閑話:第三回イベント開会式
ライカ視点でのイベント開催式。
次回からイベント開始です
「すげぇよなぁ…始まってからあっという間にここまで来ちまった」
「確かにな。思えばもう半年か…早いもんだぜ」
俺とテットウそんな話をしながら、
開催式が始まるのを、俺たちのギルドマスターが
紹介されるのを待っていた。
「フジカもすげぇよな。初日からぶっ飛んだスピードで
強くなって、ここまで来ちまったんだから」
「最初は話題に乗っかりに来た奴かと思ってたんだがな。
まさかの大活躍だぜ」
「まったくだ」
最初はVRゲームの話題性に引かれたお祭り好きかと
思ったんだがな…初対面の時もボスにビビったような表情してたし。
ある時、ふと気になって初対面の時に
なんで説明途中走り出したか後々聞いてみたら
あいつらが私の睡眠を邪魔するから…とか言い出していた。
あいつ寝るためにこのゲームやってたのか?となったのは
その時にはあいつのお姉さんがプレイを始めていて、
お姉さんに貢ぎまくる姉狂いの一面を見たからだったのだが…
今となっては懐かしいものだ。
そんなこんなで話をしていると
壇上に運営アバターの妖精が現れ、開会式が始まり
周りに演出兼荒事対応用の妖精スタッフも出現する。
「やあみんな、いつもSROを楽しんでくれてありがとう!!
今回は三回目のイベントだけど…みんなに聞きたい!」
周りはなんだなんだとがやがや騒ぐプレイヤーとフリと理解して
急に黙りだすプレイヤーに分かれ、それをみた運営妖精も笑う。
「みんな、最強に興味はない?」
黙っていたプレイヤーが肯定の声を次々と上げる。
騒いでいたプレイヤーも便乗して声はさらに大きくなり、
会場内の奴ら全員が叫んでいた。
もちろん俺も。
「ちょーっと論争とかはまだ怖いから
まずは小手調べ、ギルドで一番を競って戦ってもらおうか!」
「「「オォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」」」
大声を張り上げて運営に応じる。
それに喜色を含んだ顔でうんうんと頷き妖精はさらに続ける。
「それじゃあ、みんなに戦ってもらう前に一つサプライズ!
数日間かけて行われるこのイベントだけど…最終日に上位三チームと
私たちが独自に選出した三人のエキシビションマッチを行いまーす!」
へー、フジカ以外にも二人出てくるわけか。
フジカから聞いていたので割とエキシビションマッチ自体には
驚きはないが、周りは興奮しながら誰だ誰だと好き放題に予想している。
多い声は「涙のフィナーレ」のアヤ、「ドルバイカー」のエンダッカスに
うちのフジカ、それに「yenジョイ」のセンジョウ…まぁ、どれも
かなり有名なプレイヤーだ。
「じゃあ登場してもらおうか、三人とも―!出てきてー!」
そう言うと、ステージの上に煙が噴き出して
煙が晴れると、フジカと周りの予想通りの二人…
アヤとセンジョウが立っていた。
「この三人と最終日に戦ってもらうよ!
そして、勝ったチームには追加で報酬を配布するから
みんな頑張ってねー!!!」
そんな宣言を最後に、開催式が終わり
興奮冷めやらぬといった会場では
どのギルドが強いだの俺がどこどこの何々に勝つとかの話が
続けられていた。
「んじゃ、俺たちも行くか」
「おう。頼むぜ代理ストライカー様」
「お前…!!リアルで覚えとけよ…!!?」
「日記、ダボダボパーカー」
「ぐぎぎぎぎ…!!」
畜生、ここまで擦ってくるとは思わなかった…!!
欠員となったフジカの枠に収まってストライカーになった
俺をからかってきたテットウを殴り返すこともできない…
俺はこの恨みいつか晴らしてやる、そう思いながら会場を後にした。
運営の判断基準は
近接部門、魔法部門、テイマー部門の三つです。
割とその辺でも相性があるのでナンバーワンが一人では
おかしいのではないかという運営内でのお話があったとのこと
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