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マシェルさんの夢

なんで寝落ちしてるんですか?(現場猫)

しかもよりによってなんで今起きるんですか??

(つい10分前に起きた)

詫び投稿、現在ミス三つで三日増えてます

(タイトルミス、誤字、寝落ち)

本当になんで…??

ある日、とある理由で駅前の喫茶店を訪れていた。

人を待ってお店の前で立っていたが、待っていた人が

来たことを察して姿勢を正す。


「お久しぶりです永華さん」


「こちらこそ、お久しぶりですね夜歩さん。

 元気そうで何よりです」


今日は久しぶりに会って話をしたいと夜歩さんから提案があり

こうしてここに訪れていたのだが。


「夜歩さんすみません、そちらの方が知り合いの方ですか?」


なにやら夜歩さんの後ろにすごく厚着をした

背の高い女性の方が立っており、こちらをじろじろと見ているのだ。

記憶が間違っていなければ私たちのほかに一人

夜歩さんの知り合いの方が来るとは聞いていたが

彼女がそうなのだろうか?


「うん、事前に言ったと思うけど

 以前話をしてたら永華さんに会いたいって言われてね」


「こんにちは、えいか…さん?」


「…あれ?」


この声には聞き覚えがある、この声は確か…


「マシェルさん?」


「…一発で当てるね。正解だよ」


「おや、知り合いだったんですか?

 その様子だとSROでしょうか…すごい縁ですね」


この人がマシェルさんか…

アバターよりだいぶ身長が高く、長い髪を一つにまとめて縛っており

見た感じはできる大人という感じだが。


「改めて初めまして、私の名前は不破優月(ふわゆづき)

 前にも言った通り百合を愛し生業とするもの」


「こちらこそ初めまして、藤野永華です。

 姉を愛し姉に愛された最高の妹です」




お店に入って数分。席に座って注文した飲み物を飲みながら

スマホの画面を藤川さんに見せる。


「これはねー、最近見始めた猫動画のチャンネルと

 前々からみてたワンちゃんのチャンネルの動画更新がかぶって

 どっちを先に見ようか悶々としてる姉の動画です」


「わぁ…どちらも好きだからこそ悩ましいと悩む表情いい…!

 とても愛らしいですね!」


「そうですよねー!!」


ひとまず目的の一つであった動画や写真の交換を行う。

その対価に私はいいカメラやそのバッテリーの情報など

知りたいことを教えてもらっているし、ウィンウィンの関係である。


「…楽しそうだね」


「まあ私たち姉が大好きですし」


「かわいいですよねー蒼羽先生。背伸びしてる感じも

 かわいいを増幅してますし」


「そうだ、永華ちゃんに聞きたいことがあったんだ」


「…?なんでしょうか、答えられることなら答えますが」


「なんでミソラちゃんの気配がするの?」


「…え?」


ステラドールのみんなを連れてきたわけではない。

それに、一応体の説明もして外に出ないよう厳しく言ったはずだが

どういうことだろうか?


「…ごめん、言葉が足りなかった。

 ミソラちゃんとリアルで一緒に暮らしてるの?」


「…どういった意図でそのような話を?」


「んー、なんとなく。ついでにちょっとした勘」


意味が分からない。

意味が分からないがミソラの話によれば

ゲーム中は結構な頻度でこちらを遠くから見つめているらしく、

何らかのセンサーが働いている可能性があるかもしれない。

そしてそういったセンサーを持っている人は

ウソをついても絶対に看破されるのでここは正直に言った方がいいだろう。


「えーと、この前のエキシビションマッチの報酬で

 なんやかんやあって一緒に暮らしてます」


「…!!!ち、ちなみに普段は何してるの?」


「ファルと一緒にご飯作ってもらったりとか、

 一緒に遊んだりとか…ですかね?」


「~~~~ッ!!」


目を抑えてすごい表情で俯いてしまった。

いや、多分感情があふれて抑えようとしているのだろうが

すごいな。ミソラがそんなに好きなのか…


しかしものの数秒で復活し、私の手を固く握って

感極まった表情で感謝を述べる。


「…同棲カップル、最高。ありがとう永華ちゃん」


「よければ今度、うちに来ますか…?

 姉も藤川さんに会いたがっていたので一緒にいかがですか?」


「ええ、是非。楽しみにさせていただきますね」


「(無言で首を縦に高速で振っている)」


その後、しばらく話してから帰宅した。

姉の話ができてうれしいし、

藤川さんは姉の写真と動画を手に入れてホクホク。

マシェルさん、いや不破さんも非常にほくほくした表情で

帰っていたので大分よいお話ができたと思う。


◆◆◆◆◆◆◆


私、不破優月は今日最高の体験をした。

非実在系カップリングだと思っていたものが

実在系のカップリングであったというある意味で言えば

ナマモノと化し落胆すべきなのかもしれないが私にとって、

マシェルにとってそれはあまりにも嬉しいことだった。


ベッドの上で枕に顔をうずめて足をバタバタさせるという

少し幼稚にもみえる行為に身を興じるくらいには

私は気分が上がっていた。



なにせ「推しカプがこの世に存在する」という事と同義である。

そして夢想してはそれはただの夢だと切り捨てたことすら

彼女たちは行っていたのである。


私が百合を好きになったのに大した理由はない。

可愛いものが好きであったものの

この高身長のせいで可愛い服の選択肢は少なく、

他者の評価を気にしないほどメンタルが強くはなかったため

学生時代はそう言った服を自重せざるを得なかった。


そんな中、高校生時代の私はクラスのとある女子にひそかに憧れていた。

ちっちゃくて髪もふわふわ、兎さんみたいでかわいい子だった。


そんな子からある日急に話しかけられた。

「きれいだね」だの「かっこいいね」だの、

最初はそういった言葉が苦手だったので

ちょっと不機嫌にはなったが…

だんだんとそれが心地よくなってきて、ついには紆余曲折を経て

恋愛に近い何かにまでなった、というのがきっかけとなっている。


その子とは今でも付き合いがある…というか

現在私の漫画の担当さんである。


私も一度社会人として生活してしばらく社会の歯車として

しっかり働いていたのだが、趣味でやっていた絵描きが

人気となり出版社の方からのオファーがかかってきたので

趣味で稼げるし、百合のためを思えば仕事が増えることも苦ではないし

その時期に実家でいろいろあったりと

様々な事情が重なり私は漫画家となった。


…その結果として担当があの子になったのは本当に予想外であったが。

学生時代からからそういう仕事に興味をを持っていたのは知っていたが

夢を叶えられていると知ったのが素直にうれしかった。


あの子も頑張って仕事を持ってきてくれるので頑張っていきたいものの

いかんせん最近は量が多い。それになんだかほかの雑誌にも

掲載する話が持ち上がっているらしく、複数並行して作業しているが

ここからさらに増えるのかと戦々恐々としながら生活しているのが

今の私である。


…しかし、そんな中でも短時間で遊べるのでSROは趣味として優秀である。

時間が数倍になっているので十分ぐらい仮眠代わりに使うもよし、

推しカプ(ミソフジ)を見守るもよし、普通にファンタジー世界を

冒険するもよしと最近の癒しとなっている。


藤川さんとは以前ゲームのコミカライズ版の作画を

担当させていただいたとき以来の仲である。

その縁で連絡を取り合っていたのだが、今回は

「何やら面白い子がいるから会ってみない?(意訳)」

という話を貰い最近疲れ気味で下がり気味の気分を変えるために

今回のお話に参加したのだが、行ってよかったな…


というか永華ちゃんはリアルそのままでSROをプレイしていたと

今更ながら気づいた、違和感がなさ過ぎてスルーしていたが

大丈夫なのだろうか?


喜びからいってん少し不安になったが

今まで問題なかったわけだし大丈夫かと納得し、

私は今日の出来事の一部をまとめて漫画のネタにすることを決めるのだった。


私は寂しいクリスマスですが皆さんは

いかがお過ごしでしょうか?楽しいものであることを祈っています。


担当さん

マシェルさん及び不破優月さんの高校時代の同級生。

ギリギリ恋情に至らない好意を優月に抱いていたが

高校卒業と同時に優月さんが痛恨のミスで

連絡先を紛失してしまい担当になるまで音信不通だった。

再開した時はお互い口げんかしたが、今は以前同様に

仲良く仕事をしている。



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