僕には平凡は難しい~勇者と魔王の息子に平穏を下さい~
どうもMr.マシンガンです。
(高)評価お願いします。
別作品もよろしくお願いいたします。
人生とは何と生きずらいものだろうか……少なくとも僕にとって、この世界で生きることは並大抵のことではないのだ。
紹介させてもらうがまず僕は人間ではない。
厳密に言えばハーフである。
異世界転移…僕の父はとある国に勇者としてクラスメイトごと呼ばれてしまい何だかんだあって魔王と結婚し、今の僕が生まれて地球に帰還したわけだ。
全てを説明するには、尺的に勘弁してもらいたいが、簡潔に言うと僕は勇者と魔王の息子なのである。
そして今はもう、熱々の熱々である。なお2人の邪魔をすることは原則死罪なのでお気を付けて(もう既に何名かいるから)
そして僕は君達に忠告しておこう。もしも異世界転移で勇者として召喚されても魔王に手を出してはいけない。(あちらの意味で)例えサキュバス的な魔王でとても魅力的だとしても、とても大きな夢や希望(察して下さい)があったとしても…それは何故か
僕のような化け物が生まれてしまうからだ。
まず考えてもらいたい。勇者と魔王の息子だよ?普通なわけ無いじゃん。勇者とか魔王とか単体の息子だけでねもうヤバいって想像つくのに両方とか凄くない?
世界を救う力と世界を滅ぼす力があるわけだよ。もう笑うしかないよね。
せめて勇者同士で結婚したら?って思うよね僕もその意見には賛成するよ。少なくとも幼なじみの彼女は化け物では無いからね。まぁ怒らせると怖いけどしかも弱み握られているから…だから僕はこう思うよね。
「あ~平凡にそして心配の無い暮らしがしたい」ってね
え?何が問題何だって?強いんだから問題ないじゃんって?
そんな事は無い。むしろ強すぎるから毎日力をセーブして暮らさなければいけないのだ。
例えばね僕が本気になれば地球なんて10時間で制圧出来るんだよ。滅ぼすのなら15分でいけるけどね。僕はねそんな化け物だよ。力をセーブしないで生きていけるわけ無いよね。幼少期はそんな事分からないから危なかったんだけどね。でもまぁそこは力を抑えてくれていた父さんに感謝だよ。
余り人には言えないが気を緩めすぎてこれでも5度くらい間違って滅ぼしかけたんだよね。その後は必ず母さんと父さんに叱られたしな…もうしないようにしよう。てか絶対に気を付けないと…母さん怒ると超怖いし。父さんもいつも尻に敷かれているからね。まぁほぼ毎日イチャイチャしているけど
そして最近の悩みはね…おっと危ないまた陣が出たよ。そう最近の悩みはね、この召喚陣だよ。最近これが頻繁に出てくるのが酷くてね。多分何処かで勇者だか魔王を召喚しようとしたんだと思うけど、まんまと引っかかる僕ではないんだよ。
僕を誰だと思っているんだか…この道(召喚陣避け続けて)8年だよ。もはやプロって言っても良いくらいだよね。
まぁ前に僕が避けた陣に3人組の男女が入っていって消えたけど彼らなら大丈夫でしょ…多分。
召喚陣ってね避けると言ってもねコツがあるんだよ。その前に召喚陣って言うのは何個か種類があってね固定座標式とランダム式があるんだよ。前者はね大体が王様が『おー勇者我々を魔族から救ってくれって』ってやつか魔王的なのがね『敵の勇者を倒さしてくれ』ってやつでね、後者は何も言われずに森とか草原に勝手に放置だよ。嫌になるよね。僕はどっちも嫌だけど。
おっとコツの話だったよね。やり方はシンプル陣が出る前に避けるんだよ。え?出てからでも避けられるんじゃないのかって?いやいや甘いよ…中には身動き禁止まで織り込んだ陣や陣が出てから直ぐに移動させられるのもあるからね、微弱な魔力を感知して陣が出る前に避けるのだよ。え?そんなの無理だって?頑張ればそのうち出来るようになるさ。魔王倒した辺りにはね。僕にはこの避け方しか知らないから他はそっちで考えてね。
そもそも何で逃げるのかって?彼らは誘拐とか殺人教唆とか気にしない人達だよ。僕はそんな人達のために働きたくないし、目的果たしても今度は殺しにくるかもってこともあるし現に僕の父さんも危なかったって言っていたし(勿論返り討ちにした)だから僕は必死に避けているんだよね。まぁ本当は間違って世界ごと魔王殺っちゃったら不味いからね。
「カイ?そこで何しているの?」
来たよ天敵が悪魔が…彼女は先程ちょっと出た勇者の子供で名前は西城 ゆり
運動神経抜群、成績優秀、品行方正、そして可愛いという非の打ち所の無い完璧超人だ。ちなみにファンクラブもある。何故天敵だって?それは
彼女は僕の右腕に抱きついてきた。
「カイ今日も一緒に帰ろ…駄目かな?」
これだよ…え?羨ましいって?とんでもない。平凡に生きたい僕には1番の障害だよ。昔から家族ぐるみでの付き合いがあって海に行った時に偶々彼女が溺れかけたのを救って以来こうやって近付いてくるよ。
彼女の目的?勿論分かっているよ。きっと…復讐だよ。
あの海に行った時力の制御が難しく泳げないことを馬鹿にした彼女にイラッときてね、ちょっと水流を操作したんだよ。そうしたら思いの外威力が強くて、アッ…ヤベッって思ってね、必死になって周りの水をどかして何とか助かったんだけど絶対あの時の仕返しだよ。
前に彼女に『僕は平凡に暮らしたいんだ。だから1人にしてくれないか?』って言ったら『照れ臭いんだね、分かったよ。じゃあお昼休みぐらいは一緒にご飯食べようね』って…そうそう話じゃないだろって何度も遠回りに言っても逆効果だったよ。
家に近付いてくると
「カイ?明日は日曜日だし~何処かに行かない?」
ちっまたかよ。こいつ…人が断れないのを知って…あれだろ断ったらあの時のことを出してくるんだろ?分かっているよ。母さん達に言われたら危ないからな。しかも金は僕が出さないといけないんだろ。はぁ…今月厳しいのになあ。
「いいよ」
「やった!明日駅前に9時集合ね。カイ、遅れないでよ。絶対だよ」
「分かっているよ」
彼女はスキップしながら校舎に入っていった。
遅れたら親にばらすだろ。なんて恐ろしいやつなんだ。
「おい凱人今日もゆりさんと登校か?お熱いね」
「…」
「おいおい無視するなって」
彼はいわゆるモブだ。気にしなくていい。ただ席が近いだけのやつだから名前も知らないし、さっきから何か言っているが僕には何も聞こえてないから気にすることはない。
学校は確かに危険だ。だが授業に関しては普通だ。体育は除くが…ただ僕のクラスの体育は少し変だ。何故か?ってそれはね。
「死ね凱人…」
強面1号が僕目掛けてボールを投げてきて僕はそれを軽く避けた。現在僕達はドッジボール中です。何故か皆好きなんだよね。そして敵の大体は僕を狙ってくるし…たまに味方外野も投げてくるしわざと相手にパスもある。
あれ?僕って嫌われてる?それにさっきから僕にたいしての言葉が辛辣なんだけど…
「死に去らせー」
「さっさと当たりやがれー」
「避けるな卑怯もの」
ちょっと最後の人、貴方は味方でしょうが…
「カイ頑張って!」
ゆりから声援が聞こえた。
ちょっとこのタイミングは逆効果だから。マジでやめてくれ。
「てめぇゆりさんから声援もらって羨ましいだろうが!」
強面2号が僕に目掛けて、嫉妬ボールを投げてきた。その後次々と僕目掛けてボールがとんできた。ちょっと味方はあからさまに相手にパスするしあとボール増えてない?3個はきついって…まぁ避けるだけなら力そんなに使わないから問題無いんだよね。
まぁ今回も気配察知と予測使わなかったけどこれくらいは楽勝だったね…
よし何とか今日も避けきったな。
「ちっまたかよ」
「お前達次こそは当てるぞ!」
「「「おう!!」」」
わぁー僕を除いてクラスの男子全員が一致団結しているよ。いやもうやめてくれないかな。あんな怨念のこもったボール当たりたくないしそれに目立ちたくないんどけど。
「カイ、かっこ良かったよ」
「あぁ…ありがとう」
お前が元凶でこうなったんだけどな。はぁ…またクラスでの僕のヘイトが上がったよ。
授業は終わって放課後、あの悪魔は部活でいない。僕?勿論帰宅部さ。誰が好き好んで部活するって、それに終わったら一緒に帰宅しなきゃいけないから嫌だし。昼休みも邪魔にされたんだ。帰宅くらいは自由に…
ブーン
アッ危な…最近これもあるんだよ。トラックだよ。何故か最近引かれそうになってね。別に道の真ん中歩いている訳じゃなくてちゃんと道の端を歩いているよ。
だけどギリギリ塀とか家に当たらないすれすれでくるから本当に悪質だよね。まぁ当たったくらいでせいぜいかすり傷程度だけどね。先日は目の前で子供が引かれそうになってねまぁ飛び出して助けたからその子は無傷だったけどね。僕?勿論無傷だよ。あんなのに当たるわけ無いじゃん。
ちなみに今日はバスにも引かれそうでした。
家に着くと
「凱人お帰りなさい」
母さんが玄関で待っていた。気配察知でわざわざきたのだろう。
「ただいま母さん。今日の夕飯は?」
「今日はカレーよ」
これが魔王とは誰も思うまい。見た目は正直言って20代の金髪の外国人の女性だしおまけに息子から見ても美人である。良くスーパーの買い物に付き合うが、日本語上手ですねとか、旦那さんですかとか言われるし。だが怒らせると誰よりも怖い。僕の1番の天敵と言ってもいいだろう。
「凱人今日お父さん仕事で遅いらしいから夕飯は先に食べましょう」
「珍しいね。いつも夕飯時にはくるのに」
いつもは母さんの夕飯を皆で食べるために帰ってくるのに…それに母さん命の父さんだぞ?何かあるな。
「確か西地区の田中さんとこの組合所に行くから遅れるらしいわよ」
西地区の田中?…
「あぁ…分かったよ」
気のせいかな…その田中組って確か日本の3大ヤクザの気がしたんだけど確か本拠地が西地区にあるって噂があったけど…まぁ田中ってありがちな名字だし組合って言っていたから勘違いだよな。父さん自営業だし関係ないはず…多分。
♪~ん?携帯が鳴っているな
「母さん電話父さんからじゃないの?」
「はーい…もしもしあっお父さん。そう…そう分かったわ。『ぎゃ~命だけは』じゃあ夕飯準備しとくわね。気を付けてね。お父さん夕飯には間に合うって良かった」
気のせいかな何か悲鳴のようなのが聞こえた気がするけど…まぁ気にしないきにしない絶対に僕はキニシナイ
……
「ただいま悪いな少し遅くなったな。ほらお土産」
「あら!ケーキね。夕飯食べ終わったらデザートで食べましょう」
…父さんのスーツに何か赤いのが付いているけど…ちょっと興味本位で
「父さん仕事どうだった?」
「ん?仕事か?今日大きな商談が片づいてな。明日からゆっくり出来そうだ」
「あら、良かった。じゃあ夕飯にしましょう」
赤いしみの付いたスーツを着た父さんと能天気な母さん…あぁ今日はまだ平和だな。
♪~父さんの携帯が鳴った。
「もしもし…母さんちょっと電話だから席外すよ」
多分仕事の電話だな。何事も無ければいいけど。
「あ?今から夕飯食べるんだが何だ?…あぁ…あぁ30分待て。何?間に合わないだと…馬鹿野郎が!!家に帰ってから仕事増やすなと言ったはずだよなこちとら今帰ったばかりなんだぞ!!そいつはお前達で何とか時間稼ぎをしろ。あぁ…30分待てそれ以上は無理だ。分かったな?」
父さんこえ~頑張れ父さんの会社の皆
「母さんごめんよ。急に仕事入ったから夕飯食べたらすぐに行かなきゃ行けないんだ」
「そうなの…じゃあ早く食べないとね。それと気を付けて早く帰ってくるのよ」
……
「それじゃあ行ってくるよ」
父さんは仕事に行ってしまった。ドアを開ける前の父さんはそれはそれは恐ろしかった…でも恐ろしいのはこちらではない。
「さて~私とお父さんの時間の邪魔をしたのは誰かしら…フフフ」
ヒッ!!笑いながら怒っているよ…そしてその後は恒例の母さんのストレスの発散だな。母さんは普段はとても優しい。だけどね怒らせるとこの世の誰よりも怖くなるんだよ…ガクガクブルブル…
「母さんもちょっと出かけるから凱人は…」
「はい部屋で大人しくしてます」
余りの恐怖でつい敬礼してしまった。母さんはそんな僕には目もくれず、行ってしまった…ん?何処にって?ちょっとゲートで魔界にストレス発散に行ったよ。今頃巨大クレーターがいくつも出来ている頃だろう。
…よし風呂に入って寝よう。はぁ…明日はあの悪魔に金使わせられるからなぁ…
これが僕の1日だ。いくら強い僕でも家庭内のヒエラルキーは低いし、幼なじみの悪魔には勝てない。だからこそお願いします。
誰か平穏な日常を僕に下さい。
ポイント評価お願いします。作者の心の支えになりますのでよろしくお願いします。