はよくわからないのですが…

 実家が喫茶店じゃないですか、うち」


「そうだったね。もしかして人手が必要?」


「あぁ、はい。なぜか最近人が増えまして…

 話を聞いてみてもなかなか理由が特定できず。

 単に人気が出てきたなら人を増やそう、とお父さんが」


単純に常連さんが広めたわけではなし、

新規の人に事情を聴いても話してはくれない。

単なる興味から入ってハマった等の発言は引き出せるが

それ以上は引き出せず、単純に新規のお客さんが増えていて

人手が足りなくなっている…とのことだ。


「なるほどねえ…うん、分かったよ。

 しばらく臨時でいいならアルバイトしに行くよ」


「大丈夫ですか?その、掛け持ちとかで大変になるのでは」


「大丈夫だよ。そもそも私のやってるアルバイト自体

 多少調整が効くし、お客さんが減ってきたら

 私が辞めれば万事解決でしょう?」


「…分かりました、とりあえず候補の一人として

 よろしくお願いします。私は他の知り合いにも

 声をかけてみようと思いますので」


そう言って非泳さんはどこかへ行ってしまう。

うーん…安請け合いしたもののこの手のバイトは

経験したことがないので何とも言えない…

というか今のアルバイト自体それほど忙しいものではないし

何とかなるだろう。


◆◆◆◆◆◆◆


その数日後、採用されてキッチンを任されている。

私が調理している最中、カウンター席の場所から

ふーさんの声が聞こえてくる。


「で、この状況になったと」


「何故でしょうね…皆さんお二人がやると聞いた瞬間

 気が引けたように去ってしまって」


何やら私とまーさんが名乗り出たことを話すと

誘った人たち全員が辞退したらしい、何かあるのだろうか。

また化け物扱いだろうか、別に学校生活では

何もしていないはずだが…?


「妙なお節介だなぁ…?」


「まーさんには何か心当たりがあるの?」


「いえ別に。何ででしょうねー」


何か知っていそうなまーさんはそう言ってごまかす。

気になるが、まーさんが隠すという事は私にも

不都合な事実という事だろうし…追及しない方がいいだろう。


「あ、話しかけちゃってごめんね?

 作業に集中して聞き流してもらっていいから」


「大丈夫、気分を紛らわすのにいいから

 もっと喋ってもらって構わないよ」


ふーさんの話通り、店内にいる人はそこそこ多いので

この数を見ると確かに人手不足に感じるかもしれない。


「わぁ、藤野さん凄いねえ!おじさんそれ苦手なんだけど

 凄いスピードだよ!」


「ありがとうございます!ですが店長さん、

 コーヒーの方が滞っているようなのでそちらに集中してください!」


「あ、ごめんね!ぱっぱとやれない作業だから

 どうも他の人が気になっちゃって…」


…まあ、確かにコーヒーのドリップ等々の工程は効率的に

しっかりと行われており文句は言えない。


…というか、見た感じ本当に色々な人がいるなぁ。


うちの学校の生徒もいれば社会人らしき人、それに

なんだかおじいちゃんと言っていいような年齢の人もいる。

この人たちを見てもここに来る層がよくわからないし

どういう理由うか聞いても分からないというのだから

私ごときが愚考しても理由がわかるものではないのだろう。


私はそこで思考を断ち切り、注文に従って

黙々と調理を進めていった。



そして数時間後、閉店時間になって最後のお客さんが

帰っていったのを見送ってアルバイトは終了になった。


「二人ともお疲れ様!頑張ってくれてありがとね、

 しばらくの間よろしく頼むよ!」


そう言って店長さんは私とまーさんに握手を交わすと、

お店を閉める前の最終確認を始める。


「お疲れ様ですお二人とも。初めてなのに凄くテキパキ

 作業されていてすごかったですね…!」


「いやぁ、私は普段からしてることをするだけだからねえ…

 まーさんの方が凄いと思うよ、あんなにたくさんの人の

 注文とか雑談とかを一気に引き受けてたんだから」


混雑時には凄い量の注文をさばきながら世間話をしていて

本当にすごかった。かなり聞き取りにくい声もしっかり聞き取り

注文を取りながらも時折お客さんの話に返答する。


見ていて本当にすごいと思っていたのだが…

まーさんにとってはそうでもなかったらしい、

謙遜するような口調で私たちに言う。


「いえいえ。僕も非泳さんがいなければかなり辛かったですし…

 お三方に比べたらまだまだですよ」


「いえいえ。会ちょ、奥間さんもとても助かっていましたよ。

 一人で回すよりかは単純にやりやすかったですし、

 今後もしばらくの間よろしくお願いしますね?」


そう言って非泳さんは店の出入り口を出て帰ってしまう。

その場には私とまーさん、そして最終確認をしている店長さん

だけが残っていた。


「じゃあ帰りますか」


「そうだね、帰ろっか」


私とまーさんは非泳さんの出て言った方向と同じ扉で

外に出る。すると先に出て行って今日はもう会わない

だろうと思っていた非泳さんがこちらへ向かって走ってくるのを目にする。


「ど、どうしたんですか非泳さん?」


「はぁ…はぁ…最後に、聞き忘れたことがあったので」


「聞き忘れたこと?」


なんだろうか、別にミスはしていなかったはずだが…


「永華さんって、何のアルバイトしてらっしゃるんですか?」


「あぁ…そう言えば話してなかったですね」


あの後も結局話す機会はなかったし、

別に隠すことではないが聞かれないのであればと放置していた。


「近所の図書館の司書のアルバイトですよ、

 なかなか楽しいですよ?子供の探してる絵本とか探したり…

 時間調整もそこそこ聞きますしね」


なんだか最近アルバイトの回数をそこそこ増やしていたので

「シフト減らしてもらっても構わないんだよ?」と言われていたので

今回の一件は丁度良かった。


「そうなんですね…気になっていたのですが聞けて良かったです。

 聞こう聞こうと思っていても頭から抜けてしまい…

 答えていただいてありがとうございます、それでは今度こそ

 お疲れさまでした!」


そう言って非泳さんは再び走り出すのを見送ると、

私とまーさんも同じように帰りの道を歩き始めるのだった。

何で人増えてるかはまた別のお話です。


Qバイト代の使い道って何?

一時期のお菓子作り代とか遊びに行くお金とかに

一部を当てて大体貯金、趣味が少ないのでそこまで

勢いよく消費しない…姉に関する事ならば秒で解けるという

前提はあるものの。


ブクマ、評価よろしくお願いします。

誤字脱字あれば報告お願いします。

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