フィムさんと薬草屋さん
今週はこれで終わり。
フィムさん回は多分これで終わり、
次回は掲示板回の予定
「ってことがあったんですよ」
「なるほど…魔女さんに巨木アイドル形態との歌対決…
面白いですね」
「久しぶりに気持ちよく歌いましたねー」
元の場所に戻ると、フィムさんが
近くの木を切り倒して座っていたのだが
当然ではあるが事情の説明を求められた。
「そのカギってどんなものですか?」
「そういえばそうですね。見てみましょうか」
「見せていただけるならうれしいです。ちょっと興味がありまして」
私はメニューを操作し、報酬を受け取り
その中から鍵を取り出してみる。
「それらしい見た目ですね…!心躍る造形というやつでしょうか」
「確かに…」
鍵はドリームキャッチャーのようなものの下に
木の根っこが絡まって棒状になった何かがついているものだった。
ファンタジーっぽいな…と思っていたら
横から見ていたフィムさんの目が目に見えて輝き出したので
私はフィムさんに試しに使ってみることを提案してみる。
「…試してみますか?」
「お願いできるのであれば是非!」
ふぃむさんは何度も大きく頷き、私は近くにあった木に
魔女さんに言われた通りカギを近づけてみる。
「おぉぉぉ…!凄いですねフジカさん!」
木にカギをかざすと木の根が動き出し、
根があった場所に何やら大きな穴が出現した。
真下に降りていく形なのかと思ったが、降りた瞬間
するすると下に滑っていき…え、これって?
「滑り台だコレ!?」
「なかなかに楽しいですね~!童心に帰れる感じがします~!」
そう意図的に伸ばした口調で言うフィムさん。
割とまじめな人だと思っていたのだが…実は結構愉快な人なのだろうか?
そんなことを考えていると終点についたようで、
滑り終わった体が放り出されて宙を舞う。
「いきなりまたべっ!?」
「やっふぅぅぅ!!」
私は地面に転がるが、フィムさんはハイテンションで魔法を発動し
宙に浮かんで落下を免れる。私もああいう魔法ほしいが…
未だにそういう魔法は習得できていないので
今度グリムとかに聞いてみようかと思う。
このゲーム、人から教わることが割と重要な感じがするので
聞いてみたら何とかなるかもしれないという期待を抱きつつ、
今はお店とやらの外見を見てみようと
立ち上がって前を向く。すると、そこには…
「うわぁ~!!テンプレ魔術師工房だ~!!」
ツタまみれの鉄製の柵に、さまざまな植物が植えられている畑。
その中央に、赤レンガの屋根に煙突が付いた家があって
至る所に宝石のような光る石が入ったランタンが配置されている…
そんな風景を見たフィムさんは…フィムさんは?
「…倒れてる」
感極まって倒れているが、息はあるし
小声で何かつぶやいているのが聞こえるし大丈夫だろう。
「おっ!ハロー、さっきぶりだね?試しに使ってみた感想は
どうだい、楽しかっただろう!」
そう言いながら手を大きく広げ
楽しそうに言う魔女さんだが、こちらを見た瞬間に魔女さんは突然
こちらに近づき、唇に人差し指を当てて言う。
「おっと、名乗っていなかったね。私はフロウィードっていうんだ、
そちらのお嬢さんはお友達?」
「お友達です」
「そっか!じゃあお友達にもプレゼントだ~!それっ!」
そう言って私の唇に指をあてている方ではない手を
フィムさんの方に向けると、フィムさんの手に鍵が出現する。
「あと四人までは同じようにあげるよ、もっと欲しくなったら
また歌ってもらうからね♪」
割と鍵の入手難易度が低い。
いや、この場所結構町に近いので簡単にしてくれているのだろうか?
なんにせよありがた…フィムさんが消えた。
「強制ログアウトしちゃった…」
どれだけうれしかったのだろうか?
魔女っぽい装備を集めていたという事はそういうのが好きだと思うのだが
まさかあそこまでテンションが上昇するとは…
「うーん。お友達消えちゃったけど、お店見ていく?」
「あ、はい。よろしくお願いします」
全く動じない魔女さ…フロウィードさんに少しばかりの驚きを受けつつ
私はフロウィードさんのお店に案内されるのだった。
フィムさんは小声で「やっててよかった」「最高」
「藤野様に感謝、足を向けて寝られない…」とか言ってました
リアルの非永さんがファンクラブ入りした理由の一端にも
主人公がそれっぽい容姿だったというものがある
ブクマ、評価よろしくお願いします!
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