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示せ、導きの歌とともに⑧

結晶回想回…とか言っておいてなんですが

なんかバトル始まりました


そしてご報告なのですが

今日久しぶりにブクマとPVを確認したら

ブックマーク数700、PV60万突破していました。


ここまで本作を読んでいただけるとは

書き始めたときは思いもしませんでした。

本当にありがとうございます、

今後も本作を読み続けていただけると嬉しいです。

記録で話す彼、もとい水竜主のスイウォートさんはとてもうれしそうだった。

出会いは水辺に仲間のために訪れた時だったとか、

彼女に初めて送ったプレゼントだとか…

そんな惚気を聞いていて思った。


これは本当に見るべきものか?(時間稼ぎではないか)

私があれに触れようという判断(何らかの能力を)は本当に私が出した(使われたのではない)()か?()

呆れを通り越して冷静に考えることができた頭を

フル回転して答えを探し、導き出す。


「それで、彼女はこっちの方がいいって言ってたんだけど

 あいにくそっちの空きがなくてねー」


「あなたは、いえ」


疑念ではなく、確信をもって

通じると信じ切って私は口を開く。


「でさー、どうしてもっていうから数時間粘ったんだけど

 大人気でどうにも―――」


「私に呪いをかけたのはあなたですね?」


一瞬、記録の中の彼の顔にほんの一瞬だけノイズがかかるが

私はそのまま続けて話を始める。


「どうにか希望のお店でご飯を食べられたんだけど

 彼女はさ、とっても恥ずかしがり屋さんでね」


「それは真実ですか?」


それは微かな違和感だった、

話を聞き始めてからようやく気付けるような違和感。


「僕がご飯を食べさせてあげようとしても、

 なかなか食べてくれないんだ」


「彼女とやらは本当にあなたを愛していたのでしょうか」


彼の話す内容はいたって普通のカップルに見える。

だが私にはわかる、以前の兄や…部分的に、ほんのちょっと、

塩一つまみ程度ではあるがせすさんから感じた

相手のことを考える(想う)だけで、相手のこと(相手の感情)を考えていない

独りよがりな愛の雰囲気。


彼の姿に更にノイズがかかり

先程のように顔ではなく、足元が完全にノイズで覆われる。


「ハハ。君、面白いこと言うね?」


意識があることを最早隠す気はないようだ、

あの箱の中身に入っていたのはルーグライスさんの

探していたもので間違いはない。


しかし、歌は歌でも彼女の恨み言(助けを求める声)であり

この目の前のスイウォートなる男はそれが許せなかったのだろう。

恐らく何らかの形で内容を上書き、ないし見れないように

細工をしている。それが効力を持っている間に仲間に(子孫の竜)

これを破壊するように頼んでいたのだろう。


破壊する気がないのなら、万が一でも箱が破壊されることがないように

村への被害を最小限にとどめるはずであるが

それが考慮されていないことを鑑みるに間違いなく破壊を

主目的としている。


目の前の男は恐らくすでに死んでいる、だが彼の恨みは

形となり私の触れた結晶に宿って呪いを振りまき…

その呪いをもって竜と虎獣人たちの争いを助長し激化させたのだと推測される。


「私は目で見たものを信じます、彼ら(コンジキさんたち)に悪い点はない」


「旅人の君に隠していたのかもしれないよ?

 それか、あの記録自体が何か間違っていたのかも」


「苦しい言い訳です、あんな空間を維持した上でこんな時間稼ぎの空間に

 私の意識を引き込んでおいてそんな話が通るわけがありません」


そもそも記録というならこの空間で

会話が出来ていること自体がおかしい、ヒルデさんのときも

こちらからのアクションは一切無視されていたのだから。


つまりここは記録を見るための場所ではなく意識を隔離する場所であり

その策にまんまと乗っかってしまったのが私である。


「…君はとても大きな勘違いをしている、

 ああ。本当に大きな勘違いだ…僕が彼女を愛しているのなら

 彼女も当然僕を愛しているさ、だって僕は竜だからね」


全身にノイズが走り、ついに黒いノイズの塊になる。


「呪いの元凶が何を言っているのでしょうか?

 竜だから好かれるとは限りませんよ。強い人には

 人望と栄光はついてきますが…欲しいもの、

 望むものが全部手に入るなんてことは幻想です」


「言葉には気を付けるべきだよニンゲン、君が相対しているのは

 竜、生まれから優れた竜という存在の中でも上位の竜主だ」


「あなたからはもうそんな威厳は一切感じません。

 あなたはただほしい玩具が手に入らなかった子供と同じです、

 手に入らないから駄々をこねて大勢の人を巻き込む…

 最悪ですよ、うちの子(ファル)の教育に悪いのでとっとと成仏してください」


だんだんイライラしてきたので自然と言葉遣いが悪くなってしまうが

それに対して相手もイラついたのか倍くらいの感じで言い返してくる。


「…たかが人間の小娘が!こちらが下手に出ているからと

 調子に乗るんじゃない!貴様の意識一つごとき、

 この場で散らせるんだぞ!」


「図星ですか?図星のようですね。

 でなければそんな声を荒げる必要がございませんしね~??」


どうせなら煽り倒してから何とかしようと思い

ミソラから教わった丁寧語でちょっとうざい感じを出す話し方を

実践してみると、これまたクリーンヒットしたようで

またまた声を荒げて反論してくる。


「あぁぁぁぁぁ!殺さないでやろうと思っていた私の良心を

 踏みにじりやがって!もういい、意識を消した後に

 貴様の召喚獣ども諸共全員嬲り殺しにしてくれる!」


『〈主獣混命(ビーストオーバー)〉』


「…できるものなら、やってみればいいんじゃないですかね。

 でも私とみんなは最強です、あなたでは勝てない」


それだけは間違えようのない事実だと信じながらそう言うと、

奴はノイズの中から手らしきものをこちらに振りかざしてくる。

ファルのドラゴンクローのようなオーラを纏った

一撃は当たることなく空を切り、

私はこの時間稼ぎ用の世界から脱出するのだった。


◆◆◆◆◆◆◆



〈主獣混命〉。このスキルは単純なもので

心獣混身の真逆、即ち私が主導権を握って合体するものではなく

ファル達召喚獣に主導権を渡して合体するものだ。


心獣混身のメリットとして融合する際に

お互いが万全な状態になって合体するので

眠っていても強制的に覚醒して戦闘に参加することができるという

ものがあり、今回はそれを利用させてもらった。


『へえ~、ファル達から混身したらこんな感じなんだ?』


主獣混命の存在は知っていても使ったことはなかったので

初めてここに来るのだが、すごい気持ちのいい

ふかふかのベッドに寝ているような夢心地である。

視覚はファルと共通であり、

モニターのような視界から外を見ているのである意味気分は映画鑑賞…

であるが状況が状況である、気を引き締めていかなければ。


だが、予想外の状況が発生する。


「え…!?」


どんな手段を使ったか分からないが、

私の召喚獣が全員勝手に外に出されてる。


ファルが出した様子もない、つまり…

目の前に立つ、結晶からあふれ出した黒いノイズが実体化した

奴、スイウォートが何かしたのだろう。


『はっ…ははははは!!なんだ小娘、ご自慢の召喚獣を出させてみたら!

 雑魚雑魚雑魚、雑魚ばかりじゃないか!?はははっはははは!!

 虚勢もいいところだったなぁ!!!』


は?

Q、要するにスイウォート何某なにしたの?

こいつが竜だからと自信満々に一目惚れした虎獣人の傭兵団の

娘に「我の側妻にしてやろう!(意訳)」とか抜かして断られたら

メンヘラ&ヤンデレ化して虎族側の傭兵団を半壊させたうえで

人質に取って娘と結婚、蜜月の日々(当人比)を送っていたら

娘の恋人にぶっ飛ばされ、脅されながらも一族に協定を結ばされ

屈辱を与えられたうえで首ちょんぱされた。

でも恨みのパワーだけで恋人とではない

結婚式の様子を保存した結晶に宿り、呪いを振りまいた上で

その十年ほど後に溜め込んだ力を解放して

同胞に虎獣人たちを狙うよう指示、しかし協定のせいで

どちらも緩やかな破滅に向かうにとどまる。

それに対して恋人が事前に自分の行動を読み切った完全な格上であると感じ

完全敗北を味わい、その上で自分のせいで同胞が死んでいく

屈辱に耐えきれず発狂、再び現界して同胞をたぶらかし

子孫であるコンジキさんたちの村を破壊させた。

(今回で探索パート等の諸々が終わりなので

 大体こんな感じで今回の一件が起こったよと思っていただければ)

(シナリオそのものに関してはこのお話が終わり次第

 まとめて出そうと思いますのでよろしくお願いします)


ブクマ、評価よろしくお願いします!

誤字脱字あれば報告お願いします。

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