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久しぶりのSRO

他の視点はいったん終わって本筋に戻ります。

久しぶりの主人公視点

姉の熱心な看病のおかげか風邪は二日で完治し、

普段の日常が戻ってきた。


が、しばらくSROで遊ぶのには不安があったので

お休みしていて、完治してから三日様子見していたが

大丈夫そうなので今日はSROをしよう。


今思えば随分とハマっているものだ。

姉が帰ってくるまではただの睡眠時間増量のための手段だったが、

姉が帰って来てからは純粋に遊びとして楽しめている気がする。


◆◆◆◆◆◆◆


前回ログアウトした広場脇の路地裏、レーシューティングの

おじさんが経っていた場所に戻ってくる。


「おう、久しぶりだなお嬢ちゃん。

 今日もやっていくかい?」


おじさんが尋ねてくる。


「やります」


私は当然即答した。


◆◆◆◆◆◆◆


「楽しかったー!」


5回レースをして、ポイントが足りなくなって

元の場所に戻ってきた瞬間に声を上げる。

レーシューティングもあと一週間しか遊べない。

もうすぐ終わってしまうゲームというのは

ここまで名残惜しいものなのだろうか?

きっとそうなのだろう。


「みいつけた!」


背後から声がする。

振り返ると、そこにはアルルちゃんがいた。


「探したわよフジカ!ちょっとお話しましょ!」


なんとなく、新しい騒動に巻き込まれるような予感がした。

でも、なんとなくそれもいい気がした。


「うん、いいよ。何があったの?」


「実はね、今度新しい機能でギルドっていうのが追加されるらしくてね

 フジカが手伝ってくれるならとっても強いギルドが作れると

 思ったの!」


新しい機能かぁ…そこまで興味があるわけではないが

ちっちゃい子に頼まれて断るほど小心者ではない。


「いいよ、それで何をすればいいの?」


「え!?」


すぐに私は答えたが、それに対してアルルちゃんは驚く。


「どうかしたの?」


「えと、あの…即答されるとは思ってなくて」


うーん。そんなに悪い態度で対応していただろうか?

そう考えて今までの対応を思い出してみると

初対面から一週間ずっと追いかけっこと塩対応だった気がする。


「あー…あの時はちょっとね。

 うん、出来れば忘れてくれると嬉しい」


「うん…うん?まぁいいわ。

 とりあえずギルドを作るためにはコインがいるらしいわ」


「コイン?」


「そう。実力を認めてもらうために特定のモンスター

 を退治した時にもらえるコインを何枚か集めてきて~みたいなものらしいわ」


「へぇ…ちなみにそれって今も集められるの?」


「ボスとか、今のイベントに出てくるちょっとレアな敵とかが

 今は試験的に一枚確定で落とすらしいわ。

 ギルドシステムが導入されたら雑魚を何体か倒したら一枚、

 みたいな感じになるそうよ」


なるほど、分かりやすいシステムだ。

雑魚敵をしばらく狩り続けることでも達成できるのは

初心者救済のような物だろうか?


「何枚集めればいいの?」


「ボス級なら10枚、雑魚なら100枚らしいわ。

 レアな敵はちょっと優遇されてて、5枚でギルドが作れるって話よ」


よーし、お姉さん頑張っちゃうぞー。

私はすぐにフィールドに駆け出した。


「えっ!?ちょ、ちょっと待ってー!」


◆◆◆◆◆◆◆


成し遂げた。

雑魚敵500枚。

ボス級250枚にレアな敵15枚のコインを手に入れた。


「も、ものの2時間でこんなに…?」


コインを取り出してアルルちゃんに渡したら

固まってしまった。



「まだ欲しかった?」


「へ!?いやいや、十分よ十分!

 というかなんでこんなに集まったの!?」


「いい所を知ってるからかな…」


様々な要因が重なって見え見えの落とし穴に落ちた結果

攻略サイトで落ちたら即死、と書いてあったのを謎に生き残った結果

アホみたいに敵が出てくるエリアに飛ばされることを

悪用しただけだ。正直ヒルデさんが

いなかったらあそこには二度と行かなかった。


「と、とりあえずこれだけあればギルドは作れるわ!

 あとは人ね、誘えそうな人はいる?」


「人?人が必要なの?」


「なにかグループみたいなものを作るみたいよ?

 一定人数で村みたいなのも作れるみたい」


はえー、村かぁ…そんなこともできるのか。

人の当ては割とあるからまぁ、大丈夫だろう。



(終わるみたいな雰囲気ですが終わりでは)ないです

《余談》

穴に落ちて敵を全滅させた後

ヒルデさん「定期的にここに来るよ」

フジカ「へ?」

ヒルデさん「修行するよ」

フジカ「え、いy」

ヒルデさん「修行」

フジカ「はい」


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