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インスタ!〜スタミナ極振り没落令嬢、今日もVR世界にダイブ・イン!〜  作者: 地雷源
第三章 ビュンビュン! 神風盗賊ブレーメン!?
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結果はなるべくしてなるもの


~前回のあらすじ~

止まらないクレインに、おぼろが立ち向かう!

 

 上から剣を打ち据えてくるクマ鬼にもおぼろちゃんは怯まない!

 迷うことなく刀で受け流してそらしつつ、すぐさま飛び上がって横なぎに来るもう一方をかわした!


 そしてそのまま落下する重みを加えて、眼下のクマ鬼に刃を振り下ろす──けれど、クマ鬼も負けてない!

 振り下ろされるその太刀を受け止めて力任せにおぼろちゃんをはじき飛ばした!

 軽々と突き放されたおぼろちゃんはくるりと宙がえりしながら体制を整え、


「【一刀・初夢】!」


 着地の瞬間一気に加速!

 またクマ鬼の目の前まで踏み込んで刃をふるう。

 けれど構えていたウロコ模様の剣がそれを阻み、


「【フレアスラスト】!」


 動きの止まったところに炎をまとった紫の剣が襲い掛かる!


「【無影剣】!」


 眼前に迫る刃を見ておぼろちゃんが発動させたのは、少しだけ身を引いてからもう1度踏み込んで斬りつけるスキル【無影剣】。

 それを剣どうしがかち合っている状態から発動させ、ひじが伸びきるところまで引き付けてから踏み出して受け流(パリィ)し、そのまま深くもぐりこんだ!



 一連の所作はおぼろちゃんがPKをやらかしまくってた時に覚えた応用ワザ……らしい。

 ひじのばねが伸びきったところってのがミソで、この状態から攻撃を加えて勢いを殺せば、よほど力に差がない限りはどんな近接攻撃でも受け流すことが可能なんだそうだ。



 そうして始まるのは鍛えられた鋼同士で小気味よく音を響かせつつ両者一歩も引かない、まさしくしのぎの削り合い!


「やああああっ!!」


「く、こいつ……!」


 流し、防ぎ、かわしてまたかち合うこの攻防は、おぼろちゃんが優勢に立ち回れてるようにみえる。

 人間相手にスキル威力を引き上げる代名詞【辻斬り】を持つおぼろちゃんの動きは一回一回がそのまま致命傷につながりかねない。

 ましてや超至近距離だ。常に間合いの内側におぼろちゃんがいるもんだから、クマ鬼は攻めるにも守るにも一苦労で、どうしても釘付けになってしまう!


 ……もしかしてこのままほっといた方が一番楽に解決できるんじゃ?


 そう思い始めたけど、いやいやと私は首を振った。

 クマ鬼ことクレインをこのまま殺してやるわけにはいかない。

 第一ここが下水道の端にある通路ってこと以外、私たちは何もわかってない。何も考えずに殺せば、私たちが出てくるまでの間に先回りされる可能性が非常に高い。

 だから縛る。縛って事情を説明するなりしておとなしくさせる。これがベスト!


「【スーサイド】オン!」


 そのために必要なモノは今、【半壊のチェインメイル】から作り出す!

 なんてったって(チェイン)だもの! うまいことなんやかんやすれば丈夫な鎖に戻るでしょ……戻るよね? チェインメイルって服の編み方がそれっぽいからチェインってわけじゃないよね?

 大丈夫よきっと、がんばれがんばれ! できないって思わなければできないわけないんだから!

 私は竜だって倒したんだから……やればなんだってできるのよ!!


「……なあリーズ」


「ひゃ!?」


 チェインメイルと【ガラクタ】そして【石材】をボックスから取り出して釜に入れた時、後ろからシオンの声がして思わず変な声を挙げてしまった。ちょっとー! 今作業中なんですけど!?


「わ、わりい……今大丈夫か?」


「ムリ!」


 力なく聞いてくるシオンに私はきっぱりと言ってやった。

 シオンはどてっとずっこけた。


「そこは時間なくてもちょっとだけよ、とかいうとこじゃないのかよ!」


「だってホントに時間ないんだもの!」


 おぼろちゃんが体を張って時間を稼いでくれてるとはいえ、あんな捨て身の攻防じゃいつ勝敗が決まるか分かったもんじゃない!

 そうでなくてもHPがごっそり減っていくから1秒だって無駄にできない!

 ここまで薬も使わずに錬金術やってるせいで、残りのHPだって危ういんだから!


「なんだってんだよ! おれがお前ら巻き込んだせいであのおっさんの中じゃ共犯になってんだぞ!? お前たちはカンケーねーのにおれのせいでこうなっちまったんだ! だから──!」


 あーもーうるさいないちいちいちいち!

 クマ鬼とおぼろちゃんのセリフで変に罪意識感じやがって!

 とうとう逆ギレをカマしてきたシオンに対し、私は深く息を吸ってから……!


「おれのせいとか言うな! 結果ってもんはなるべくしてなるもんなのよ、いろんな原因が複雑にカラんでそうなんの! 誰か1人が全部悪くてこんな結果になった、なんてことは絶対にないのよ!」


 この状況1つとっても、モトを考えていけば起点はシオンが説明を読み飛ばしたことだけじゃない!

 運営が調整ミスをした!

 現場にいた憲兵がシオンを追っかけまわし、ここまで追いやった!

 そんな時にマルジンさんの依頼を受けた私たちが来てごたごたに対処した!

 そして事故に巻き込まれたクマ鬼がここまで殴り込んできた!


 クマ鬼がハナシを聞けば! 私たちが来なければ! NPCがすぐシオンを見失えば! 運営が調整ミスなんてしなければ! 他のどれがどうあってもこんなことにならない!


「それに、あんたが私たちを巻き込んだことについて悪いと思ってるならお門違い! だってそれは私が興味本位で事件にかかわったせいなんだから!」


「……!」


「だからあんたが少しでも悪いことをしたって思ったんなら、罪悪感が出たんなら……! その矛先は! 直接あんたから被害を被った相手に向けろーー!!」


 目を見開きながら押し黙ってしまったシオンをよそに、釜の中身が光りだし、中から鎖が顔をのぞかせた!


 ~~~~~~~調合成功!~~~~~~~


 ロック・チェイン 獲得!


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 よっしできた鎖! さっすが私! さっすがゲーム!

 後はこれでクマ鬼をぐるぐる巻きにすれば……!


「リーズさ──きゃ!」


 クマ鬼へ顔を向けようとしたのと、おぼろちゃんが私に向けて声を出したのがほぼ同時だった。

 そしておぼろちゃんが押しのけられたのを視界にとらえたとたん、肩を何かに薄く切り裂かれた。


「浅いか……!」


 残り50まで減ったHPと舌打ちするクマ鬼の言葉で、きっと装備していた剣を投げつけてきたんだろうってのは予想がつく……けど!


「あ、あんたその姿……いったい何!?」


 クマ鬼にようやっと目を合わせてみれば、両肩のところから新しく別の真っ白な細い腕が生えていた……!


「【第二の変・婆娑羅(バサラ)】……!」



ここまで読んでいただきありがとうございます!

これからもなにとぞ!

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