助っ人と頂上の蛇
前回の続きです。
日刊ランキング22位になっていました。
記憶が正しければ過去最高順位です、喜びのあまり
下手な文章が書けません。皆様非常にありがとうございます…!
これからも本作をよろしくお願いします。
「ひゃっほう!大量ですよ大量!」
私はウキウキでトカゲの足を砕き潰していた。
中腹に無事到着して狩り始めたこの岩トカゲ、
もといマテリアルトカゲの足は鉱石でできており
どうやって動かしているかは謎だが
まあ砕きやすい。それでいて関係ない部分なので遠慮なくつぶせるし
なんだか楽しくなってきた。
「ご主人様!さすがにペースが速いですよ、止まりましょうよ!」
「へへへ…ファル、ファルも一緒に手足つぶそうよ。
軽くつぶせるから癖になるよ…?」
「ご主人…さすがにそれは危ない感じだと思うよ?
さすがに止まろ?」
「えぇ…ミソラがそういうならダメか」
「私の発言には説得力ないんですか!?」
ファルよりかはミソラの方が常識的なのでミソラに注意されたら
終わりである。やりすぎを自覚して止まらざるを得ない…
「ないでしょ、私とミソラの方が落ち着いてるもん。
ファルはご主人に絶対従うタイプだから大丈夫かなと思っても
ご主人が強くいったら断らないでしょ?」
「え、はい。それは当然ですが…」
「それはどうかと思うぜファルちゃん…
あんたのご主人さまは暴走しがちなんだから
手綱を相手に渡しちゃダメだぜ?自分がダメだと思ったら
ダメってはっきり言わねえと」
「そんなに暴走してますか…?」
最近はそんなに暴走してない…
いや、そう思いたいだけかもしれないが
自制している方だとは思うのだが。
「俺が見てる部分だけだと感情任せの行動が目立つんだが…」
「うっ…確かにそうですね、申し訳ないです」
暴走はせずとも他人から見たら
感情任せの行動が目立つのは本当にそうなので反省する。
確かのその解釈ならば暴走は無限に起こしているので
全然否定はできないのである。
「そういえば素材は結構とれたとは思いますが、
何個必要なんですか?」
「大体100個くらいかねえ…今んとこ何個集まってる感じだい?」
「んーと、今確認しますね…とりあえず…44個ですね」
見つけるたびに砕いてはいたもののそこまで数がおらず、
群れるタイプの敵ではないので探すのに時間がかかっている。
「そうかぁ…グーフィーたちも一応呼んだんだが、
しばらくかかるらしくてな。とりあえず増援が来るまで
休憩しねえか?あんたも疲れたろう、俺も疲れたから休もうぜ」
「うーん…確かに闇雲に探しても見つからないですし
ミソラたちも疲れてきてますしお休みしましょうか」
そう言って私たちは適当な岩場の影で休み始めた。
みんなの体力とMPを回復して、トカゲがいた場所を
ここから見える範囲で監視する。
復活してきたトカゲを射殺さんばかりに見つめながらも
さすがに体力の消耗が激しかったので体を全力で休める。
「お、いたいた!助太刀に来たぜ!」
「あ、グーフィーさん!…とライカさんにテットウさん、
それにグヴァンさんまで?」
「そりゃあロボは男の夢、手を貸さねえわけがない!
というか乗りてえ!下心で私はここに来た!」
「右に同じく!というか話を聞けば余剰の素材も
うめえらしいじゃねえか!乗らない手は無え!」
「おうとも!最初召喚獣の中に入って
ロボになるって動画が流行って一度ならず二度までも
騙された経験があるが俺はやるぜ!」
「テンション高いんだがどうしたんだ?
テットウからいい鉱石素材が手に入るって聞いてきたんだが…」
「ああライカさん…この状況で冷静な人が
いることが凄い嬉しいです」
ある意味正気な人間が三人…三人?
あれ、アルジェン君はそう言えばどこ行ったんだろう?
山のふもとで進み始めたときはいたはずなのだが…
見ている可能性があるライカさんに見ていないか聞いてみる。
「すみませんライカさん
、アルジェン君見ませんでした?
一緒に来たはずなんですが」
「いや、見てねえな…多分お前らより先に進んじまった
とかじゃねえ?ここに留まるのに気付かないで山頂まで
進んで行っちまったとか」
「…あり得ますね」
何かそれが正解な気がしてきた。
もしかしたらボス相手に苦戦しているかもしれないし
助けに行こうか…?
「冷静な私たちで助けに行きますか?」
「いや、むしろ冷静じゃない連中もつれてくべきだろ。
多分正気じゃないからすぐ死ぬ可能性あるんじゃねえか?」
「あー…そうですね。
縛り付けてでもアルジェン君を探しに行きますか」
そう言う事で私とライカさんとロルルアさんで
他三人を縛り付けて山頂への道を急いだ。
「ようやく来たかぁ!!早く手を貸してくれ!!」
「アルジェン君!話聞いてから進んでください!!」
本当に山頂にいた。戦っているのは恐らくボスの
岩とか鉱石を纏った凄い蛇である。
メタルキャリアスネーク Lv80 HP□□□□□■■■■
しかしここまでのアルジェン君との戦闘で
そこそこのダメージを負っており…まぁアルジェン君も
ダメージを受けているので速攻で決めるべきと私は
最大火力で殴り掛かる。
「【オーバーロードチャージ】、【狂迅苛烈】、【凶速稼働】…
【竜威之拳】!!」
とりあえず頭を狙って最大の一撃を叩き込むと、
残り半分のHPを削り切ることに成功しリザルトが表示される。
素材は…まぁ良質な鉱石類である、必要な素材ではないが…
「どうして一緒に来てなかったんだよ!?」
「なんで先に進んじゃってるんですか!?
私たちはトカゲを倒しに来たんですよ、ボスは倒しに来てませんよ!!」
「ならどうして止めてくれなかったんだよ!」
「いつの間にかいなくなってたんですから気付かなったんですよ!」
『流石に目に余るぞ貴様』
そんなやり取りをしていると上からニールさんが飛んできた。
どうやら怒っているようで、アルジェン君の首根っこを掴んで
こちらの目を見て発言する。
「こやつが我の授業を逃げ続けるのはまだいいが
逃げ続けて人に迷惑をかけるようでは問題だ。
こいつは連れていく、いいな?ここは別に新しく来た場所ではないしな」
「あ、はい。よろしくお願いします」
「売ったなフジカ!!」
「逃げてる方が悪いですよ、ちゃんと勉強しましょう」
「嫌だ―!!」
そんな言葉を最後にニールさんと共に大空へ駆けあがっていく
アルジェン君を見上げながら、冷静になった三人と私たちは
トカゲ狩りに戻るのだった。
ニールさん
「ここがこうでだな(非常に分かりやすく足し算引き算を教えている)」
アルジェン君(パラムちゃん」
「うぐぐ動けねえ…!
(刻まれた術を利用して逃げられないようにされている)」
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