水と油のミスマッチ
今章は日常回多めのため、今回のように
主人公以外の視点が多いです。
(というかしばらく主人公視点はないかもしれない)
今回はお隣さんとあの人の話。
うーん今日もいい天気!
私は朝日を浴びて元気を補充する。
背伸びをしながら、部屋を見回す。
嗚呼懐かしき我が家。正直クソジジィが
借金をこさえなければここで永住するつもりだったのだが…
一度実家に帰る時に売りに出さなければならなかった時が
一番心に来た。
縁は切れたからもう心配はいらないんだけど…
まぁ考えすぎる事でもないか。
「何を食べようかしら」
冷蔵庫を開けると、先日買い貯めた食材が入っていた。
食事にありつけるかすら怪しかった頃もあったが
今は逆に選択肢が多すぎて選べない。
「そうだ、卵かけご飯食べようかな」
日本に来たときは生で食べる文化に衝撃を受けたこともあったが
こういう特定分野に関する技術がとんでもなかったり
妙な才能があるのがこの日本という国である。
新鮮
サッと準備して、ご飯を炊いてその間にみそ汁を作る。
朝はそこまで沢山食べられるわけではないので
私はこのくらいの量がちょうどいい。
「いただきます」
まずみそ汁から手を付ける。
具材はネギと豆腐だけだがとてもおいしい。
次にご飯に醤油をかけて混ぜる。
そしてよく混ぜたご飯に卵を混ぜて…完成だ。
久しぶりに卵かけご飯を口にしたからか、
美味しさを感じると同時に少し涙が出てくる。
クソジジィは本当にクソジジィだった。
元々中小企業で新しい電化製品の開発を担当していた奴は
ある時日本のとある企業に商品のシェアを根こそぎ奪われた
結果として、その企業に逆恨みの感情を抱いた。
ジジィの作った商品は悪くなかった。
はっきりと言えば常識的なレベルだったが、
その日本企業の商品は格が違った。
機能は革新的な上で難しい操作を求められず、耐久性も桁外れ。
破格の安さに絶対に品切れしないとまで言われた流通速度。
ジジィの会社だけではなく世界中の大企業も倒産の危機を迎え
世界一の金持ちを決めるランキングの上位50番までを
その会社の重役で埋め尽くすまでに至った
圧倒的なまでの企業としての強さ。
その世界的企業が今はゲーム会社としても活躍しているという噂も聞く。
その日本企業ははっきり言って異常であった。
…まぁそんなこと考える必要ないか!
頑張って今日を生きていくだけだ、目指せ自堕落生活。
目標は小金持ちだ。
◆◆◆◆◆◆◆
玄関からデカい音がする。
部屋の中でまだ片付いていなかった荷物を片付けていたが
即座にスタンガンと催涙スプレーを手に取り、警戒しながら
玄関に向かう。
一旦監視カメラで確認すると、そこには見覚えのある人物が立っていた。
「永樹?」
何故奴が来ているのだろうか…?
ポトリーさんのおじいさんは
普通にいい商品を開発していたのですが
日本の企業に合法かも分からないような新技術てんこ盛り
価格限界値の商品でぶっ潰されたので
かなり怒り心頭でした。
どこの企業やろなぁ…
ちなみにその某企業は競合他社を全てほぼほぼ壊滅状態に
追い込んだらしいです、怖いですね。
まだ残っている大企業だった企業も軒並み
中小レベルにまで規模を落とされたとの噂。
ブクマ、評価よろしくお願いします!
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