修行①
今週はこれで終わり。
逃げたファルを追い、トイキオオメササヤキミミゼメで説得した後。
私たちは予定通りバッバーヒールズ荒野に向かっている。
最近はファルやグリム、ミソラのほかにも
グリムと同時に引いた皆もレベリングしていて、
特にクソt…いやまぁ星の低い召喚獣達のレベルが上がりやすかった。
フェアリー三人組はチームプレイでなんでか超強化されていたので
今はみんな一回ずつ進化していて、ハイフェアリー○○といった
種族になっている。
「強いの近いよ、警戒」
ヒルデさんがそう呟く。
いつもどうやって察知しているのだろうか?
良く分からない…
「見つけたよご主人、どうする?」
隣でミソラが目の前を指差しながらそう言う。
見てみると、確かに強そうな…なんだあれ?
「なにあれ?」
「ご主人が知らないなら私が知るわけないよ…」
「あっ、蜘蛛っぽい」
グリムがそう言うが
蜘蛛…?あれは蜘蛛と言っていいのだろうか?
細長くて関節がたくさんある足が八本くらいあって、
イノシシのような胴体になんだかでっかい水晶みたいな石を
お尻辺りにに生やした亀みたいな顔の巨大なキメラの化け物を見ながら
私は考える。
いや、確かに特徴としてはそれっぽい気がするが、
私の中の何かが認めてはいけないと叫んでいるので
私はあれを蜘蛛とは呼ばないことに決めた。
「あれはたしか…キメリックガドビストって名前だったかな。
昔の魔法使いが作ってそのまま殺されたやつ。
しかも単体で増殖するらしいからめんどい」
あれが?単細胞生物みたいに増殖?
考えただけでぞっとする。
「iギ?」
キメリックガドビスト Lv85 HP■■■■■■■■■(自動回復状態)
こちらを向くキメリックガドビスト…長い、クモドキが
こちらを視認する。
こちらに来る前に行動しなければいけないと判断し、
私はみんなに指示を飛ばす。
「とりあえずグリムが魔法で先制、
ファルは空から状況を見つつ攻撃お願い!
ミソラは私と合体するよ!」
「わかった!とっておきをお見舞いするよ!」
「了解ですご主人様!なぜミソラなのかは腑に落ちませんが!」
「はいよーご主人、いつでもドンとこーい」
ファルの言葉は聞かなかったことにする。
流石にワガママが過ぎないか…?いや竜だしそういうものか。
これまで来たことのない場所の敵なのだ。
警戒するに越したことはないが、最初からヒルデさんの力に
頼ってはいけない。魔導伝承自体とっておきの切り札みたいな
技なのだから、乱発しても消耗するだけだというのも大きい。
「【心獣混身:ミソラ】!」
ミソラの体と私の体が光に包まれ、
私とミソラの体が融合する。
「混身っ、完了!!」
運営の遊び心かいたずら心か分からないが
変身完了したことを強制的に発言させられるので
少し嫌なんだけど、気分は乗るので不満を飲み込むことにしている。
そんなこんなで完全に気付いた私の方にクモドキが向かってくる。
クモドキはけたたましい奇声を上げ、尻尾から岩を針のように
変形させて攻撃してくる。
「…『クウェイクインパクト』!」
呪文を唱え終わったグリムの魔法が
足元を崩し、体勢を崩したクモドキに
崩れた地面から岩が槍状に変形して追撃する。
「gggggg!?I」
急に足元が崩れた上、攻撃を受けたクモドキは
驚きの声を上げる。
「〈フォールストライク〉!」
そこにファルが空中から突撃して追撃を加え、
二回分の攻撃でクモドキのHPがかなり削れていく。
キメリックガドビスト Lv85 HP■■■■■■□□□(自動回復状態)
「gggggg!!!!!」
怒ったクモドキはなんとか崩れた足場から這い上がろうとするが、
ファルの追撃もあって這い上がることができない。
「【ラッシュチャージ】、【凶速加撃】、【白虎錬気】」
私は一撃でクモドキを倒し切るために私のスキルとミソラのスキルで
自分を強化していく。
「【殺意】、【必殺撃】…【高跳】!」
強化し終わった瞬間にスキルで遥か高くまで跳び、
そのままスキルを使ってクモドキに向かっていく。
「【白虎神撃】!!!」
スキルのエフェクトで雷を纏い、クモドキに一撃を与える。
クモドキは足場が安定してないこともあって私の一撃を
モロに受け、消滅する。
リザルト
経験値
エリアボス討伐 250000
エリアボス戦最大ダメージ 185000
合計 435000
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