ミソラとマシェルさん①
かーっ!てめえ最大級のミスをしやがったな!!!
【174話のフィムさんの夢のタイトル(正:マシェルさんの夢)
と内容の一部を修正しました。眠気が限界でフィムさんと
マシェルさんがごっちゃになっていた模様】
クリスマス前に書いていた
藤川さんと不破さん回の続きのようなものです、
初手悪ふざけから始まっていますがよろしくお願いします。
今日は藤川さんと不破さんが家に来る日である。
私は駅へ迎えに行き、二人を連れて家に戻ってきて
家の玄関を開けて家の中に入ったのだが…
「連載作品を二作犠牲にして召喚!
今!私の銀河で、一つの超新星が大爆発!」
突然そんなことを不破さんが言い出す。
ついでに右手でチョキの指をくっつけて
掲げているあれは何の意味があるのか?
「…どうしたんですか不破さん」
「やめろと言われてももう遅い!
やめろと言われてももう遅い!」
「なんだか小さく何かが聞こえてくるんですが
本当にどうしたんですか!?」
具体的にはお仕事の話が。
焦りつつも不破さんは右手の人差し指を前に掲げて振り、
続けて左手をパーにして前に掲げて叫ぶ。
「さぁ出てこい、藤野家のミソラちゃん!」
その声を聴いていたのか、
ぴったりのタイミングで私の部屋から出てくるミソラ。
「はいはーい呼ばれて飛び出てミソラだよー」
「キャー!!ホントにいるぅー!現実マジサイコー☆」
その姿に不破さんのテンションは最大値に達したのか、
見た目と普段のキャラにも全くそぐわない妙なキャラが生まれる。
「キャラ変わってませんか不破さん!!??!?」
我が家に来てからの不破さんの反応がおかしい。
後ろにいる藤川さんすらも気配がかすんで…
「………」
「藤川さん!?ま、まさか…!?」
「にぱー…」
「姉の匂いを摂取しすぎて頭がパーに…!?」
口角どころかどこか目もうつろで、足元もおぼついていない。
早く二人を何とかしないと…!?
◆◆◆◆◆◆◆
「ごめんなさい…テンションが、テンションが上がってて。
この前の話だけだと心の中で疑ってしまう自分がいた」
「ふへへへへ…せんせーのにおいがすごーい」
あれから不破さんは二分ほどで正気に戻ったものの
藤川さんの症状がかなり重く、現在リビングのソファで横になっている。
「大丈夫です…藤川さんが正気に戻るまであと数分は
かかりそうですがお茶とかいりますか?一応紅茶と緑茶と
コーヒーはありますが」
流石にあんなに喋っていたし
ちょっと口を湿らせるものを用意しようと質問すると、
マシェルさんは頷きながら言う。
「もらう…緑茶で渋いのある?」
「飛びっきりの、自分でも気付け代わりに使うようなものがあります」
一時期チエちゃんへ使う用のスプレーの効果が
自分の生活に影響を及ぼし始めたので、色々がんばって加工して
口の中にしばらく仕込んだりして使っていたもので
効果はお墨付き、うまく淹れればかなりおいしいのだが…
不破さんは嫌そうな顔をして言う。
「…それはちょっと。普通のよりちょっと渋いのは?」
「…うーん、普通のか渋くない奴か今言った渋いしかないですね」
「渋いのばっかりだね」
私もそう思う。今度来客用に
もうちょっとちょうどいいものを用意しておくべきだろうか…?
しかし、現状買いに行っていない理由が一応あるのだ。
「料理にも使ったりするので…」
「…なるほど。じゃあ、普通の奴で」
なんだか食材の臭みを消すときとか隠し味として追加する時には
割と便利なのもあって定期的に一番渋いのを買ってしまう。
「分かりました、取ってきますね」
私は不破さんの要望に応え、
普通のお茶っ葉を取ってきて緑茶を淹れる。
「さいっこぉ~………はっ」
「藤川さん、ようやく気が付きましたか」
お茶の匂いで姉の匂いが弱まったのか
正気を取り戻す藤川さんは即座に現状を把握したようで、
こちらを向いて申し訳なさそうな表情を浮かべる。
「…失礼しました。ご迷惑を」
「大丈夫です、私も姉が帰ってきたときは数日ああなってました」
至近距離で嗅いだときは数日夢心地だったのだ、
それを初めて大量摂取したのだから藤川さんの反応は当然と言える。
「二人とも…体大丈夫?」
「「むしろ幸福成分ドバドバで健康そのものですが」」
「いきぴったりだ、びっくりした」
不破さんの話にそう答える。本当に
あの帰ってきてすぐの一回を除いて体調不良はない…
いや、チエちゃんの来訪後の一週間と少しも含めるが
それ以外ないどころか以前にもまして健康な感じがする。
「そう言えばごしゅ、永華―」
そんな中、一旦不破さんを落ち着けるために移動してもらった
ミソラがリビングに入ってくる。最近こっちだとご主人様と
言われるのはちょっとどうなんだという話になり、
せめて私と姉以外の人間がいるときはご主人様呼びは
辞めてほしいという話をいつもの三人をして、
今実行してもらっている。
「どうしたのミソラ―?」
「二人とも今日はいつまでいる感じなのー?」
「うーん…実はね、お泊りの予定というか」
「へ?」
そう、今日二人はここに泊っていくのだ。
藤川さんは明日の仕事の場所が近かった上
ちょうど休みが取れたのが今日だったため、
不破さんは無理矢理予定を合わせてこちらへ来て
多少の作業をできる用意と諸々をもってここに来た。
「え、じゃあ今日と明日は…」
「呼び方を変えるのを続行していただけると嬉しいです…」
「ごしゅ、ふじッ…永華!それは聞いてないよ!?」
「大丈夫。いいよ、私は今日で帰るよ…」
拝むように手のひらを合わせ上を向いてそう言う不破さんに対して
いきなりの帰宅宣言に驚き、私は言う。
「え、いえいえ!大丈夫ですよ、帰らなくても!」
「私の体、持つかな…」
不破さんは少し怯えるような声でそう言いながら、
体の震えを抑えている。当然大丈夫だ、
間違いなく大丈夫であるという生き証人が
目の前に二人いるのだから…!
「大丈夫ですよ!日常的にああいう感じの私も
藤川さんも大丈夫なんですから不破さんも…!」
「そっか…わかった。大丈夫、不安になっちゃっただけだから」
そう言って、一気にお茶を飲み干す不破さん。
こうして不安な始まりとはなったが、不破さんと藤川さんとの
お泊り会が始まりを告げるのだった。
担当さん「貴方仕事は!?」
マシェルさん「ある程度は持っていく、
アシスタントさんにこれ渡しておいて」
担当さん「…あーもう!〇日までには終わらせてくださいよ!」
マシェルさん「当然!(できるかはちょっと不安になりながら外出する)」
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