閑話:アルジェン君とパラムちゃん
アルジェン君の普段のお話。
追記:保存ミスで半分くらい消えてた…
なんとか修正しました、申し訳ありません
俺はアルジェン。
両親が災害に巻き込まれて死に、
叔父であるコンジキさんの元でお世話になっている中
竜主の一人であるスイウォートに村のみんなと
友達のパラムを奪われ復讐を誓い、長年の修行の後
なんやかんやあってスイウォートの奴をぶっ飛ばして
パラムもなんやかんやで戻ってきた…が。
「今日はどう過ごそうかねえ…」
パラムが変則的ではあるが蘇らせ、俺の傷を癒した
黒の竜王に莫大な借りを作ることとなり
その対価としてスイウォートとの戦いに協力してくれたフジカと
契約を結ばされそうになったが。
フジカ本人の強気な拒絶に加えて代わりの案として
「以前行ったことあり、安全の確保された場所以外に
行く場合は初回に絶対に連れていく」
という条件付きで俺は一応の自由を手に入れた。
「うーむ、薬草取りに行くのもいいが…
グヴァンとグーフィーについて行って
鉱石を取りに行くのも捨てがたい」
一月経って色々心の整理がついてきた。
パラムはあの頃から成長していない…まあ蘇ったばかりだし
なおかつ知識や実力を身に着けることが出来ていないというのもあるが
あの頃の生活が少しでも戻ってきたことに喜びを感じつつ
フジカの仲間たちを手伝いながらこの世界の知識を得ている。
『ねーねー、今日は外に出してくれないのー?』
(まだ駄目だって言ってるだろ?)
内心でそう呟き返答する。
パラムは普段俺の中で魂の状態で漂っており
俺か竜王様の命令によって体の主導権を取り戻すことが出来る。
わんぱくな彼女は毎日このように聞いてくるが
俺の鍛えた力=彼女の力となるため、生前のような勢いで
動かれると非常に厄介なことになり…
軽はずみに外へ出すわけにはいかないのだ。
「おぉ、アルジェンさんいるな。予定開いてるかい?」
「ロルルアか。今のところはないな…何の用だ?」
「こいつをパラムちゃんにだな。
入れ替わった時にでも使ってくれ」
そう言って手渡される衣服は俺の着ている服とそっくりで
ぱっと見お揃いの服だが…相当いい素材が使われているようで
俺の着ている服には及ばないものの相当な力が籠っているのを感じる。
「ロルルア、本当にいいのか?相当上質のように見えるが…」
「いいんだ。むしろパラムちゃんが心配になって
お節介で作っちまったもんだしな…受け取ってくれよ、お代はいらん」
「…そうか。ただ、俺は貸し借りが嫌いだ。
欲しいものかしてほしい事を言ってくれ、出来る範囲内でやるぞ」
「ああ、なら今度ジュウソウ坑道で
こういうのとこういうのを集めてきてくれるか?」
そう言ってロルルアは俺に二種類の鉱石を見せてくる。
長年修行に明け暮れていた上、村での生活に鉱石なんぞ必要なかったので
鉱石の名前なんぞ憶えられていないのが申し訳ないが
実物として見せてくれるのはありがたい。
「分かった。今度体動かすついでにぼちぼちとってくるぜ」
「頼んだ。少なくてもいいからな?
単にあったら助かるってだけだしな」
そうは言っているが、
こちらも恩返しのために頑張ろうと決意する。
大量の鉱石をもって帰って来てやろう、そう思っていたが…
(アルくんアルくん!私にくれるんだったら着てみていいですかね!
目の前のろるるあさん?にもお礼言いたいです!)
そう内心の彼女が話しかけてくる。
確かにお礼を言うのは大事だし、サイズ確認も大事だろうと
俺は少しだけ力を行使してパラムを外に出す。
「おじさんありがとうございます!
着てみていいですかね?着替えますね!」
「おいおいおいおい!!俺は一旦部屋の外に出るから待ってくれよ!」
そういっていそいそと部屋の外に出て耳を塞いだらしい
ロルルアに伝わるはずのない感謝を叫びながら、
俺はパラムに叱るように言いつける。
(あーっ!!お前!いつも言ってるだろ羞恥心と警戒心を持てって!
知ってる人でも男の前で肌晒すなド変態か!?)
「変態っていう方が変態ですー!それを言ったら
アルくんだってに初めて会った時水浴びしてた
私の裸見たじゃないですかー!」
この話題になるたびに言う事じゃねえし
その事実を大声で叫ばないで欲しい…!
そう思いながらも何とかなだめようと心を尽くす。
(お前はかわいいんだからいい人でも
怖いことをされかねないの!だから着替えるときは
男が周りにいない時にやってくれよ!!)
そう言うと、突然脱ぐ手を止めて震えだすパラム。
止まるのはもうちょっと前でやってほしかったな…
と思いながらも、俺は交渉の余地ありと話し始める。
(だからな、俺だってお前が心配で…)
「もういっかい」
(はい?)
「もういっかいほめてください、
そしたらいうことききます」
唐突に挟まれる要求に驚きながらも
俺は対価につられて要求に答える。
(初めて会った時から思ってたけどよ、
お前の髪ってきれいだよな)
「うにゅ」
(サラサラで、角もスイウォートの奴らより真っすぐできれいだ)
「ひゃ」
(肌もつるつるで目もきれいな青色で…)
「も、もういいです。じゅうぶんです」
(お前は笑顔も可愛いよな)
「十分です!!もうやめてください!!」
急にそう叫び、服を完全に脱ぎ散らかして着替えると
「ろるるあさん!おわりました!!」と荒々しく叫ぶ。
「おぉ…パラムちゃん、俺とか男がいるときは
アルジェンのいう事を聞いてくれよ…?
あ、服似合ってるな。サイズもあってるようだしなによりだ」
(本当に切実にそう思ってるよ)
「むぅ…!ろるるあさんもアルくんも黙ってください!
特にアルくん!アルくんは女心というやつを学んでください!」
(なんでぇ!?)
俺は言われたとおりに普段思っていたことを言っただけなのに
怒鳴られている。理不尽だ…!
「…あー、アルジェン。対してわかってない俺が言うのもなんだが
今回はパラムちゃんの言うとおりだと思うぜ」
ロルルアさんはその言葉を最後に部屋の外に出てどこかへ行く。
その後、機嫌を損ねたパラムに体を自由に動かされた。
しばらくそのままだったが各所に迷惑をかけてしまった…
今度お詫びをしに行こうと決意しながら俺は遠い目をしながら
自分の浅慮を後悔するのだった。
ほのかに想いを寄せるイケメンが成長して
こんな言葉を吐いてくると考えたら相当なたらしムーブ
ブクマ、評価よろしくお願いします。
誤字脱字あれば報告お願いします。




