4話
前回から4日も掛かってしまいましたが、なんとかやっと投稿できました!お待たせして申し訳ありません!
それと現在この作品の新しいタイトルを募集しているので、もし良かったら感想欄に思い付いたタイトルを送ってもらえると嬉しいです!
俺は自分なりに考えた六段階の作戦をレナに伝えると二つ返事で了承してくれ、早速第一段階の敵陣をエルフ達にカメラで写真を撮ってきてもらった。
『あぁ~疲れた...』
撮影は上手くいった。だがっ、その撮影の仕方をエルフ達に教えるのに大変苦労した。フラッシュなんて使ったら速攻でバレるのでしっかりと切り方、今がオンオフどちらなのかを何処で見るのかなど、他にもピンぼけでは困るので撮った写真の見方など教えるのが大変だった...。
だが、その甲斐あって敵陣の情報をゲットした。
敵の装備は剣と槍、そしてエルフの弓を恐れてるのだろう大きな盾、タワーシールドを持っていた。
因みに防具は、恐らく普通の兵士は着けてなく、身分の高い奴だけ金属鎧を身に付けていた。
そして物資の位置も分かった。よほど大事なのだろう敵陣の中央に恐らく司令部だろうテントと隣接して大量の物資が積まれていた。
「レナ、皆にありがとうって伝えてくれ」
俺がそう言うと隣に居るレナがエルフ語でたぶんありがとうと偵察に行ってくれたエルフ達に伝えてくれる。エルフ語も覚えないとな...。
「じゃあ、レナ。俺は1度戻って物資を調達してくる。あれ、持ってきた物は好きに使ってくれ」
「はい、ありがとうございます」
それだけ言うと俺はゲートを通って地球に戻る。そして財布をポケットに入れ、リュックを背負うと早速、自転車に乗ってホームセンターに向かった。
*
今回欲しいのは火炎瓶の材料、ガソリンと空き瓶だ。ホームセンターで買うのは空き瓶と、ガソリン専用の携行缶という物があるのでそれを買う。
『けっこう高かったな...』
空き瓶が小さいので1本400円ぐらいしたのは驚いた。それをエルフ達用に10本と、俺用に1Lのデカイ空き瓶を2本買い、20Lの5000円ぐらいした携行缶も買った。早く収入が欲しいところだ...。
『あっ、そいえばロケット花火どうしよ』
いくら人間で変装もしてたとしても敵陣に入ればチェックぐらいはされるだろう。そうなれば言葉を知らない俺は1発アウトだ。なのでロケット花火のような派手で注意を引く物を容易しないといけない。
『って言っても今、まだ春なんだよな...』
流石にホームセンターといえど夏でもないのに花火なんて置いてはいない。ならば残る手段はネットショッピングという道...だが、例えお急ぎ便を使ったとしても、こんな田舎だと最低でも2日は掛かる。
けどまぁ、俺の命も掛かってる以上、妥協はできないのでスマホで早速、大手のGanzisという通販サイトで大量のロケット花火をケチらず注文する。
するとお急ぎ便で1~2日の到着予定だとメールが来る。こんな田舎にほんとかよ?。
『まぁ、2日だとして、その間なにも起こらなければ良いけど...ロケット花火無しで放火作戦とか自殺行為だわ...ん?あっ』
自殺行為で思い出す。俺は次いでに防刃ベストも注文しておく。これで放火して逃げる時に背後から弓を射たれて無事に済む可能性が上がる。
『よしっ。後はガソリン買って帰るだけだな』
俺は再び自転車に乗ってガソリンスタンドまで行くと店員の人に携行缶にガソリンを入れてもらい、自転車の後ろに固定して山道を帰って行った。
*
家に到着すると荷物を置き、シャワーを浴びて、アイスを食うと手ぶらで異世界に向かう。
すると直ぐ近くにレナが居たので声を掛ける。
「あっ、お~い!レナ、戻ったぞ~」
「っ!司波様、お帰りなさいませ。これから皆でお昼にする所ですが、お食べになります?」
そう言われ、そいえば食べてなかった事に気づくと同時に、今更ながら時間の流れは同じみたいだな~と、これは偶然なのか?と考える。だが、考えた所で答えは浮かばなかった。
「ああ、エルフの料理は興味があるし、ご一緒させてもらっても良いかな?」
「はい、もちろんです。こちらへ」
そう案内されると100人近いエルフ達が居る場所に到着する。そしてそんな事よりも驚愕したことがあった。エルフが幼虫を食っていた。まぁ、エルフからすれば森でお手軽にとれるタンパク質なのだろうが、俺はあれを食おうという気にはなれない。
他にもキノコ。あの毒々しいカラフルなやつは何だ?絶対あれ毒キノコだろ。いや、きっとそうだ。ずっと食ってるエルフ達は耐性があるとして、俺が食ったら確実に死ぬ。
「おっ、おい...あれを食うのか?」
「はい、そうですが?置きに召しませんか?」
「あっ、いや...それは...」
ここまで来て断るのもなんか悪い...せめて、あの毒キノコだけは断らねば、死ぬっ。
「あ~俺キノコ苦手なんだよ~」
「作用でしたか。ではキノコ以外に何かお持ちしますので少々お待ちください」
良かった。これで死ぬことは無いだろう。たぶん腹は壊しそうだが...死ぬよりマシだっ。
などと覚悟を決めたつもりでいるとレナが戻ってきて、その手にはカブトムシの幼虫台の特別大きいウネウネ動く幼虫が握られてるのを見て絶望する。
「お待たせしました~こちら今朝取れた1番大きなもので是非、司波様にと貰ってきました」
あっ、これは逃げられない...。
「おう...ありがとな...」
俺はこの一件以来、異世界に行くときは必ず弁当を欠かさず持っていくようになった。因みに幼虫の味は、噛むと同時に薄い桃のような味わいがドローと広がり、食感は直ぐに飲み込んだので分からなかった。爺ちゃんも言ってた。「腹に入れば皆同じ」と。あれは今の俺と同じ体験をした教訓だったのかもしれない...。
*
食事が終わるとエルフの暮らしを見て回る。とは言っても既に村が焼かれて本来の暮らしぶりは見れないが、なんとなくでも分かる事はある。
「なんか凄い穏やかだな...戦時中だつてのに」
「そうですね...元々エルフは争いが嫌いです。いまは攻められてる以上、仕方なく応戦してますが、普段はこんな感じですよ」
全く緊張感は見られない。編み物をする者、楽器を奏でる者、俺には見えないが恐らく精霊と話してるだろう者、走り回る子供達。凄く平和だ。
「へぇ~そいえば、この世界に魔道具なんて物はあるのか?魔力で明かりを灯すランタンや、無限に水が出る水差しとか」
「はい、それならありますよ?ですが、魔道具を作るには核となる魔石が必要でして、魔石は魔物の心臓辺りにできるのですが、その魔石は魔物が成長するにつれて大きくなり、同時に危険な存在となります。なので魔物は発見次第、即座に始末してしまうので小さな魔石ばかり集まってしまい...」
「魔道具を作るには小さすぎて使えなかったり、容量が少なすぎて魔力を何度も補給しなくちゃいけない、ってところか?」
「あっ、はい、そんな感じです。それなら自分で魔法を使った方が早いし~という事で、あまり魔道具は多くないですが、その分強力な物があります」
どんな強力な物があるのかレナに聞くと、見た方が早いという事で案内されるとそこにはーー。
「ゴーレムか...」
そう、ゴーレムが居た。遺跡から少し出た辺り、外敵から遺跡を守る様に立つ、見上げる程大きな5mはあるだろう岩の巨像。絶対強い。
「はい、そうとも言いますが、我らは守護神も呼んでおります。因みにあのゴーレムの核はドラゴンの魔石が使用され、起動時には防御シールドを展開し、並大抵の攻撃では傷ひとつ負わず、攻撃面でも強力な対魔術師用に誘導徹甲弾を、あの口のところが開いて5発発射可能です」
魔術師を徹甲弾で始末し、普通の兵士は物理的にぶち殺して血祭りにあげる殺人ゴーレムということらしい。これ使えば勝てるんじゃないか?。
「これもう敵に突っ込ませれば、それだけで楽に勝てるんじゃないか?」
「いえ...そのぉ...このゴーレムは敵が攻めてきて不味いと思い、村の秘宝であったドラゴンの魔石を使って最近作り出した物で...術式が全く洗練されていないので燃費がとても悪いのです...」
「...え~と、直ぐに止まっちゃうのか?」
「はい...なので戦闘中に誰かが直接、魔力を継ぎ足して使う運用法を想定してます」
つまり、周りにエルフの居る遺跡での防衛戦か、大勢で打って出る時にしか使えないらしい。たが、それでも役立たずという訳ではなく、向こうが攻めてきた時の防衛戦では力強い存在だ。
遺跡はこのゴーレムが居れば安全だろう。
「じゃあ、とりあえず俺は帰るよ。作戦は明日か明後日の夜に、荷物が届き次第に開始する」
「はい、お待ちしております」
そう言い、俺がゲートを通った翌日の昼頃、荷物が届き、作戦に必要な物が揃った。
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