第三回イベントの特訓と運営さん
今週はこれで終わり、
特訓って書いてありますが主人公は特訓しません(矛盾)
ストライカー三人が決まったものの、
一応特訓しておこうという話になった。
「…なのに、なんで私はハブられるんですかね」
「仕方なかろう。今のお前は強すぎて練習相手には適しておらんからな」
言い分はわかる。あまりに実力の差がありすぎるという
意見も飲み込めるが、納得しきれるかと聞かれたらできないのが現状だ。
「…話は変わりますが、なぜニールさんがここに?
それに城を運んできた意味とは」
「まぁ待て。今説明してやるから…おい、出てこい」
「はいはーい、今行きまーす」
どこか聞き覚えのある声。
突如周りの風景、というか私が見ていたみんなの練習風景が止まり
私と突如現れた妖精さん…
おそらく運営さんだけが動く世界が始まる。
「一旦ここだけ通常の三倍で加速させてもらってるよー。
お時間は取らせないの完全上位互換だね、運営の大妖精さんだよ」
「え、っと。すごい技術ですね。
それで運営さんが何の御用でしょうか?」
突然の出来事に驚きそうなものだが
月並みな感想を抱いただけでそこまで驚きはなかった。
というか最近こういうの多すぎる気がするのだが…
深く考えるのはやめることにしているので話題を逸らすことに決める。
「単刀直入に言うとイベントへの参加はやめてほしいんだー」
「え、どうしてですか?」
「君の実力高すぎてこのギルドが一番なの確定にしちゃうから。
強すぎるんだよ君」
頭を抱えながら申し訳なさそうに不満をこぼす運営さん
続けて私について話し始める。
「レベル上げの速度が桁違いすぎるの。
こっちだって一応全部のプレイヤーの成長速度が
この時期このくらいかなと思ったらそれに二倍くらい差をつけて
レベル上げしてるんだもの。しかも、一応バグとチートを疑って
調べてみたらさぁ~君さぁ~!!」
そういいながら私に詰め寄ってくる運営さん
近いし目がこわい…!!
「なーんであんなとこでレベル上げできるのかなぁ!?
いくら魔導伝承でNPCのバックアップがあったとして
普通あんなところ通う!?」
「え、だってレベル上げ効率だけだったらあそこが一番…」
「だからといってねぇ!ほぼ脱出できなくなるように
難易度極悪にしたあそこを経験値工場にしないでほしいかなぁ!!」
泣き出してしまった…が、すぐに涙をぬぐって話を続ける。
「取り乱してごめんね。とりあえず、イベントは
ギルド代表として出るのはやめてほしいかな。
このお城とちょっと特殊な物あげるから」
「特殊な物?」
そして、言い方から推察するに
ギルド代表として以外の出方があるということだろうか?
私が疑問を口にすると、運営さんが言う。
「これについては参加しないって約束してくれないと教えない。
お城は前金であげるよ、第一回イベントランキング一位総取りの報酬って
ことでね。約束してくれなくても取り返したりはしないよ」
報酬としてお城をくれたということだろうか?
ありがたくもらっておくとして、約束かぁ…とりあえず
考える時間を貰い、二分ほどで答えを出す。
「うーん…わか、りました。約束しましょう」
私は今までの運営さんの発言を聞いて承諾することを決め
そう告げると運営さんは不思議そうな顔をする。
「渋ると思ったけれど…どうしてだい?」
「私としては別に頂点にいることが目的じゃないので、
楽しくできればそれでいいです。レベル上げするのもみんなで楽しく
プレイするためにしてただけで、しばらくやめてもいいです」
「なるほど。そういう感じか…うん、レベル上げに関しては問題ないよ。
単に早すぎるってだけだからね、運営側の愚痴みたいなものだから
全然続けてもらって構わない」
さっきまで取り乱していた人とは思えないほどの対応で話を進める
運営さんは話をまとめると、報酬の話に移る。
「特殊な報酬についてだけど…うちの新商品を送るから
それが報酬ってことになる」
「新商品ですか、どんなものなんですか?」
SRO関連だとは思うのだが…と、思っていたら
運営さんが喜色を前面に押し出して話始める。
「よくぞ聞いてくれた!僕が、僕たちのチームが開発した新商品、
ゲーム上の召喚獣のAIを搭載することのできる
多機能人形型ロボット…ステラドールさ!!」
「AIを搭載できる…ファル達を現実に連れていけるということでしょうか」
「そう!ファルちゃんやグリムちゃんの人間大ロボットさ。
ぬいぐるみサイズもあるけど、まだ商品化するには課題が多いからね…
それの試作品を四つほど君にあげよう。完成品ができたらそれと交換するよ」
なるほど、特殊な報酬といったのも納得のものだ。
特にグリムは姉も喜びそうなので大満足であるし、地精ちゃんは
かわいいのでそのあたりをお願いしておこう。
「そして…ギルド代表として出ないとは?
その言い方だと他の出場方法があるようですが」
「ああ、そちらは単純さ。最後に上位三位までのチームと戦う、
エキシビションマッチの相手として参加してもらいたいということだよ」
最後に疑問を投げかけると、そのような回答が返ってくる。
なるほど…運営さんサイドとして参加するということだろう、
それならば大丈夫だと返答を返し、郵送先とステラドールにAIを
入れてほしい召喚獣を伝えてその場はお開きとなった。
終わった瞬間、加速が終わり元通りの速度で動き出した世界で
ニールさんが「終わったか。と、言うわけで運んできたのだ」
と言っていて、運営さんに言われて運んできたということに
若干驚いた私であった。
今回の出来事を要約すると
運営さんがヒルデさん仕込みの異常なレベリングで
強くなり過ぎた主人公の影響で
第一回イベントとほぼ同様の結果になりかねないと危惧した運営が
主人公を懐柔しにかかったという形です
しかし主人公を参加させないのも批判を集めそうなので
運営側での参加を提案しました
(最強プレイヤーの扱いを受けているので
参加させないとトップを狙うプレイヤーからの批判と
本人からの苦情が来る可能性があると思われていた)
ニールさんについては妖精さんに頼まれたら
できる限り協力するという約束をヒルデさんにされていたので
その約束を守った形。
ブクマ、評価よろしくお願いします!
誤字脱字あれば報告お願いします。




