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示せ、導きの歌とともに①

導入なのでかなり短め、SRO回となります。

なんとなーくちょっとだけシリアスをやりたくなりましたが

途中途中で閑話に逃げる可能性が高いです

始まりはふとした疑問だった。


「そういえばさ、ファルは何で私のこと好きなの?」


レベリング中、ふと思ったことをファルに聞いてみた。

その時はミソラとグリムたちも戦いにくく、

カルシュナさんたちも呼べるようなレベルの強さではない

敵が出てくるエリアで戦っており、ファルと私だけで戦っていた。



私とファルの出会いは、最初の召喚獣ガチャの時だったが

間違えた指示で大ダメージを負わせた上に、その次の

ボス戦で酷使して相当ひどいことをしている。


「…?いえ、大した理由ではありませんが」


「いやさ、私最初凄い酷いことしたじゃん?

 ほとんど負けみたいな相手に何度も戦わせたりしちゃってたし

 私を好きになってくれる理由ないんじゃ…」


そう言うと、ファルに肩をつかまれ

すごい剣幕で言われる。


「べーつーに!気にしてないです!

 ご主人が気にすることじゃありません!」


むしろ(わたし)があんな半透明ゼリーの雑魚に負けるのが悪いんです、

私が悪いんですからご主人様は悪くないうんぬんかんぬんとすごい勢いで

まくしたてられてすっかり勢いに押されてしまった。


「ふーっ、ふーっ…私がご主人を好きなのはですね!

 私のお母さんだからです!!」


「お母さん!?」


いや、予想の斜め上を突かれた!?

お母さん…お母さん?言葉の力に殴り飛ばされ非常に動揺する。


「え、ちなみになんで…」


「あの日あの場所で生まれたからですね。あの紙は

 生まれかけの私を封じていたようなもので、あの紙を使った時に

 私はこの世界に生まれたんです」


「な、なるほど…?」


凄い設定を出された気がするが、とりあえず飲み込む。

つまるところで言うと要するにあの場所で私が契約書を使ったから

私がお母さんと…


「え、なんでご主人様なの?それなら…

 お母さんならおかあさんって呼ぶんじゃないの?」


私は至極まっとうな疑問を口に出す、

お母さんと思うならば主従関係のようなご主人様と呼ぶのは

何か違うのではないだろうか? 


「確かにその線もなくはなかったし、最後まで迷ったのですが」


「迷ったんだ…」


「なんとなく、ちょっと気恥ずかしかったので…

 一応主人と召喚獣という関係性なのでご主人様と」


あけすけに好意を伝えてくるのにそこは控えたんだ…

いや、まあその辺は個人個人の個性だしいいか。


「ありがとうございますねご主人様、ご褒美に

 今度頭を撫でていただけると嬉しいです」


「うん、いいよ。教えてくれてありがとうの思いも込めて

 今やっちゃおうか」


そう言って、私はファルの近くに駆け寄っていき

ファルも嬉しそうにこちらへ向かってくる。


「…え?」


しかし、その瞬間。

私は何もないはずの地面に沈んでいき、

手を伸ばすファルの手をつかんでも止まれず

地面の奥底まで沈んでいくのだった。


◆◆◆◆◆◆◆


ぴちょん、ぴちょん。

耳元で響く水の落ちる音で

私は落下が終わったことを理解する。


私の右手の先にはファルの手が繋がれていて

息をしていることに安堵を感じる。


どうやら落ちてから気絶して時間がたったようで

装備が少し濡れている。


ファルも落ちている間に気絶していたらしく

私は早く起こさなければと思い、体を揺さぶる。


「ファル…ファル起きて、起きて」


「ん…ご主人様?あれ、ここは」


「さっき地面の中に落ちた先、私もよくわかんない」


ファルは起きてすぐ状況を大体理解したようで

すぐに立ち上がり周囲の安全を確認する。


「…敵は、いません。それどころか」


ファルは確認し終わると同時に先程外で話していた時の

柔らかな表情ではなく、非常に真剣な表情で言う。


「何も、感じません。草木の気配も、敵の気配も。

 街の外にあるべきものが何一つ」


「え、じゃ、じゃあ安全な場所じゃないの?」


「いいえ。安全な場所であるならば少し遠くに敵の気配が、

 近くには濃密な草木の気配があるはずなんです」


それこそエストール様とやらのような気配が、と付け加えるファル。


「私たちをここに招き入れた理由も分かりませんし

 警戒すべきです。何が出てくるか、何が起こるかすらも分かりません」


◆◆◆◆◆◆◆


【条件達成を確認】

【連続シナリオ「ウタハヒビキ、リュウコアイウツ」を開始します】

【注意!このシナリオは選択肢によっては■■■を失う可能性があります】

【このシナリオはある程度進行するまで破棄が不可能です】

【イベントエリアへ移動します】

ああ妬ましい、ああ嫉ましい。

我らは死に絶えたのに、生きて友である彼らが恨めしい。

ああ、ならば。選択させよう、我らと同じ。

どちらかが、答えを出すまで


ブクマ、評価よろしくお願いします。

誤字脱字あれば報告お願いします。

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