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インスタ!〜スタミナ極振り没落令嬢、今日もVR世界にダイブ・イン!〜  作者: 地雷源
第二章 グルグル! 混ざりあえ、強欲の灰被り姫!
18/87

錬金術と死にたがり! VSファラ信者過激派!


前回のあらすじ!


街道をゆくリーズとアルに、謎の集団がせまる!?



 

「……【黒鎧】スレーター!」


「おお、知ってくれてるのかいうれしいねえ……」


 現れたのは逆光を常に浴びてるのかってくらいの真っ黒な全身鎧。

 スレーターというヒゲを立派にたくわえた鎧騎士のおじさんはゆっくり、間延びした声でしゃべる。


「この先はさ、ファラさんが大事な公開収録をするから、君たちは近づいてはいけないよ? 邪魔になるからね」


 いいながら彼は右手の大斧を頭上に構える。

 いかにもいうことを聞かないならまとめて殺すって感じね。


「あなたがウワサのファラ過激派信者ね……?」


 なんでこんなとこにとも思ったけど、1人も逃したくないなら視界の悪い山なんかで見張るより、実質1本道のここで待ち構えてればいいもんね。


「心外だなぁ、僕らだってただのファンさ。 ちょーっと心配性なね。 輝かしくある彼女には当然、変な虫も湧くだろう? だからこうやって汚れ仕事をして」


「【ゲヌークの汚染水】でりゃあ!」


「げぶぅ!?」


 保護者気取りのおっさんが長話をおっぱじめたスキに、私はアイテムボックスから秘密兵器その2、マジックポットのツボに水と産業廃棄物を合わせたアイテムを取り出し中身をぶっかけた!

 そんなに汚れたいならこれでも味わってろ、ってね!


「あっつ! あっつ! あっつぁ!?」


 ツボの魔力で醸成させた汚染水には力が宿る!

 かかれば確率で毒か麻痺の状態異常!

 HPじわじわ減ってるし、少なくとも毒にはなったわね!


「スレーターの旦那ぁ!?」


 そしたら街道の外からなんか若い男の声!

 多分弓を射ったやつ!


「アル!」


「剣よ輝け、【ブレイドインパルス】!」


 横にいるアルの呼びかけに合わせて剣が光りだし、飛ぶ斬撃となって声のした方へ襲いかかる!


「しまっ、ぎゃぁぁぁあ!!」


「よっし!」


 ヒットを確信した私はガッツポーズ!

 あとはそこで悶えてるおじさんだけだし、これは私たちの勝ちでしょ!


「いや、もう1人だ! 油断するな!」


「あーもう! 役に立たない前衛ね!」


 アルの言葉通り、顔中真っ白で派手なメイクをした女の人が保護者気取りをかばうように現れた!

 丸っこい羽付き帽子にストール姿は吟遊詩人? でもなんでこんなに前に?

 確か後衛職のはずじゃあーー


「【ショッキングブルーメ】!」


 瞬間!

 つまびかれたギターからとんでもない不協和音と波動が流れ出し、私たちは一気に吹き飛ばされた!


「はっはー! 気持ちイイーー! 【バンデットスクリーム】!」


 そこから自分に酔い出した吟遊詩人? の女の人は追撃!

 ギュイン!と音を奏でると空気が渦巻き、私に向かって射出される!


「やばっーー」


 かわしてる余裕はない!

 私は開きっぱなしにしてたウィンドウに手を伸ばす。

 こんなところで秘密兵器をたくさん使いたくないけど……!


「【クラッシュピラー】!」


 剣を地面に突き刺しながら発せられたアルの声。地面から貫くように現れた巨大な刃が、風と音で作られた弾を弾き私の身を守ってくれた!

 けどそのあと何度も叩きつけられる風がマジで怖い!ガリガリ聞こえる!


「大丈夫か?」


「あわわわっ……なによあれ! なんで吟遊詩人がロック奏でて攻撃してくるの!?」


「ロックもまあ音楽だしな……あれがあいつのスタイルなんだろう」


 アルの話では、β時代にはあーゆー感じの人は結構いて、足払いに魔法をかけて広範囲を転ばせてくる格闘家とか、ワープからの毒ナイフでめったざしを狙ってくる魔道士とかがそこそこいたらしい!

 嘘でしょ!?

 このゲームおかしすぎでは!?


「ぐっ、うう……」


「ほら、おきなよオジサン! ファラ様のタメにさ、自慢の斧であの剣叩きおってくんなよ!」


 盾になってる刃の向こうで保護者気取りも起き上がったっぽい!

 ロック女でさえ厄介なのに、壁になる鎧騎士が合わさったら手がつけられなくなる……けど!


「逃げるか?」


「じょーだん! 私、前しか向かないから!」


 こんなとこでメゲるようなら、どっちみち火山なんて無理に決まってる!

 それに、まだ秘密兵器はあるしね!


「ぬおおおおりゃああああああ!」


「アルはロック女まで回り込んで! 鎧騎士はどうにかするから!」


「がってん!」


 保護者気取りが刃の壁を粉砕したのを見計らって、私たちは左右にわかれる!


「逃がさんぞお!」


 そうはさせまいと、保護者気取りは横スイングで私たちをまとめてなぎ払おうとする。

 けどそれこそさせない! 私はアイテムボックスから3つ目の秘密兵器を取り出して、そのまま叩きつけてやった!


「【凍結結晶】!」


 触れたものを固める氷の粒!

 リキッドウェアを固めるのに作ったモノで攻撃アイテムじゃないけど、鎧で鈍い上に汚染水でずぶ濡れなこいつには効果てきめん。

 一瞬で右半身を氷漬けにしちゃった!


「スキあり! りゃりゃりゃりゃりゃあああ!」


「ぐわあああああっ!!?」


 茂みに飛び込んだアルを見てから、私はブリッツを乱射! 保護者気取りのHPを一気に削りとっていく!


「ち、世話のかかる! バンデットスクリーム!」


 途中でロック女が風の魔力弾で割って入ろうとするけど、


「む、だ、だあああああああ! ブリッツーーーー!」


 もう遅い!

 気合の一発で保護者気取りごとそれをなぎ払った!


「なっ!?」


「にいいいいいいいーーーー!!?」


 雷の初期魔法にこんなに威力があったら、そりゃあそうもなるわね!

 私もちょっとびびってる!

 カラクリは装備してるボルテージバングル!

 これの効果は、同じスキルを連続で使うほど威力が上がっていく!

 スーサイドとブリッツでクールタイム? とかいうのを無視できる私とは相性サイコーってわけよ!


「ば、ばかな……初期魔法で…………どうしてーー!」


 驚いた叫びとともに保護者気取りはポリゴン片になって消え去る!

 そして、


「らあああああああっ!」


 最後にロック女の横からアルが飛び出し、悲鳴をあげさせる間もないままけさがけからまっぷたつ!


「が、は……っ」


 あれだけやかましくギュインギュイン鳴らしていたロック女も静かに消えていったのでした……。

 ということは? もしかして?

 アルの方を見ると彼もこっちを見てぐっ、と親指を立てた。

 そう、これが私の対人戦初勝利。

 私は相棒に駆け寄ると、


「イェイ!」


 2人で高らかに勝利を祝したのでした。




【ゲヌークの汚染水】

カテゴリ:毒物、水

魔力のこもった壺に毒物を入れることで、入れた水を毒水に変える水瓶にしたもの。

命中したモンスターや人間に、ランダムで麻痺か毒を付与する。



【凍結結晶】

カテゴリ:神秘、素材

錬金術士や薬士が水属性アイテムの調合をしたとき、たまにできる魔法の結晶。

ダメージを与えられないが、近くのものを凍らせることができる。





ブ゛ッ゛ク゛マ゛ー゛ク゛の゛数゛が゛2゛0゛0゛超゛え゛ま゛し゛た゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛!゛!゛


やりましたー!!

未だ序盤のインスタ(この作品の略称ですよ!)、これからもよろしくお願いします!


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[良い点] やったねリーズちゃん! 初PKおめでとう!(´。✪ω✪。`)  なおこのゲームは最初からおかしい模様(◜ᴗ◝ )‬
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