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閑話:ハイガラス組と秘密の地下迷宮①

閑話、ある意味前回の続きです。

ハイガラス組の二人が出てきます

私はヒルデさんの案内に従ってフィールドを進んでいく。

ファングァの森を抜け、沼地を通過し、荒野を駆け抜けて

さらに進んでいくと、そこには霧の立ち込める墓地があった。


「ここで鍵を探して。その辺の敵を倒せば落とすから

 あそこのでっかいお墓の下あたりを探すと地下迷宮の扉を

 見つけられると思うから鍵を使って入ってね、

 それじゃ私の案内はここでおしまい」


「はい、ありがとうございます!」


そう言うと案内してくれていたヒルデさんの声は消え、

カギを見つけだすため狩りを始めた。



それから一時間後。


「出てきたぁ!みんなー終わりだよー!」


ようやくカギを一つ手に入れてそう叫び、

私は鍵を探してもらっていたアオイちゃんと狩人さんに

レントリリーさん、フランベルさんに戻ってきてもらう。


「(ようやくおわったか主人)」


「うん、これであの像に行って扉を見つければ

 ダンジョンには入れるはずだよ」


そういうとみんなは疲れたように座り込んで休憩し始める。

1時間程度ではあったが、やはりみんなのレベル的に

ここの敵との闘いは気を遣うらしい。アオイちゃんはなんだか

すごいぴょんぴょん跳ね回っていて、元気だが…


「ようやくね…ご主人は何が目当てでここに来たの?」


「武器と防具の素材集め!アルルちゃんと戦うために

 ヒルデさんから教えてもらったんだ~」


そういうと、みんながあぁ…という表情を浮かべる。


「ここ結構敵強かったけど…まぁ、ご主人なら何とかなるか」


「(我々も格がそろそろ上がりそうだしな。

  そろそろ声が出せるようになりたいものだ)」


そうフランベルさんが文字を出すと、カルシュナさんと

レントリリーさんが目に見えて笑顔になり、

フランベルさんを祝福する。


「え、フランベルさんそろそろ格上げできるんですか!

 おめでとうございます、私もそろそろですが…

 ええ、たしかに私もフランベルさんとは

 しっかりとお話ししたいと思っていましたし、その願いは

 凄くかなってほしいです」


「それはとても喜ばしいですね!私も早く格上げしたいですが、

 やはり魔法だとどうしても息切れが早く…」


そう落ち込むように言うレントリリーさん。

何か魔法使い用の経験値を稼ぐいい方法があればいいのだが…

その辺も聞いてみるべきなのだろうか?しかし

そう言った武器を持ってもらったとしても効率が良くなるかと言われれば

違うだろうし…と、そんなことを考えていると

フランベルさんがレントリリーさんを励ましていた。


「(どうしても直接戦闘するよりかは早く

 魔法使いは消耗してしまうからな…その点はどうしようもない、

 私が格を上げた後にはなると思うが手伝おうか?)」


「…いえ、大丈夫です。恐らくですが私も

 もう少し頑張ればなんとかなると思います!」


そう言って気合を入れて立ち上がるレントリリーさん。

それに狩人さんが柔らかい笑みを浮かべながら立ち上がり、

肩をポンポンと叩きながら言う。


「まぁ、どちらにせよここにいるみんなが

 格上げに近いんです。アオイさんもどうやら近いようですし…

 皆さん頑張りましょう!」


「「「おー!(おー!)」」」


そう言って、みんなといつもの三人を呼び出して

この墓地の中でもひときわ大きなお墓の元へ向かう。


すると…


「おん?おぉ、フジカさんじゃねえか!どうしたんだ?」


「おや、本当ですね?こちらの墓地はエネミーの見た目が原因で

 不人気なフィールドだと思っていましたが…

 何か狙っている素材があるんでしょうか?」


アヤさんとセンジョウさんの二人とギルドメンバーの方と思われる

方々が二人ずつその場にいて、二人に挨拶を返しながら

私は事情を説明することにする。


「あ、こんばんわセンジョウさん、アヤさん!

 ちょっと装備の素材を集めに来てました」


「へぇ、ここの素材を使った装備ねぇ。地下迷宮の奴かい?」


「え、ご存じなんですか?」


鍵集めのために倒していたモンスターから考えて、

二人も同じ目的なのではと思ったが、やはりそうだったか。

私は頷きながら肯定すると、お二人に聞く。


「そうですね、鍵をさっき見つけて開けに来ました。

 お二人も一緒に行きますか?」


「おぉ、ちょうどいいな!俺たちも一人一つずつ集めて

 カチ合わせたとこだったんだ。一緒にどうだい?」


「私はいいですが…人数制限もありますし、

 そうなると他の方々があぶれてしまうのでは?

 そもそもフジカさんを含めるとしても均等に分けられなくなりますし…

 そういうのはどうなのでしょうか」


センジョウさんが私を誘うと、アヤさんが冷静にそう返答する。

確かに他の方々が先に約束していたのなら私一人で入った方が

いい気がするのだが…そう思い、他の四人の方々を見る。


「おぉ、センジョウの姉御が笑ってる…!」

「俺たちもお供する予定だったがあの笑顔には変えられねえな…

 俺はお供を辞退するぜ」


センジョウさんのギルドの二人のうち一人は感涙の涙を流し、

一人は何かをかみしめるように辞退を宣言する


「俺たちはどうするよ?別に外れてもいいんだが」

「いや、逆にあまりもん四人衆で組むのはどうだ?

 yenジョイのお二人、俺たちと組むかい?俺はどっちでもいいんだが」


アヤさんのギルドの方々は冷静に見えるが

しかしほぼ大前提として自分たちをメンバーから外すという話を

冷静にしていて、センジョウさんのギルドメンバー二人と

組まないかと提案している。


それを見たセンジョウさんはウキウキでこちらへ

話を通そうと、アヤさんに押し進め始める。


「ほら、あいつらは良い感じに話を

 まとめてくれてるみてえだぜ?アヤさんはどうするよ」


「…あなたが、ここのボスとの戦いが終わった後に、

 フジカさんに、戦いを、挑まないと約束できるのならば、

 私は一緒にやりましょう、約束できますね…?」


そう凄い剣幕で言うアヤさん。

何かあれから厄介ごとがあったという事だろうか…?

それに対してセンジョウさんはいたずらがバレた子供のように

笑い、アヤさんに返答する。


「…ちぇー、バレてたか。でもわかったぜ、

 その条件なら飲んでもいい!代わりにフジカさん、

 今度日程決めて三人で決闘やろうぜ!」


否定する理由もないので、私は頷きつつ

決闘の約束に関して話す。


「そういう事なら大丈夫です。決闘に関しては…

 本当に日程によりますね、日程次第ではお受けします」


「っしゃあ!アヤさんも大丈夫だよな?

 多分大丈夫だよな!?」


センジョウさんの押しに負けてかアヤさんも参加を認めてくれた。

ありがたい…どうやらこの場所についてある程度知っているようだし

ある程度助けてもらえるかなとも期待する。


それと同時に決闘について考えるが…これについても別にいいだろう、

嫌いではないしアルルちゃんとはまた違った戦いになるかも

しれないと思うとなかなか楽しみである。


「…分かりましたよ、決闘お受けします。

 で、も!本当に戦闘狂を押し付けるのは勘弁してほしいですね!

 私の方にもなんだか流れ弾が飛んでくるんですよそれ!」


「わかったわかった。今度何とかしとくから、よろしく頼むぜ!」


センジョウさんはウキウキでそう言うと、

地面を指さして私たちに言う。


「んじゃ、行きますか!ハイガラス組で地下迷宮探索!」


その宣言とともに全員が動き出し、私が鍵を使って

地下迷宮へ挑むための道に足を進めるのだった。

格上げ

要するにNPC間の進化を意味する言葉。

成長とか他の言葉で説明されるときもあるし

そのまま進化と呼ばれることもあるが、人型の言葉を介する

召喚獣などは格上げと呼称する場合が多い


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