決勝、最強の一角①
今週はこれで終わり。
決勝戦、前半戦となります
(少しちゃんと考えて書きたい部分があるため
分けることにしました)
「ついに決勝だねえ」
「うんうん、相手もみんな強かったけど
頑張ってここまでこれたね!」
「さて、どう転ぶかねぇ」
「楽しければそれはそれでいいだろ、
さーて、どっちが勝つかねぇ?うちも強いが相手も相当強いぞ」
決勝戦開始前、別会場から相手のギルドを移動させるとともに
少し休憩時間をとることになった。
周りはその間にどっちが勝つかの予想に精を出し、
私たちはここまで勝ち進めたことに喜びをあらわにする。
次の相手、ドルバイカー何某はかなりの強敵らしく
私と同じくエキシビションマッチの相手として選ばれるのではないかと
言われていたプレイヤーがいるそうなのだが…
先ほどの鬼男よりも強いかもしれないと考えると
相当気を引き締めるべき事態なのかもしれない。
「うん、相手も強いかもしれないけど
うちのギルドなら負けない!」
サクラがそう元気に言うと、みんな同じように肯定する。
せっかくここまで来れたのだから悔いの無いように戦ってほしい、
そう願いながら休憩時間を過ごすのだった。
◆◆◆◆◆◆◆
休憩時間が終わり、決勝戦第一戦目。
相手はライカさんと似たような装備をしており
魔法戦士というやつであろうことが推測される。
試合開始の合図とともにアルルちゃんは前に走り出し、
相手も剣を引き抜きつつ風の槍を生成し
アルルちゃんを迎え撃つ準備を整える。
風の槍を難なく避け、間合いに入った瞬間に
剣を振り下ろすアルルちゃんに対し
相手も剣をふるい鍔迫り合いに持ち込む。
鍔迫り合いに負けかけてアルルちゃんの攻撃が当たる前に剣を受け流し
攻撃を当てにかかる魔法剣士さんだったが
アルルちゃんはもう一本の剣で防御しつつ
受け流された剣でそのまま再び攻撃に移る。
その攻撃が当たる前に相手がおそらく魔法を使って丸い盾を作り出し
それを使い攻撃を受け流すが、防御に集中した隙を突かれて
アルルちゃんが相手の武器を手放させることに成功する。
相手は魔法を打って牽制しつつ剣を取りに行こうとするが
アルルちゃんは妨害や攻撃を絡めて武器に近づけさせない。
そしてアルルちゃんがついに相手にスキルでの攻撃を当て
決着したかに見えたが…
相手はスキルを発動し、効果の一端なのか目が青く光り輝き
警戒して守りに徹していたアルルちゃんを弾き飛ばし武器を回収する。
「ありゃ何のスキルだ…?
食いしばり系じゃねぇし、多分攻撃力アップも乗ってる。
だがあんなん一瞬で発動できるスキルにできる範囲内を超えてらぁ」
槍使いの人も同じようなスキルを使っていたかのように見えたが
あれは恐らく意図的にHPの残量を誤魔化すようなスキルだったのだろう。
バレたら終わりだし、たぶんその辺で兼ね合いを取っている…はず?
相手の魔法戦士さんのスキルはその手が不明瞭だということだろう、
HPは正しく減っていたし、攻撃力もアルルちゃんを弾き飛ばせるほどでは
なかったにもかかわらず、最後の一撃を耐え攻撃してアルルちゃんに
弾き飛ばした分のダメージをしっかりと与えている。
グヴァンさんの移動と火力を兼ねたものと
同じようなものと考えようとしても、生存と火力が結びつかないので
少し頭をかしげるが…あれ?
「焦ってる?」
「相手の動きが激しくなってるのをそう表しますか。
その心は?」
フィムさんからそう尋ねられたので、私は答える。
「なんかさっきの攻撃が当たってから露骨に早く倒そうと
してる感じがあって…しかもさっきまで警戒してた
アルルちゃんの攻撃も完全に無視して突っ込んでるので
一刻も早く決着をつけようとしてる感じがあるというか」
「何かしらのタイムリミット付きで今の状況が作られていると?」
「わからないんですが多分?といった感じでしょうか」
「…合ってそうだな、グーフィーは?」
「ゼロになった後になんかデメリット負うならありえるな。
決勝という場で使うんならギリ切ってもいいカードだと思って
使ったんじゃねえか?一定時間延命かつ攻撃力アップとか
ノーリスクだったら凶悪すぎるんだよな」
アルルちゃんも攻撃するのは悪手だと考えたのか
回避に力を入れ、それを追いHPを削り切ろうとする魔法剣士さん
との争いになるが…結果、効果時間が尽き魔法剣士さんは敗北し
アルルちゃんの勝利となる。
第二戦目。対戦相手が出てきた瞬間
周囲から驚きの声が上がる。
「はぁ!?」
「嘘だろ、ここで!?」
「おいおい、大将のお出ましかよ!!」
どうやら予想外の相手が出てきたようだ…
恐らく相当強いプレイヤーが出てきたらしく
周りの観客が盛大な歓声を上げる。
「ドルバイカーのトップ、エンダッカスだ…!!」
相手のギルドのトップ。
三戦目に出てくると推測されていたであろう
相手の最強プレイヤーがまさかの二戦目に出てくるという事態に
会場は湧き、私たちは戦々恐々とするのだった。
デッドランナーズハイ
魔法戦士さんのスキル。取得条件が存在し
自分の推奨攻略Lvを20Lv以上上回っている
ボスに対し50回以上単独で勝利するといったものです。
効果は一回の戦闘中につき一度だけ、
HPの二割分体力を回復し一定時間攻撃力を大きく上昇させ
その代わりに一定時間以内に勝利できなければ確定で即死、
リスポーン後に取得条件をもう一度達成しなければ
スキル自体が使用不可になる大きなデメリットが付く
スキルになっており、ハイリスクハイリターンのスキルと
なっています。
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