ようこそみんな。
次回チエちゃん回とのたまいながら
今回は実質イベントリザルト回です。
前話はちょっとご時世的に大丈夫か…?となったので
一旦消しました、今後諸々が落ち着き次第全編公開予定なので
よろしくお願いします。
(多分問題はないんですが少しだけ怖い)
「お届け物でーす」
お正月も過ぎて一月も半分を過ぎたころ。
突然インターホンが鳴り、荷物が届いたことを知らせる。
姉は買い物に行っていて私一人なので、
私は立ち上がって返事をする。
「姉さんのかな?はーい!」
少なくとも私が頼んだ覚えはない。
ひとまず受け取ろうと玄関を開けると…
◆◆◆◆◆◆◆
「でっかい…しかも多い」
人でも入っていそうな段ボールが三つに
バスケットボールサイズの段ボールが一つ。
何故か私宛の荷物となっており、宛先は…あれ、これは?
「SROの制作会社…?ってことは」
いったん全部私の部屋に運び込んで
バスケットボールサイズの箱を開けてみると…
「わ、地精ちゃんだ!」
なんと、梱包材の中に実寸大の地精ちゃんの姿がそこにあった。
やっぱり可愛いなーと思いつつも、ほかに中身がないか探してみると
説明書と手紙らしきものとバッテリーらしきものが二つ同梱されていた。
とりあえず読んでみるか…と思い散らかしたごみを片付けて
手紙を広げてみる。
「SRO運営会社、電波流星の広報担当の原田叶です。
君には運営さんといったほうがいいかな?
これを読んでいるということは、第三回イベントの報酬の一つの
ステラドール四台は届いたということだろう。
試作品だから二か月後くらいにSROで感想とかを
確認しに行くから、覚えておいてくれると助かる。
説明書に記載してあるが、ステラドールのバッテリーは太陽光発電で
半年後に点検のために機体ごと送り返してもらうことになるけど
雑に使わない限り壊れたり急に止まったりはしないはずだから
安心してくれるいいんだけど…何か不具合があったら
すぐに報告してほしい、製品化に影響が出るかもしれないからね。
とりあえず、ご要望のファルちゃんにミソラちゃん、
グリムちゃんに地精ちゃん(地精ちゃんだけ種族名だから
ちゃんと名前を付けてあげてはどうかな?)を届けたわけだけれど
ほかに欲しい子がいるなら要望を出してほしい、
商品化の際の四台に追加で送ろうと思うからよろしく頼むよ。
追記:何が起こるかわからないので家の外には出さないでね
同梱されているバッテリーはある程度充電されてるから
そのまま使えるよ」
「地精ちゃんの名前…確かにそうだったなぁ」
というかいつもの三人以外名前を付けてあげていなかったな…
面倒とかそういうのではなく、単純に狩人さんや地精ちゃんで
覚えてしまっていたため、名前を付けなくてもいいか…となっていた。
うん、今日中にみんな…クソトカゲは除いた
みんなの名前を決めておこう…
流石にダメな気がしてきたし、ミソラたちだけ特別扱いは
ひどい気がしてきたのでそう心に決める。
「ふむふむ…電源ボタンはここか…」
あまりにも難しい部分がある場合は兄に通話して
もしもの時は来てもらうことを想定しつつ、
説明書を読んでいく。
「地精ちゃんの…ここか、ここにバッテリーを入れてと」
それを説明書の指示通りに所定の位置にはめて、電源を押してみると…
「おー!」
目がぴかーっと光ったと思えば、手足が動き出し
私の手を逃れて地面に立つ。
「あれ?ここどこ…?えーさん様は…?」
「!?し、ししししゃ」
「あ!え―さんさ…あれ?」
「喋ったぁぁぁぁぁぁ!?」
「え!?ほんとだ、私しゃべってる!??」
・
・
・
・
・
二人で動揺しっぱなしの数分間を過ごした後。
冷静になった私は地精ちゃんに事情を説明した。
「よくわからないけど…よろしくね!」
現実とか何とか色々、話せる範囲内で話したものの
分かってはいないだろう気がする、地精ちゃんの笑顔が
かわいすぎて大丈夫だろうという気しかわかなくなってきたが…
「うん、私も状況がよく飲み込めてないけど…
よろしくね地精ちゃん」
「うん!えーさん様のためにがんばるよー!」
かわいいに脳みそを支配されかけるものの
他三つの段ボールを見て冷静になる。
電源を起動しただけでこれか…
先が思いやられると同時に、ファルとかを
起動したらどうなってしまうのだろうという不安に駆られるが
多分大丈夫だろうと楽観的に考えることにした。
そんな危ないものを渡すわけないのだ、気を引き締めていこう…
ひとまずミソラから起動していこうと考えて
この三つの内ミソラはどれだろうなと思いながら
箱の一つを開けていく。
「えーっとこの箱は…あ、あってた!」
「わっ、ミソラ様だー!お休み中ですか?」
最初に開けた箱は運よく探そうとしていたミソラの箱だった。
服とかどうなってるんだろうな…と思っていたのだが
凄い普通に服を着ていた。
灰色のジャージ一式なのだが、
ミソラは美人なのでこれだけでも似合ってるのがすごい。
「えーっとバッテリー入れるところは…」
「その黒い箱、なんですか?すごいキレイですねー」
「これはバッテリーって言ってね、なんていうか…
心臓の代わりみたいなもの?」
「へぇ~!こんなにちっちゃいのに凄いですね!」
あ、ここか。首の後ろにバッテリーを入れ、電源を入れると
先程と同じように目が光を放ちミソラは目覚める。
「ん~。あれ、ここは…」
「おはようミソラ」
「あ、おはようございますご主人」
「おはようございますミソラ様ー!」
背伸びをしながら私の方を向き、挨拶を返してくれるミソラは
自然体なので先程の地精ちゃんみたいに驚かないのは
ちょっと驚いている。
「驚かないんだね…」
「いえ、だってご主人様の行くところって大体おかしいですし…
多分ファルの言ってたご主人様の世界ですよね?」
「あー、うん。確かにね」
思い当たる節が多すぎて申し訳なく思う。
…ファル、どれくらい私の心とか読んでるんだろう?
普通にゲームと現実の区別がついているのか…
「多分ファルが起きた時の足止め要因ですよね?
多分今の私だったら足りないのでグリムも
起こしておくべきだと思いますよ」
「そうだね…」
「グリム様もファル様もいるんですね!
早く起こしてあげましょうよー!」
うちの子物分かりが良すぎる…ありがとう、
不甲斐ないご主人様で申し訳ないね…
「いえいえ。おかげで毎日退屈しませんし」
私は残り二つの箱の内一つを開ける。
そして中身がファルだったので一旦そっと閉じ…
何かウェディングドレスみたいなのが
見えた気がするが絶対に違う、あれはきっと梱包材なのだと
言い聞かせながらもう一つの箱を開けて
グリムを箱から出す
「なんでファル様を起こしてあげないんです?
先に開けたのはあっちなのに」
「おー地精ちゃん。お話しできるようになったんだね?
ファル様は先に起こしちゃうとすごい元気になっちゃって
騒いじゃうかもしれないから、グリム様の方を先に開けるんだよー」
「なるほど、確かにそうですね!」
そんなに地精ちゃんとファルを一緒にレベル上げした記憶がないのだが
ミソラの話に納得しているので普段どれだけファルが
ヤバいテンションで活動しているのか分かるのがちょっと…
グリムはなんだか藍色のパーカーと黒いジーンズと
どちらも色が暗めだが…グリムの髪は水色なので映える感じ?
という奴がする。
「バッテリーの位置は…やっぱり同じだね」
地精ちゃんはサイズが小さかったのでバッテリーの位置が
胴体だったが…まあこのサイズなら首の裏が定位置なのだろう、
バッテリーを入れてグリムを起動する。
「おひゃっ、おはよ…ってここどこですか!?」
「おはよう、グリム」
「おはようございまーす!」
「あ、ご主人様。…あーわかりました、ファルの言ってた所ですね」
「なんで二人とも察しが早いの???」
「だってファルが凄いドヤ顔で言ってくるんですもん」
なんでだろう、凄いイメージしやすいな…
そう思いつつも私は問題の箱を開ける。
「わー!すごくきれいなドレスですね!」
「ドレスっていうか…ワンピース?」
「ひらひらしててきれいですねー」
「…二人とも、準備しておいてね」
他3人に比べて異常に凝ったフリルのたくさんついた
ワンピースを着たファルがその中にはいた。
私はファルとグリムに備えておいてほしいとお願いして
私は首のところにバッテリーを入れる。
目から光が放たれてファルが起動し…
「おはようございますご主人様。あれ、ここは…」
一瞬非常に目が輝いたと思いきや、即座に光を失い体育座りで
うなだれてしまう。
「わたし、さいご…」
その後、拗ねたファルを全員で慰めることになった。
服装を誉めたら何とかなったので良かった…
以前拗ねたときは奥義+ほめ倒し+膝枕だったので
今回はまだましな方だろう。
地精ちゃんはお話しできることに興奮して
若干発言がちょっと幼くなってる
ステラドール
某社…のVR部門支社、電波流星が作り出した
某社の技術力の神髄。市場をぶち壊すどころか
某社の地位をほぼ無限に引き延ばす究極の商品。
多分300年くらい時代の先を行くバケモンオーパーツ
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