秘密の日記
ゴールデンウィーク最終日、
皆様楽しく過ごせたでしょうか。
今回はライカとテットウのリアル回です。
今、俺は親友の部屋にいる。
それは何故か?好奇心であり出来心であり深い考えはない。
俺、雷門夏樹は
金原灯夜の部屋で奴の隠し持っている物を探しに来た。
事の発端は数日前、SROで遊んでいた時に遡る。
◆◆◆◆◆◆◆
「オラァ!」
テットウの放った重い一撃が直撃し、
HPを削り切られたモンスターが消滅し
戦闘終了と同時にリザルトが表示される。
目的のブツは…ないな。
「うーん、やっぱ泥率渋いな」
「だぁーっ!あと何週だ!?もう100は倒してるぞ!」
テットウが愚痴をこぼす。
しかしこれ以上やっても無理が重なるだけだ。
もう少しやったら今日は終わろう。
「しゃーない、あと25体倒したら終わるかぁ」
「うげぇ…疲労が明日に響きそうだ、
早めに終わらして日記書かなくちゃな…」
ん…?
「日記ってなんだ?」
「!?っあ、な、っ、なんでもない!!」
テットウのこの慌てようだ、相当深めの弱点と見た。
テットウの弱点の大多数を知っている俺だが、
知ってる弱点は多ければ多いほどいい。
「ほーん、なんか面白そうだなぁ」
「本当に何でもないっての!!」
そんな分かりやすい反応を返し、俺とテットウは
周回作業を少ししてからログアウトするのだった。
◆◆◆◆◆◆◆
へっへっへ、幼馴染であるあいつの事は割と知っている。
この時間、奴は出かけていてここにいない。
おばさんからもこの時間から1時間は帰ってこないことを確認している。
さーてどこから手を付けたものか。
クローゼット、ゲームパッケージを並べた棚、机の引き出し、
ベッドに諸々しまってる収納…どこかに日記とやらはあるはずだ。
まず隠し場所としては机の中だろうか?
一旦探してみるが、文房具と参考書くらいしかなかった。
「けっ、しけてんなぁ」
机の引き出しも二重底なんてことはなく、本当に収納としての役割を
全うしている。つまらない机だ…
次は…王道のベットの下を見るとしよう。
「おっ」
それらしきものを発見。中身を確認すると…
「おー、懐かしーな」
奴と俺の小さい頃の写真だ。
こんなに身長が小さかっただろうか?
そういえばこんなこともあったな…なんて考えが頭によぎるが、
今の目的は日記だ。俺はアルバムを元の場所に戻し、
再びベッドの下を探し始める。
「これだっ!!」
ついに見つけた。
俺はベッドの下の箱の中から日記と書かれたA4のノートを発見した。
「どれどれ~?」
中身を見てみよう。幸い時間はまだまだある。
日記の一か月前の日付を探し、読み始める。
◇◇◇◇◇◇◇
X月X日(晴れ)
今日もいい天気だ。
夏樹のやんちゃさには困ったものだが。
お互いもう大学生だって言うのに、あの自由奔放さは
どうなんだろうか?
犯罪に巻き込まれないか心配だ。
◇◇◇◇◇◇◇
なんだこれは。
畜生、人を子ども扱いしやがって…
奴を後でシメると決意しながらも、
次のページを見る。
◇◇◇◇◇◇◇
X月□日(曇り)
今日もSROをプレイした。
フジカちゃんたちと会ったが、今日も楽しそうだった。
フジカちゃんはお姉さんが大好きなようで
一緒にレベリングすると言っていた。仲良しで何よりだ。
それを見てライカが少し不機嫌になっていたが、
どうしたのだろうか?
◇◇◇◇◇◇◇
あの時は色々あって友達と遊ぶことが出来ず、
羨ましいなーと思っていたが、
不機嫌に見えたのだろうか?
少し不満に思いながら次のページをめくる。
◇◇◇◇◇◇◇
X月〇日(雨)
今日も平和。
◇◇◇◇◇◇◇
◆◆◆◆◆◆◆
駆け足で近付く音が聞こえ、そのあとすぐに
ドアが開く音がする。
「夏樹!?見たね!?」
思いのほか日記を読むのが楽しくなってしまい、
時間を忘れてしまったらしい。
もう一時間なんてとっくのとうには過ぎていて、灯夜が帰ってきてしまった。
俺が日記を持っていることを確認すると、
すぐに俺から日記を強奪する。
「あっ!返せー!」
「返せも何も僕のだよ」
チッ、騙せなかったか。
俺は諦めて灯夜のベッドに腰掛ける。
「せっかく楽しく読んでたのになー」
「人の日記は楽しく読むものじゃないよ、
しかも部屋もこんなに散らかして…」
「片付けてはいるだろー?」
「確かに物の位置がちょっとズレてるくらいだけど…」
「じゃー気にすることないじゃん」
灯夜は黙って天を仰ぐが、
すぐに反論する。
「あのさぁ…」
「なんだよー、文句あんのかー」
「女の子が男の子の部屋にホイホイ入るものじゃありません!!」
「ギャー!!」
至近距離でそう叫ばれた結果、驚きすぎて腰が抜けてしまった。
畜生、あんなデケェ声出されたら誰だって
驚くに決まっている。
「しかも何その恰好!?なんでそうもだらしない格好なのさ!!」
「だって着替えるの面倒だし」
「だっても何もない!!」
「うひぃ…」
ただ緩めのパーカーを着てきただけでこの反応だ。
何て横暴な…!!
「ちなみに言っておくけど、それを続けるつもりなら
僕にだって考えがあるからね」
「ほーん、言ってみろよ」
どうせ大したことはないだろう。
「次やったらおばさんにチクる」
「な、なんだと!?」
クソッ、それをされたら俺はまずいことになる。
お母さんはファッションにうるさい。
いつもは何とかなっているが、こいつにチクられたらどうなるか。
水を得た魚のように俺を着せ替え人形にするに決まっている。
「わ、分かったよ…」
「分かったなら早く出ていってほしいな」
弱みを握られている以上こちらは抵抗できない。
俺は渋々部屋を後にするのだった。
ライカの中身がまさか女の子だったなんて…!?(すっとぼけ)
夏樹ちゃんは身長低くて灯夜くんは高身長かつガタイがいいです。
(鋼の意志)
対格差のあるキャラが仲良くしてるのは好きです
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