リーズヴァルトさんの腕試し③
リーズヴァルトさん戦終了です。
リザルト
経験値
リーズヴァルト撃破 800000
リーズヴァルト戦最大ダメージ 10000
腕試し成功ボーナス 232000
合計 1042000
ジョブレベルアップ!
Lv107→108
最大HPとMPが上昇しました。
ステータスが上昇しました
レベルアップしたようだが、
確認する余裕もなくメニューもどきを閉じる。
辺りを見回してみるが、私とグリムの魔法の影響は消え
炎が収まったもののリーズヴァルトさんの姿はなく、
溶けた金属などの痕跡もない。
「勝ち…だよね?え、死んじゃった…!?」
しかしいくら探してもリーズヴァルトさんの姿は死体も残骸も
元気な姿も見つからず、ひとまず
無事であることを願ってアヤさんたちの姿も探してみると
こちらはすぐに壁際に吹き飛ばされたみんなの姿を発見することが出来た。
混身を解除してミソラと一緒に気絶したらしいみんなを一箇所に集めて
減っていたHPをトピアさん謹製の薬で回復させる。
「え、大丈夫なの?リーズヴァルトさんってすごい偉い人だよね…?」
治しながらもそんなことを考えてしまうのだが、やはりまずくない?
下手したら地母竜様だかに復讐されるのではないだろうか…
「はーっ!危なかったのう!」
そんなことを思っていると、洞窟の中央部分の土が盛り上がり
先程山頂の社で見た人型のリーズヴァルトさんの姿が現れて
地面から這い出る。そしてすぐさまこちらへ向かってきて
私の手をつかみ、ぶんぶんと振りながら声に喜色を滲ませて言う。
「お主とんでもないなぁ!お陰で洞窟が崩れかけたわ!
勝負を中断して地中に潜って我が鎧を削って
直接補強しなければ危うかったのう!」
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!申し訳ございません!!」
凄い申し訳ない!下手したら崩れてしまったという事実に青ざめる私に
リーズヴァルトさんは布越しからも分かるほど大笑いをしながら
ぶんぶん降っていた手を放して今度は肩をバンバン叩きながら言う。
「構わん構わん!むしろ良いものを見せてもらったわ!
ただ次来るときは加減してくれると嬉しいのう!」
そもそも地母竜様の子供の方が酷い荒らし方するのでな!と
付け加えつつ、リーズヴァルトさんは大声で高笑いを上げる。
何ら気にすることはないと言いたいんだろうか…
と、そんなことを考えているうちに気絶していたみんなが起き上がり始める。
「あー…終わってってうわっ!?すげー経験値貰えてら!」
「えーと終わった…んですかね、フジカさん。
あ、回復ありがとうございます」
「グリムにも負けたぁー!!!やだぁー!!」
「落ち着きなよファル―、もっと強くなればいいだけの話でしょー?」
「足はある、手もある、おなかも大丈夫…助かったー!!」
「あっはっは!元気じゃなぁ、起きた瞬間からそれか!」
先程まで気絶していたとは思えないほどの元気でみんなが騒ぎ始める。
それを見て、先ほどまで怯えて色々考えていた自分が
馬鹿らしくなってきた…まぁ、楽しければいっか!
そう結論付けて私は思考を放棄した。
そんな状況の中、グリムがファルに満面の笑みを浮かべて言う。
「ふっふっふ、ファル…弱いねぇ!」
「あーもーやだー!!ミソラにも負けてるし
私最弱じゃないですかー!!」
「何やってんのさグリム!火に油注いでどうすんの!?」
グリムの行動にミソラとともに驚く。
本当になんでこんなことしてるんだ!?
この前同じような状況になって奥義を使ったばかりだというのに…!
「止めないでミソラ!私がファルに一矢報いれる機会なんて
早々ないんだから、ここで目一杯この前のババ抜きの復讐もかねて
勝ち誇りたいの!」
「確かに私から見てもすごい勝ち誇って調子に乗ってたけど
だからってこんな、ってファルー!!?」
そんないつもの数倍元気なグリムと焦り倒しているミソラを横目に、
ファルが翼を広げて飛び立つ。
「旅に出ます!探さないでくださーい!」
「待ってファルー!そんなことしたらご褒美なしにされるよー!
んでもって私がご褒美貰う―!」
「うぅぅぅぅ!!なでなで無しはいやぁぁぁぁぁ!!」
「どんだけ恨みたまってるのグリム!?」
「…グリム、そんなに恨み辛みをため込んでるなら
言ってくれればよかったのに」
「ご主人に相談するほどのことじゃなかったし…
なによりちょっと最近行動が大胆だったから
ちょっとお灸を据えようと思って」
…確かに最近のファルは目に見えてテンションが上がっていた。
まぁ…確かに仕方ない、のか?
そんな中、背後からセンジョウさんが肩を組んで肩を組んで
話しかけてくる。すごい
「あっはっは!すげえなぁフジカさん!今度サシで戦ろうぜ、
すっげえ楽しそうだっでいでぇ!?なにすんだアヤさん!」
アヤさんに後ろから引っ張られて転び
不満をこぼすセンジョウさんだが、アヤさんはキレ気味に
センジョウさんに言う。
「何すんだもないですよ!みんな疲れてるんですから
おとなしくしてください、なんなら回復のお礼すら――」
「分かった分かった!すまねえって!フジカさんすまねぇな、
まぁまた今度会おうぜ!リーズヴァルトさん、外ってすぐに出られるか?」
「出られるぞ。ほれ、ここを通るがいい」
そう言ってリーズヴァルトさんは移動する時に使った
鳥居に似たものを作り出して指さす。
それを見たセンジョウさんは見た瞬間に走り出し、こちらへ向かって
別れの言葉を告げる。
「ありがてぇ、じゃあなー二人とも―!!」
「待ちなさい!まだ終わってませんよー!」
「待ってといわれて待つバカがどこにいる!」
そんなしまらない形ではあるが、ハイガラス組の由来を
センジョウさんとアヤさんに聞いた事から始まるこの一件は
終わりを告げるのだった。
◆◆◆◆◆◆◆
その日の晩。
「ファル~、まだやらなきゃダメ~?」
「まだまだ、もっとです!」
「ミ゛ソ゛ラ゛ぁ゛~!!代わりにやってお願いだからー!」
「だめだよー。ご主人の決めた罰だし、
あのままだったらすごく面倒なことになってたし自分でやって」
「クモだけは、クモだけは嫌~!!!」
私は不機嫌になったファルを無限に撫で続ける作業に
従事することとなり、その原因を作ったグリムには
収納に巣を作っていたクモの退治をお願いすることになった。
「あ、そうだ!もう一回角の裏お願いできますか?」
「また~?もう五回くらいやってるんだけど」
「気持ちいいので何度でもお願いしたいです!」
「そろそろ機嫌直してよー」
「まだまだですー!あと二十分はお願いしますー!」
最終的にここから1時間撫で続けてようやく上機嫌になり、
結果としてグリムの行動は本人と私に甚大な被害をもたらして終わった。
Q、なんで白熱劫火の威力あんなにエグかったの?
洞窟を構成する土や鉱物が可燃性が強いものであり
それにプラスしてサイクロンチャージでの威力上昇が入った上で
盾にしたのが地面とリーズヴァルトさんが操作していた
植物の根で火力が過剰にブーストされていたためです。
(ゲーム的に言えば火魔法の威力が上昇するエリアだった)
Q、なんで戦闘後にリーズヴァルトさん人型で出てきたの?
洞窟がマジで崩落しかけたので補強しなければならず、
鉱鎧を素材にしていたので弱体化していたため
竜の姿を保てなかったためです。
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