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夫婦円満の秘訣

作者: 星野紗奈

どうも、星野紗奈です!


こちらは、友人に「テーマちょうだい」と声をかけたら「傷」というお返事をいただいたので書いてみた作品です。

与えられたテーマで工夫して書く練習もしていきたいですね……。


それでは、どうぞ↓

「私、顔に傷のある男性に弱いんです」

 唐突に、嫁がそんなことを言った。反応に困った俺の口からは、申し訳程度の「はあ」という言葉が発された。

「この前、今までの推しがみんな顔に怪我を負っているってことに気づいたんですよ」

 俺の嫁は、所謂オタクだ。漫画やアニメ、ゲームの話を熱心にされるが、俺にはさっぱりわからない。それでも隣にいたいと思うのは、きっと俺が嫁をどうしようもないほど愛してしまっているからだろう。

 そんな俺たちは、結婚してそろそろ四年になる。結婚したら喧嘩が増えて不仲になる、なんて噂もあるが、俺たちの間に大きな溝が生まれることは無かった。大抵は言葉が少し足りないだけで、しっかりとそこを補えば大丈夫だということをお互いが早々に理解し、行動に移すことができたからだ。

 続けて先輩気どりをしているようで悪いが、夫婦円満の秘訣と言うのをこっそり教えようと思う。それはずばり、受け入れることだ。嫁の愛を堂々と受け止めてこそ旦那という肩書を背負える、というのが俺の持論だ。そして、俺はその筋を捻じ曲げたことは一度もない。無論、今後もそれを変える予定はない。

「でもまさか、わざわざ俺の顔に傷をつけるとはなあ」

 俺が思い出したように言葉をこぼすと、嫁は小さくはにかんだ。

「初めて会ったときから、傷が入ったらますますかっこいい顔になるだろうなって思ってたんです」

 結婚して一年が経った頃に、突然、顔に傷をつけさせてほしいと言われた。正直なところ、すごく動揺した。しかし、俺には自分の信念に反する行為をすることはできなかった。俺が了承したのち、額から左目の上瞼、下瞼に向かって一筋の傷跡が刻まれた。こんな言い方は少しおかしいが、何故か嫁は傷をつけるのが大変上手く、痛みはあまり感じなかった。今も左目の視力に問題はないし、日常生活で困ることはないので、傷をつけたことに関しては別に後悔していない。あえて困ったことを挙げるならば、すれ違って泣く子どもが増えたことぐらいか。

「二次元を三次元に投影したらなんか違う、みたいなのよくあるけど」

「二次元から三次元にひっぱってきたようなビジュアルをお持ちの方が何を言ってらっしゃるのでしょうか」

「あー、まあ、もう過ぎたことだしな」

 嫁はあたたかな笑みを浮かべ、愛おしそうに俺の顔の傷をなぞった。

「傷はつけさせてもらいましたけど、ちゃんと愛していますよ」

「……俺もだ」

 いいか、大切なのは受け入れることだ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました(*'▽')

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