第一回戦、開始
観客席側のお話です。明日は二回戦の予定
会場内にたどり着いた私はみんなを探すと、
比較的すぐに見つかりみんなと合流することに成功した。
「おつかれさまー、なんだか面倒なことにでもなってた?」
「ふーさんもおつかれさまー、行く途中で変な人に絡まれて…」
「面倒なのは無視して逃げるのが正解だと思う、
私の経験則だと無視するとすぐに捨て台詞吐いて終わる」
「そうだよ、対応しようとした時点で相手のペースなんだよ?
今度は気を付けてねー」
サクラに助けてもらったティタさん、
自分の経験から忠告してくれているだろう
マシェルさんにそう言われていると…
背後から「そいつは誰だぶっ殺してやる」といった感じの殺気が
飛んできた気がする。
だが、気のせいだろうと私は流す。
兄はたぶんここにはいないはずだ、
今日は用事あるって言ってた気がするし
SROだとしても他のゲーム友達のギルドでストライカーとして
活動しているのではないだろうか?
観客席には多分いないだろう…いないよね?
「うちの子がいたら早くぶっ飛ばしてきたらよかったじゃない
とか言いそうですね…」
「確かに。あの子ならそう言うよね」
「あのやんちゃさなら納得だが…まぁ
ともかく何とかなったようで何よりだな」
「やんちゃなのは良いことじゃないですか?
私もあのくらいの頃はわりといろいろやってましたし」
「確かに、あのあたりが私も楽しかったなー。
目新しいものが沢山あって、体も体力とか筋力ついてきて
色々お父さんとお母さんに頼んで色々やらせてもらったなー」
アルルちゃんなら確かにそう言いそうだな、
と思うことを言うふぃろーさんとせすさんにロルルアさん。
アルルちゃんはこの場にいないので反論は来ないが
当たり前だという感じの返しをしそうだ。
…サクラとティタさんの会話はちょっとまだ早いのではないだろうか?
ティタさんはわからないけど、
サクラはまだそんな年じゃないと思うのだが。
「ちょうど始まるみたいだよ、フジカ」
姉が手招きしたので隣に座って中央の闘技場っぽい場所を見る。
その上に四つくらいさっきGMさんが出していた
メニューもどき映像版の巨大版があり、
ボクシングのリングのようなものが五つ中央に配置されていて
ちょっと世界観どうなんだろうと思うところもあるが、
まぁ見やすいしいいか…
試合形式としては
数日間トーナメント形式でギルドごとに3対3の勝ち抜き戦を
イベント期間内で行っていき、他ギルドと戦って
トーナメント戦優勝を目指し、その後
最終日に数日間の優勝ギルドでトーナメントを組んで
その頂点3チームと私が戦う…といった感じだそうだ。
中央のフィールドで一回戦の試合が5チーム分ほど行われており、
その一つがうちのギルド、メリーシープなのだが…
丁度試合が始まったので、うちの試合を見始めたら
早速とんでもない試合になっている。
「アルルちゃん無双じゃない?」
「…え、何あれ?フジカちゃん、あれ本当にアルルちゃん?」
「私も信じがたいんですがね…」
模擬戦を見てても信じがたかった光景なのだ、パトロールで
いなかったティタさんはもちろん、基本的にお店で活動していた
トピアさんも驚くのは無理はない。
事の発端は一昨日、特訓中に挟んだ休憩時間に遡る。
休憩前にアルルちゃんと戦っていたテットウさんがこんなことを
言い出したのだ、「両手にリーチの長くて火力出る武器持ったら最強じゃね」と。
その結果ロルルアさんが張り切り、重量とかの調整に死ぬほど苦心しながら
完成させた長剣と右左どちらからでも切れそうな斧が
組み合わさった妙な武器をロルルアんさんが作成し、
それを使い出した瞬間から手足のように使いこなす
アルルちゃんは本気で対応しづらい強敵と化した。
他のストライカー二人をよくわからないうちに倒し、
調子に乗ったアルルちゃんに勝負を挑まれたのだが…
私はなんとか勝ったものの、前とは違い余裕綽々というわけではなく
割と辛勝だったので次強くなって戦ったら負けてしまうかもしれない。
「あれ、重量バランスとか色々調整シビアなはずなのに
ああも簡単に使いこなされると感覚狂っちまうよ」
そうあきれた声で言うテットウさんだが、
私もそう思う。
アルルちゃんの小柄な体格で
重さに振り回されずにここで当てられたら怖いなというところで
重い一撃を与えてくるので一切気が抜けない。
しかも、定期的に斧の位置が切り替わるので位置が切り替わった瞬間は
本当に避け辛い上、切り替えるタイミングを
多分直感で相手が避け辛いタイミングを狙って切り替えているため
慣れてない相手にはとことん刺さる戦法である。
しかもそれが二本あるため、半ば強制的に意識をせざるを得ない。
右を切り替えたと思ったら今度は左、左が切り替わったと思ったら
右と見せかけてさらに左に変化をかける、といった動きを
ハイスピードで行うので、今思っても私が勝てたのはラッキーであったと
思わざるを得ない。
相手のギルドの一人目が倒された。
対策なしでのあの戦法はさぞかし効いただろう、
相手の人は相当焦っているようだが…
試合を進めなければいけないので
おびえながらも相手の一人がリングに出る。
「ヒェッ、おっかない…ネタ装備のせいもあるけど
完全にバーサーカーだよ…」
「次のネタに使えそう…アイディア湧いてきた」
ティタさんがそう言うので事実を並べて考えてみる。
黒い全身鎧に身を包み、重量級にも見える武器を軽々と(そう見えるだけ)
使いこなし、無言で攻撃してくる…確かにそう見えるかもしれない。
だが中身でアルルちゃんは絶対笑ってる。すごい威力が出るわ!
とっても楽しい!とか思っているに違いない。
マシェルさんはさすがにやめてあげてほしいからあとで相談しよう。
「わー二人目も完封しちゃった」
「三人抜きあり得るかな?今の状況なら普通にありそうなのが怖いんだけど」
「怖いね…でもあれうちのギルドなんだよ」
「何も間違ってねぇのに反論したくなるのなんでだろうな…」
「武器を作った本人だが、あそこまでの惨事は予想してなかったんだ…」
「すごいねアルルちゃん、あれがロマンってやつ?」
「…多分違うわよ、アオ。あれは多分そうじゃないわ」
「ふふ…決まった、これであとは書き上げるだけ…」
「…マシェルさん、さすがにあの年齢の子でそういう本は」
誰もあれと同じと思われたくないからではないだろうか?
ともかく、そのままこちらの優勢を保って三戦目もアルルちゃんが勝利し
一回戦目はうちのギルドの勝利となった。
…マシェルさんとは後でお話(物理)するのが確定になったようだ、
流石に多分そういうのの題材にしてはいけない。
私がアルルちゃんを守る…!
前回の2~3人の取り巻きはSNSで募った有志で
主人公打倒のためだけのメンバーでした(ギルドメンバーではない)
実はセンジョウさんの後ろにいた奴ら以外にあと4~5人
待機していましたが主人公からは見えない位置で倒されており
主人公の目には映らなかった形になります
なぜこんな話をしたかというと
待機してるメンバーとジェイスでギルド作れば参加できるという事実に
投稿後に気づいたものの、取り巻きごと消すとか数を減らすとかすると
なんか違う感じがしたのでこういうことにしてくださいという
言い訳をしたかった、ガバガバすぎて非常に申し訳ねぇ…
マシェルさんはなんか出版社のお偉いさんに依頼された
魔法少女系のラノベでコミカライズ作者として描く羽目になった
主人公のキャラデザに悩んでいたと供述しており…
(最終的に許された模様)
アルルちゃんの使ってる武器はなんか
某吸血鬼モチーフのライダーが使ってた
ザンバッ〇ソードみたいなのを二本持ちしている感じです。
素材入れ替えてうまいこと片手持ちできる重量にしているので
ロルルアさんの職人技が光る
ブクマ、評価よろしくお願いします。
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