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初めての入浴に注意

 

 食後、デリアス達に食器を任せて私はお風呂を入れに浴室に向かった。

 前回入れた湯はそのままになっており冷たい。この際なので水の魔石がどれほど綺麗にしてくれるのか試してみることにした。

 入れた途端、シャンっと音がして水が綺麗になった……のか?

 元々汚れていなかったからいまいちわからないけど、水の魔石の輝きが淡くなったので魔力を使ったのだろう。

 魔力貯蔵に水の魔石を近付けると輝きが増し、魔力貯蔵の方はちょっと液体が減っていたので無事回復できたようだ。


「はー便利、これで毎度ビシャビシャにならなくてもお風呂入れられるわ…でも」


 何度も同じ水ってのが、心情的になんか、嫌だな………2回入ったら水は変えよう。そうしよう。


「ファイヤーウォール」


 前回同様、水の中に火魔法を展開して温める。


「うん、良い感じかな」


 一瞬でお湯にできる魔法やばいな。


 ふと思った。風魔法で擬似洗濯機できないか?

 しかも送風をすれば、乾燥できそう。

 今着ている服は洗濯するので試して見る事にする。

 大きめのタライに水をはり、その中に来ている服を脱ぎ入れる。

 そういえば、全然ステータスカード見てなかったな、とsp振り分けのついでに開く



「え!?」


 〚クライマー〛

 ヒューマン 14歳 男

 狩人Lv.8  ただの人Lv.2  薬師Lv.7  商人Lv.3  魔法使いlv.4  料理人lv.9

 称号:精霊使い 竜人使い 奴隷主   

 シャツ  半ズボン  革の靴  帽子  ダガー


 ボーナススキル(隠匿)

 SP:10       魅了Lv.2

 職業再振り分け   話術Lv.6

 sp再振り分け    鑑定Lv.3

 生活魔法      手当てLv.1

 自動調合

 自動裁縫

 自動工具

 調理加速

 大工加速

 石工加速

 幸運


 いつの間にか知らない項目がかなり増えていた。

 まず、職業の欄が4つから6つまで同時につけられるようになっていたのと、職業、ただの人以外のレベルがアップしている。狩人はレベルが4から8に、薬師は4から7に、商人は1から3に、魔法使いは1から4、料理人は謎だが、レベル9と一番高い。パンとか、料理したからだろうか?

 狩人はダンジョンで大量にモンスターを狩ったからだろう。薬師は毎日ポーションなどを調合しまくってるからだな。商人は服を購入したから?とか?この辺りはよくわからないので置いておこう。魔法使いは1度魔法で倒した以外だと、お湯を沸かすのとかで行使したぐらいだがそれも影響しているはずだ。修行してもレベルがあがるって事かな?

 結構ハイスピードで色々上がるのに嬉しさを感じる。


 その下の精霊使い、竜人使い、奴隷主は称号のようで、それぞれ鑑定をする。


 〚精霊使い〛

 精霊と契りを結んだものが得られる称号。一目置かれる。


 〚竜人使い〛

 竜人と契りを結んだものが得られる称号。一目置かれる。


 〚奴隷主〛

 複数の奴隷に良い主と認められているものが得られる称号。認められなくなった瞬間この称号は消滅する。一目置かれる。



 ……おう、精霊使いと竜人使いは一目置かれる、ってのは恐らくステータスカードに乗るのだろう。

 奴隷主も、一目置かれるとあるが、これは奴隷を買うときに有効打になるかもしれない。出来るだけ友好的な関係を結びたい私には願ったりかなったりの称号といえる。


 次に1番機になっていた、隠匿スキル欄の生活魔法をチェックする。


 〚生活魔法〛

 生活において欠かせないあらゆる行動を一瞬で終わらせられる便利な魔法。想像のみで行使可能。


 あらゆる行動を一瞬で終わらせられる……

 あらゆる行動を……


 ちらっとたらいに浸してある服を眺めつつ、一瞬で洗濯終わってくれないかな~と念じてみるとパッと洗濯された服がたたまれていた。触り心地はふわふわとしており、匂いは前世で使っていた柔軟剤フローラル。


 完璧に洗濯されている!!!

 感動だ。え、まてよ。そしたらお湯も想像で……?


 この樽から温泉流れてくれないかな~

 服を取り出して残った何もない樽から、ごっぽっと温泉が溢れ出てきたと思いきや、だばばばばっと際限なく流れ出るお湯。感動もほどほどに足元が水浸しなのに気が付く。

 排出が間に合ってないっ


「わ、やば、ストップ!!」


 そう叫ぶと、ピタッと止まったお湯に安堵する。

 これ、無限温泉???出来るじゃないか。温泉宿……良いな


「マスター?悲鳴が聞こえましたが、大丈夫ですか?」

「あーうん!大丈夫!もうすぐお風呂沸くから用意しておいて」


 ドア越しに尋ねてきたセルに何もない事を伝える。

 自動調合などは手にした時にチェック済みなので残すは嫌な予感がする魅了Lv.2だ。


 〚魅了〛

 相手を思うがままに操ることができるスキル。常時使用不可。


 ひょえっ1番おっそろしいスキルじゃないか。

 一生使わないようにしよう。平和が一番

 これで新しいスキルはすべて見終わったのでステータスカードを閉じる。いやーびっくりしたな。これからは定期的に見ることにしよう。


「マスター用意ができました、入っても?」

「あ、うんどうぞー」


 ガラッと戸を開けて、私と同じように腰にタオルを巻いたセルが入ってきた。

 細マッチョなのに腰細いし手足長いな…モデルのようなセルをあまり眺めるのもあれなので、目をそらして入浴の説明を始める。


「お湯につかる前に体を洗うんだ。汚れたままだとお湯がすぐ濁っちゃうからね」

「そうなのですね」


 いちいちお湯を汲んで流すの面倒だな。生活魔法でシャワー作れるんじゃないか?


「セル、ちょっとそっちの椅子に座ってくれる?」

「?はい」


 疑問を持ちつつ風呂椅子に座ってくれたセルの足元にめがけて手を向け、お湯出ろ~と念じる。

 シャワーのように細かく放水することに成功した。


「!?」

「どう?あったかい?」

「ええ、とても暖かいです」


 驚き固まったセルも私の質問に体の緊張をほどいた。

 しまったな、事前に何するか言えばよかった。

 ていうか、体洗わなくても生活魔法で体をすっきりさせればいいんじゃないか?


「セル体洗わなくていいから、ちょっと見ててくれる?」

「?はい」


 またしても疑問符だが体を洗おうとしていた手を止めて言われた通りにこちらを見てくるセル。

 なんか緊張するな。いや、これはちゃんと洗えているかどうかの確認してもらうためだし、よし。目を閉じて集中する、髪の毛はトリートメントを終えたさらっさらなイメージで、ボディソープで体を丸っと洗ったイメージ……


「!マスター、良い香りがします」

「お、成功したおわああっ!」


 ぱっと目を開けると至近距離にセルの美しい顔。距離を取ろうと慌てたら後ろにすっ転びそうになった所をセルにがっちり支えられた。お風呂場の堅いタイルに後頭部打ち付けずに済んでよかった……。ぶつけたらたんこぶ間違いなしだ。


「ありがとうセ、る、さん!?ひえっ」

「ん、とても良い香りです」


 支えた腕で腰をぐいっと引かれて首元に顔をうずめられる。セルの髪がこそばゆいっっていうか首下でしゃべんないでほしいっていうか。距離とろうと置いた手の先は素肌でひえっお風呂だから服着てないのは当たり前なんですけどね!?セルが息をするたびに動くしなやかな筋肉に顔が熱くなる。

 どうすればいいんだこれはっパニック寸前でセルが顔を上げ、耳元で口を開いた。


「目を閉じられたとき、キスを強請られたのかと思ったのですが違ったようで残念です。ですが、これはとても良い香りだ…」

「う、あ、セルもね!ほら!今の魔法で体!綺麗にしちゃうから離して!?ね!?」

「ふっマスターは本当に愛らしい」


 最後にすりっと頬を寄せられそっと離される。

 顔を抑えてしゃがみ込む私の髪をそっとなでちょっと残念そうに話し続けるセル。


「髪も凄くサラサラで、乾かす役目もなくなってしまいましたね。体も私が洗って差し上げたかったのに」


 確かにこっち見てって言って、目を閉じたらそう考えるのも間違いはないっからもう本当私ろくなことしないなっ


「んんっよし、セルの体も洗うからじっとしててね」

「はい」


 楽し気にこちらを見つめるセルに生活魔法をかける。髪の艶が増したので無事出来ただろう。


「マスターと同じ香り、ではないですね」

「ほんとだ。柑橘系?だね」


 特に意識していなかったが人によって香りが変わるのかな?


「この香りもとても好みです」

「ん、ならよかった。体も洗い終わったし湯船につかろう?」


 2回目の湯船に心ウキウキに腰のタオルをとって何度かかけ湯をして入浴する。

 タオルを軽く洗い頭上に乗っければこれぞ極楽温泉だ!

 ふいーと息を吐く私一連の動きを真似てセルも腰のタオルをとってーー……ばっと顔を背ける。

 危うくセクハラするところだった。いや、前世の記憶からしてこう、ね、気恥ずかしいものがある。


 何度かかけ湯をする音が響くと、失礼しますと湯船にセルが浸かった波紋が広がる。


「ああっこれは……良いですね。とても癒されます」

「ふふ、気に入ってもらえたようで良かった」


 首元まで湯船につかり、頭にタオルを乗せてお風呂を堪能するセルに口元が緩む。

 セルの表情からしてもうお風呂の虜だな。

 私が一方的に思っていた気まずさもどこかへ行ったので風呂の淵に腕と頭を乗せてリラックスする。


「んー、1日の疲れが吹き飛ぶよねぇ」

「ええとても、これは王族貴族が好む理由もわかります。毎日入りたいぐらいです」

「だよね」


 他愛のない話をして入るお風呂最高だわ。

 んー大分温まったしのぼせる前に出よう。前世だったらもっと長く入ってられたんだけど体が子供だからかな?


「セルそろそろあがろう?のぼせたら大変……セル?」

「あ、はい。そうですね」


 ザバッと立ち上がってセルに声をかける、が様子が変だ。

 反応が鈍いセルの顔は耳まで真っ赤だ。


「あーのぼせちゃった?立てそう?」

「いえ、あーっと。デリアスを、呼んできていただけますか?」

「分かった。おぼれないように淵掴んでて!すぐ戻るっ」


 立てないぐらいのぼせてるとは思わなかった。私ではセルを抱えるのは到底無理なのでデリアスを呼びに風呂場を出た。

お読みいただきありがとうございます。

今後ボーイズラブが加速していきますのでよろしくお願いいたします。

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