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いとこが来たらしい

リアル回。次回はまったり回になる予定


「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


今の私には勝利しか許されない。

この4日間毎日2~3回欠かさず自室に侵入してきたチエちゃんを

撃退している中、私はそう思った。


本当に、すごく、多い。

毎日来るのでここ数年中身が全然減っていなかった

スプレー缶もかなり中身が無くなってしまい、

ポトリーさんに追加をお願いするレベルになっている。


しかも最近効きづらくなっているのでもっと強いものはないかと

聞く羽目になった。


返答は濁されたが、ありそうな予感がする…

使わないのが本当は一番いいのだが、

本人に辞めて欲しいと懇願しても辞めずに侵入を繰り返して来るので

しょうがないのだ。


今日もスプレーで撃退し、何とか無事に就寝することが出来た。



◆◆◆◆◆◆◆


朝起きて、昨日仕掛けた罠に

チエちゃんが掛かっているのを視認して

チエちゃんの部屋として割り当てられた所

に運んで放置し、朝の準備を始める。


「本当に姉さんに頼もうかな…」


ここ一週間で割と転居の決意が固まりかけている。

姉を連れてあちらで生活するのもなしではないが…

あちらは学校から少し遠、とお…?


「あれ、あそこって…学校にかなり近かったような気が?」


私は転居を決意した。姉のうっかりに助けられた形だが

現状を変えるにはそれしかないだろう。


そんな考えを巡らせながら

私は朝の準備を終え、チエちゃんが起きる前に登校してしまおうと

少し駆け足で学校へ向かった。


「お、おはよーえーさん!」


通学路でふーさんに出会う。

朝からテンション高いなぁと思うが、

まぁそれこそふーさんという感じだし

逆にこうじゃなかったら不調を疑うだろう。


「おはようふーさん」


「なんだか最近元気ないねー?疲れてるみたいだけど

 なにかあったの?」


「…チエちゃんがこっちに来まして」


そういうと、ふーさんはびっくりしたような顔をして言う


「今冬だし、今年は来ないと思ったんだけど…」


「今年はない予定だったそうなんですが、

 おじさんがはっちゃけたらしいんですよ。

 それにおばさんが怒った結果こっちに…」


「あー。おじさんが…学校とかは大丈夫なの?」


「リモートで何とかしてるみたいです」


「あぁ…そんなに使ってるの見ないよね、あれ」


リモートで学校に通う、となったときは物議を醸したらしいが

今では学校に来られないほど病弱な生徒などへの対応に使われている。

チエちゃんの一件のように家庭事情などによる不登校などにも使われ

わりと利便性は高い。


「そういえば、まーさんは?」


この場にいないもう一人の幼馴染について聞いてみる。

いつもこの時間くらいに登校していると思ったのだが…


「おーさんはちょっと急用があるってさっき走ってっちゃった。

 何かあったらしいけど、何があったかは急いでたから聞きそびれちゃった」


「ふーん。何があったんだろうね?」


「なんか暴動が起きたとかなんとか言ってたような…」


「え、怖いね…」


「だねー」


暴動って何が起きたのだろうか?

学校で起きたとするならば大分怖いし

まーさんがそう言う場所に入り浸っていると考えると

それもなんだか怖い。


悩みつつも、今日会った時にまーさんに聞いてみようと思って

私は考えるのをやめた。


◆◆◆◆◆◆◆


「会長!!」


「非泳さん!状況は!?」


「グッドタイミングです!ちょうど全員揃いました!」


僕は今朝非永さんからの連絡を受け学校に急ぐことになった。

ファンクラブの会員の皆がかなり危険な状態になったとの報告を受け

事態の解決のため、報告を受けた僕は非永さんにみんなを集めてもらった。


「みんな!とりあえず落ち着いて欲しい!」


「会長!どういう事なんだよ!?」


「そうだそうだー!」


「ひとまず話を聞いて欲しい!みんなの聞きたいことは大体わかってる!」


そう言っても騒ぎは止まらない。

結果として静かになるまで二分かかってしまった。


「みんなの聞きたいことは多分、永華が二人いるとかの話だと思う」


僕がそう言うと、みんなは再びざわめき始める。


「なんで分かるんですか!?」


「いやお前、永華様の幼馴染だぞ。

 知ってて当然だろう、察されたのは流石ではあるが」


「静粛に。事情を説明するからちょっと静かにね」


そう言うと、未だに騒がしくなっていた一部は沈静化し

しっかりといつも通りの沈黙が戻ってくる。


「最近永華さんのいとこが引っ越してきたんだ。

 家庭の事情らしいけど、みんなが見たのは

 二人目の永華さんはいとこの子だと思うよ」


「なるほど…」


「確かに顔立ちは似てるよな、体つきは違うけど」


「いとこさんの方が身長高いよな、年上なのかね」


実際は年下なのだが、まぁ説明する必要はないだろう。

そんなこんなで今朝の騒動は終わりを告げ、緊急の集会はお開きになった。

金田にはポトリーさんからチエちゃん来てるよ

って連絡があったらしい

福音はたまたま連絡が来ていたのを見逃してた


ブクマ、評価よろしくお願いします!

誤字脱字あれば報告お願いします。

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